結局、誰が一番オッパイが大きいのか?
「あー……そっか……つまり、あの女に繋がることになるじゃん」
カヤはチラッとこちらを向いてブスっとした顔になった。
あの女?
「はい、エレメントアーミーの将軍の1人でもあり、エレメントカレッジの俊英と呼ばれていたピリス・アイスクラー特務大佐なら分かっていただけると考えます」
「え、ピリスってそんな偉い人なの?」
一人を除いて場にいるみんなが一様に驚いた表情となった。
「えぇ? なになに、タケちゃんってあのアイスクラ―にも手を出してんのぉ? ……へぇぇ、私の方がオッパイ大きいよ?」
豊満な胸をこちらに見せつけてきた。
ええ、データで知っています!
「アンタ!! なにデレデレしてんのよ!? アタシだって……それなりに(チラッとパシーを見た)、あー、もう! やめやめ、やっぱり戦争するわ! 真っ先にあの女から血祭りにあげてやるわ!!」
「……杉山さま」
「カイルさん、その目はやめて」
俺のせいでは無いのにベクトルがズレた方向になっている。
「コイツ、知ってる? あの女から貰った腕輪をいっつもコソコソ弄ってるのよ。ホントムカつかない?」
「アハ、それはカヤっちもディスアグリーだよね? 私はそういうの見せつけられちゃうと逆に燃えてくる方だけどぉ」
女子トークに華を咲かすために死線をくぐり抜けたわけじゃないのだが。
「……オレっちは戦争なんてしたくないぜ。折角、こうやってみんな仲良くなれたんだ。オレっちは人同士で争うんじゃなくて、もっとみんなの役に立てる魔術を勉強したい」
ンドルは円卓に座らず部屋の隅から悲しそうな表情で語った。
ンドルの言うとおりだ、職域のせいで争っている暇はない。
いつまた朱雀が現れるのか分からないし、今度はどう相手をすれば良いのか、出来るだけ多くの人間で協力しなければいけないはずだ。
「……あんたの所のライオンくんって、キャラ変わり過ぎじゃない?」
「……ンドルはお酒飲まないと、カタくてつまんないのよねぇ。固いのは夜だけでいいのにさぁ」
あなた達も最初の頃は随分、憎しみあっていたけど変わりようがすごいよ?
「ンドル氏の言う通り戦争だけは避けなければなりません。昔に比べて魔物の脅威が薄れたとはいえ人同士で争える余裕はありません。特に魔法使いとエレメントマスターによる争いは過去にあったようにイセコスに大きな災厄をもたらすもやもしれません」
カイルの言葉に場が静まり返った。
「過去にあった災厄? 魔法使いとエレメントマスターで戦争でもあったの?」
「……アタシたちが産まれる前の話よ。それが戦争なのか事故なのかは定かでは無いけど、多くの魔法使いと創設されたばかりのエレメントマスターたちが集まった東の大陸において、何らかの事象が起き、魔法使いとエレメントマスターは消え、魔法使いの故郷と呼ばれた東の大陸は魔物の巣窟となってしまったのよ」
「そうそう、その話ってトークするのタブーな感じよねぇ。そこから魔法使いの数も減って、エレメントマスターがイニシアティブを取って世の中動く雰囲気になったし」
東の大陸ってところで何かが起きた、か。
そのことが魔法使いとエレメントマスターの確執に繋がっているのかもしれない。
「エレメントマスターと魔法使いで作り上げた【魔人】が出てきてとかぁ」
「……パシー、それは流石に噂話よ。むしろ、魔法使いを貶める陰謀論じゃん」
魔人か。噂話、陰謀論って、この世界にもそういう類の話があるのか。
カイルはまぁまぁ、と言いながら話を本題に戻す。
「戦争を回避するには当事者間の対話が重要となります。よって、オオカワ会長にピリス・アイスクラ―特務大尉との対話の場を設けていただき、シドウ会長にはシャギーリ首都イオニアに出向いてもらいます。そして、杉山副会長、あなたにもご同行お願いいたします」
「え? 俺も行くの? そこはカイルさんじゃなくて?」
「私も久しぶりにオオカワ会長にご挨拶したいところですが、シドウ会長不在のボッカイを守る仕事もありますので。それに、杉山さまはアイスクラ―特務大佐と面識もあるそうなので心象が良い方向に進むかと」
まぁ、それはそうだ。
実際、ピリスは命の恩人だし、この世界での生活の紹介もしてくれた。お礼を述べる意味でも会っておきたい。
それに、あのEEのクラウス・シュミットとの関係も把握する必要があるしな。
「……なんか、アンタ喜んでない? 言っとくけど、あのガリ勉冷血女はアタシたちの敵なんだからね? ちょっと助けてもらったからって良い気になってさ、腕輪を大事そうに抱えて、そんな気持ちじゃ真っ先に死ぬわよ!? あと、私が一番、おっぱい大きいし!」
「いや、それはない」
「キー! 即答すんな!」
首都イオニアか……どんな街なのだろうか。
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