二人のカヤ・シドウ
「ぐぁうああああ」
カヤの叫びに同調するかのように五色のイナズマの勢いが落ちた。
「シドウ……良い仲間を持ったね」
額から血を流しながらピリスはほほ笑んだ。
「さっさと戻って来い――ラケーテシュラーゲン!」
かの有名な必殺技のようにピリスの両腕の外装がカヤの頭上目がけて飛び放たれた。
五行最後の金の場所にロケット的なパンチ的なものが吸い込まれる。
「あ。ああああああああああああああ」
五色のイナズマが消えていく、そしてカヤの瞳の闇も消失した。
力の抜けたカヤの身体が地面へと倒れ込もうとしていたが、寸前で抱き留めた。
「カヤ! 大丈夫か!?」
「……大丈夫なわけないでしょ……何もしてないアンタだけよ、元気なのは」
いつもの毒舌に安堵する。
ようやくお戻りになったか、やれやれ。
「アタシ……会長失格ね」
「ああ、そうかもしれないな」
「……」
「でも、カヤだけが全ての責任を背負う必要は無い。『ぐだぐだ』な会長のためにも副会長が必要だろ?」
「……ずるいよ」
ドンっと軽い衝撃。
「カヤちゃんのバカ! ……三人はずっと一緒……ずーーっとずっとだよ!!」
俺とカヤに抱き着きながらアカネはポロポロと大粒の涙をこぼしている。
その言葉にカヤはうんと頷きながら瞳を閉じ一筋の涙が流れた。
まったく、この二人と出会ってから今日まで苦労の連続だ。
もっとも地球にいた時も似たような苦労はあったけど、少なくとも今、感じる想いは違う。
誰かに仕方なくやらされているのではない。
この笑顔を守りたいから俺は――ここに居たい。
「……これは雲行きが怪しくなってきた」
ピリスが怪訝な表情を浮かべている。
「ピリス、すまん、怒るのは無理ないけど、俺はやっぱりここに」
「……これは、まさか、【魔人】?」
「いや、カイルさん、マジって言われても、やっぱり俺は二人と一緒に」
「なに寝ぼけたこと言っているの!? 空よ、空を見なさい!!」
パシーの言葉に空を見上げた。
カヤを覆っていた闇とイナズマが蠢いて形を成そうとしている。
何なんだあれは? まだ、終わっていないのか?
徐々にその形は輪郭を浮かびあがらせ現出した。
「……うそだろ」
「……かやちゃん?」
そこには銀色の髪を靡かせ赤い瞳のカヤがいた。
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カヤが二人もいたら武光の身体がもたないだろうと思う方、
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