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転生したら(公社)魔法協会附属鍼灸院の院長になった  作者: MC sinq-c
第二章 魔法協会セミナー編
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魔術紋の歴史と使い方(基礎編)

「魔術紋の原型を作成したのは1000年前、古の魔法使いダー・カ師と言われており」


 壁に貼り付けられた大きな白いシーツに、エレメントギアによる投影でアカネが書いた講座の資料が映しだされている。

 地球では珍しくもないデータをプロジェクターで投影する一般的なセミナー方式だが、イセコスではエレメントギアを使った初めての試みとなった。

ゆえに初めて観た受講者達は感嘆の声を上げていたが、分かりやすさも相まってか少し経てば熱心にアカネの話しに聞き入っていた。


 100名はいるかな。

 メモを取る者、頷きながら聞く者、ニコニコと笑顔で聞く者……あの娘、何か随分、大きい棒状の物を抱えているな。

 まぁいい、とにかく第一回魔法協会セミナーは満席御礼だ。

 本来ならパシーのカイロン商会所属の魔術使いで1000名規模のセミナーも視野に入っていたが……あの戦いの余波で多くの魔術使いが半壊したボッカイの街から去り、街の復興のためにカイロン商会も魔法協会もほとんどの資金を使い果たしてしまっていた。

 振り出しに戻るどころかゴールドも無くなってしまったのだ。

 けど、新規会員として頼もしい仲間が入会してくれたのは素直に嬉しい。

ンドルとパシー、カイル、そして……


「へぇぇ、魔術紋の構造はそうなっているのか。知っていたかシュミットくん?」

「アイスクラ―さまは、既に学んでいらしたのでは?」

「いやいや、忘れていたよ、覚えることが沢山あるからね」

「ですよねぇ、アイスクラーさまが覚える事ではございませんと、私も思っておりました」


 来賓席に座っているピリス・アイスクラ―賛助会員とクラウス・シュミット賛助会員の計5名だ。

 端で立っている俺にピリスは気づき小さく手を振ってくる。

 それが気に入らないのかクラウスは不機嫌そうな顔でコチラを睨んでくる。


「アニキー、アイスクラ―は分かりやすけど、何であんな奴までサンジョ会員にしたんですかい!? ところでサンジョってどういう意味ですかい?」


 声をひそめているつもりだろうが、参加者がコチラを振り向いてくる。

 アカネが気にしているじゃないか。


「ンドル、もっと小声で……賛助会員というのは正会員と違って、議決権や役員にはなれなくて、特典としてこういうセミナーを会員価格で受講出来たり、広報誌を受け取れるだけの会員なんだよ」

「あ、すいやせん。なら、アイツらはかいちょーとかふくかいちょーには成れないってことですかい? そりゃ安心だ」

「まぁ、クラウスが会長になったら嫌だよな」

「ですよぉ、アイツに撃たれた傷は治りましたが心の傷は癒えてないんですぜ」


 その野獣顔で乙女令嬢みたいな事を言うなぁ。


「俺だって命を狙われてたけど、組織間の繋がりを作るためにも必要なことなんだよ。個人的な好き嫌いで組織運営してたら、直ぐにバラバラになるからね」 

「アニキは若いのに大人なんだな」

「あ、ンドル、スライドが止まってるよ」


 アカネはエレメントギアを魔法で動かしているが不調なのか画面がフリーズしている。


「あれ……えい、あれれ……えー」


 途端に自身無さげに眉尻を下げながら「おにいちゃ~ん」と口をぱくぱくさせている。

 ンドルが行っているからとジェスチャーするが、肝心なンドルがエレメントギアの前で首を捻っていた。

 うーん、セミナーあるあるだけど、電気で動いているプロジェクターならまだしも、エレメントギアじゃ俺が一番分からないからな。


 受講者がざわめく中、ピリスがクラウスに何やら耳打ちしている。

 クラウスは不承不承なオーラを放ちながら立ち上がり、ンドルの傍にやってきて何やら指示し始める。

 すると、スライド映像が動き出した。

 ンドルが喜びながらクラウスの肩をバンバン叩いている。

 おお、良いとこあるじゃん……単純だけど、こういう営みが大事だよな。

 忌々しそうな顔をしているクラウスと目が合ったので俺もGJを送る。

 少しずつ距離を縮めていければいいんだよな、きっと。

 しかし、ベーッと舌を出された。


 ……どうすれば退会勧告を出せるのか後で定款を読むか。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の組織運営を感じます。副会長は大変ですね!
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