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転生したら(公社)魔法協会附属鍼灸院の院長になった  作者: MC sinq-c
第一章 首都イオニア編
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寝室にてシャワー待ち!?

「それは大変だったね。魔法薬を背負いながら歩くのは疲れるだろう」

「え、これだけ話して、食いつくのそこなの?」 


 ピリスと別れた後から今までの事を歩きながら話していた。

 ボケてるのかマジなのか分からないような顔でピリスは考えている。


「……考えていたのだが、カヤ・シドウが会長なのだな」

「俺の話ちゃんと聞いてた? そんなどうでも良い事より、この街に来たのだってエレメントアーミーとの戦争が起きないように交渉しにきたし、クラウスって奴の事も何なのか」

「まぁまぁ、キミ、難しい話はまた明日で良いじゃないか。それより今日はデートを楽しもうではないか」 


 あっけらかんとした顔でピリスは俺の質問を煙に巻いた。

 制服ではない格好のピリスにこれ以上聞いても話すつもりはないのだろう。


「それにしても、ジーパンとTシャツに革のジャケットって、イオニアだと俺の世界のファッションに近い感じなんだな」

「ああ、これは前に知り合った異世界の女の子から貰った物だよ。どう? キミなら喜ぶと思ってさ」

「異世界の知り合い!? その人はまだこの街にいるのか?」

やっぱり首都だけあって、地球の人もいたか! もしかしたら何か事情を知っているかもしれない。

「いや、『今は』この街にはいない……へぇ、そういう対応なのか」 


 ピリスは意味深なことを言いながら何かを思案している。


「そういう対応って言われても、同じ世界の人かもしれないんだから会ってみたいだろ」

「ん? ああ、そういう意味では無いよ。キミの状況が今ので分かっただけさ」 


 フフっと不敵な笑みを浮かべた。

 どうせまた良からぬ事を考えているに違いない。

 上機嫌になったピリスに腕を組まれ、当ててんのよと言わんばかりに腕から胸の感触が伝わってきた。

 やれやれ、ピリスと歩く方向は地球から遠のくような気がするな。

 

 ピリスの案内でイオニアの街を巡る。

 ボッカイとは流通のレベルが違うのもあって、見たこと無い物の目白押しだった。

 驚いたのは、エレメントギアによる家電のような物まであった事。

 これはイオニアのみに許されている商品らしく、価格もボッカイでは家を買えるほどの値段であった。

 地球で言うなら産業革命の興りの時期なようなものか。


「さて、折角、イオニアに来てくれたんだ、キミが望んでいた私の家にも招待しようじゃないか」

「え、ピリスの家に?」


 ピリスの家に行きたいなんて言ったか……もしかして、ボッカイの街に連れてきてもらった時の事か?


「着いたぞ、ここが私の家だ」


 いつの間にか白い壁に黒い屋根のこじんまりとした民家の前に来ていた。所狭しと並ぶ家々と比べて小さめなピリス宅。とは言え、周囲のレンガ造りの家とは違う、どこか現代日本の建築物のような感じでもある。


「さぁ、どうぞ我が家だ」


 カヤと同じく、鍵を閉めてないんだな。

 まぁ、ピリスの家に侵入を試みる奴はいないという自負なのだろう。


「おじゃまします」


 内装も少し古いが現代的だ、室内灯もある、エレメントギアで動いているのか。


「さぁ、こっちの部屋だ」


 ん? リビングとかではないのか?

 ――マジか、寝室じゃないか!


「では、シャワーを浴びてくるから、くつろいで待っていてくれるかな」

「……は? 待って待って、寝室に案内して……シャワーを浴びるんですか?」


 さも当たり前のような顔で「汗臭いのはイヤだろ?」と言ってきた。


「いや、汗臭いのも悪くない……とかじゃなくて!」


 しかし、突っ込む前に、ピリスは既に部屋から出て行った。

 あまりの展開に、椅子にへたり込む。

 ベッドとサイドテーブルと椅子だけの簡素な部屋、まるでそういう事をするような、部屋に見えなくもない。

 え、もしかして、昼間から、しちゃうの?


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