魔法協会セミナー 二時間半前
「フフフ、今日までアタシの講演内容は秘匿してきたけど発表するわ!」
嫌な予感しかしない。
「その名も『エレメントだけはやめなさない!』」
あー、日本にもいたいた、こういうタイトルつける人。
そして、この空気、会議が静まるこの空気感。
炎上狙っているの? 不安商法? バカなの?
落ち着けー、武光、落ち着くんだー、こういう時は素数を数えるんだー。
「カヤ……分かってると思うが、あと二時間半後のセミナーにはピリスが来るんだよ? 俺がオブザーバーを着けて魔法協会に居られるのもピリスが定期的に俺たちの活動を査察するのが条件でエレメントアーミーが承認してくれたし、自治権を認めてくれた」
「だからなんなのよ!? ケイラスのバランスを崩しているのはエレメントなんだから、ダメなものはダメなのよ!」
「ふー……今日のセミナーで使う資料を投影する物もエレメントギアだろ? 過度なエレメントの浪費は魔法協会としても是正すべきと主張はする必要あるけど、生活に使えるものは、使い方次第でしょ?」
「そんなもの使わなきゃ良いじゃん! エレメントギア絶対はんたい!!」
「じゃ、俺のオブザーバーは?」
「う……そ、それは……それは」
急に泣きそうな顔になって消え入りそうな声で「やだぁ」と言っている。
ふぅ、やれやれ、このワガママ魔王に付き合っているとストレスでケイラスに還るわ。
涙目で頬を膨らませて押し黙っているカヤと俺をチラチラ見てくる四人の視線。
分かっていますよ、俺がどうにかしますから!
「カヤ、カヤの気持ちは俺たちみんな、よっく分かっているよ。アカネも俺も、カイルさんもパシーもンドルも、ケイラスの恵みあってのこの世界だと信じているから、カヤ・シドウ会長のもと魔法協会を支えているんだよ」
「うん……聡明で美人でおっぱい大きいアタシのために?」
いや、何も言ってない、一言も言ってない。あと、そんなに大きくない。
「そ、その通り。だから、今回は聡明なお知恵で題名を少し変えてくれないかな? あまりエレメントに否定的なのは今後のお付き合いにも差し障るから。もちろん、魔法の方が偉大だけど、下々への配慮もね」
「……そうね、タケミツといっしょに居たいから」
しおらしい事を言う。
「ありがとう。なら、タイトルはどうする?」
うーんと頭を捻りながら考えている。もう時間が無いのだからスパッと決めてほしいものだ。
うん! と某RPGの電球閃きが頭の上で点灯したかのような顔。
たまには期待させてくれ!
「『ピリスだけはやめなさい!』」
よーっし、今回は三コマでいこう!




