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65.…ドラゴン?

いつも拙い小説ご覧頂き、ありがとうございます。


昨日でこの小説の投稿一年経ちました。

まだまだ物語は続き、少しずつ投稿させて頂きます。


これからも見てくだされば幸いです。


 事態が落ち着いた事を察知してコッコ一号は空から戻ってイアン達の元に降り立った。

 一号に気付いたそれは二号と一緒に自分を生まれさせようと卵を温めてくれた存在だと直感で察知し、先程の二号のように擦り寄られていた。


 一号達は取り敢えず置いておくとして、イアン達は事情の知っているであろうこの家に居たタナカさん(夫婦)、コッコ二号に説明を求めた。


「コケコッコ」

「はぁ!?あの卵からこれが生まれた!?」


 思わずタナカさん(夫婦)を見て二号が嘘を言っているのか確認するが頷いて肯定する姿を見て、話は真実であると証明された。


「この生き物って…ドラゴン、ですか?」

「でも、ドラゴンにしては…手足がおかしくない?」


 この世界のドラゴンはトカゲや蛇の様な姿をした巨大な存在。背中には翼が生えており、魔物と聖獣でその姿は確認されている。

 そして、両手両足があるか無いかのどちらかしかいない。


 ところが今目の前にいるドラゴンだと思われる存在はそのどちらでも無い。

 足はあるが、手は無いからだ。


「ぎゃうぎやう!」

「コケー…」


 だが、無い手を補う様に小翼羽の辺りに生えている三本の爪を器用に使ってコッコ一号に抱き着いている。


 翼をも武器とするドラゴンには爪が生えているのは一般的だが、それを器用に手のように使う事は記録には無い事だった。

 混乱しているイアンに取り敢えずこの存在が生また時の経緯を説明し始めた。


 武器を整備していたタナカさん(夫婦)はパキッと何か割れる音がしたのに気付いた。

 聞き間違いだと思ったがパキパキと再び音が鳴り、やはり音は鳴っていると音の発信源は何処だと辺りを見渡した。


 二号も音に気付き、キョロキョロ見るが特に変わった様子は無い。二号はふと何気なく下を向いた。

 自身の温めていた卵にヒビが入っていたのだ。


 思わず叫びながら卵から離れた。それに反応したタナカさん(夫婦)は警戒した。

 この卵は何が生まれるか分かっていない。もし危険な場合、イアンの居ない今、自分達がどうにかしなければいけないからだ。


 パキリと卵が割れると中から出て来たドラゴンと思われる存在にタナカさん(夫婦)と二号は開いた口が塞がらなかった。


 直ぐに動き始めたそれは卵の中から分かっていたのか二号に甘えるように鳴いた。


 せっせと一号と共に温めて来た卵である。情がない筈が無い。

 二号は濡れた身体を自身の羽で優しく拭いていく。


 程無くして身体は乾き、爪を器用に使って立ち上がろうとしていたそれを確認するべくタナカさん(夫)は手を伸ばした。


 その瞬間、襲われると勘違いしたそれはタナカさん(夫)に向かって火を吐いた。

 二号は火に驚いて外へ飛び出し、タナカさん(妻)も驚き慌ててタナカさん(夫)に近寄った。


 近寄った事により増援と誤解され、タナカさん(妻)までも火の餌食になってしまった。

 そして二号を追いかけようと翼を広げて外へと飛び出し、視界の邪魔になる木々を焼きながら探してる最中にイアン達が帰って来たのだ。


「うぅ…やっぱりあの怪しい男の卵なんて処分しておけば良かったんだぁ!」


 嫌な予感はコッコ達が卵を温めると選択した時からしていた。だが、大丈夫だろうと楽観的に捉えた結果が今だ。

 後悔から叫ぶイアンに腕に居たポチとタマがぽん、と背中を叩いた。


「どうするんですか、この…ドラゴン?」


 サントが聞くが早いか、イアンはポチとタマを離し、コッコに抱き着いているそれの首元を掴み上げると一目散に空間の入り口に向かって走り出した。


「ぎゃう!?」

「俺は知らない!そうだ俺は何も見なかった!」


 空間の入り口から外に放り投げようとしたイアンの後頭部にコッコの足蹴りが決まった。


「いだっ!」

「コケー!」

「コケー!」

「ぎゃうぅ」


 涙目になりながらコッコ達に抱き着いたそれを慰めるように翼で撫でる。


 一方イアンはポチとタマに怒られていた。


「ワンワン!」

「いくらにゃんでも、愛情込めて温めて生まれた存在をいきなり捨てるのはどうかと思いますにゃ」

「だって…こんな訳分からない、ドラゴンっぽいの…俺の手に余るし…」


 イアンでもいきなり捨てるという暴挙はやり過ぎだと思ってはいたが、それでも未知の存在をこのままここに置きたいとは思わなかった。


「コケ!コケコ」

「コケココ」

「えぇ…」


 だが、コッコ達は自分達の子だと言い張り、ここに置いてくれとイアンに言う。

 イアンはチラリと見るがそれは捨てられそうになった事に怒っているのか小さく火を吹いて威嚇している。


 やっぱり嫌だと思うがコッコ達の懇願の眼差しにどうにかしたいと気持ちが揺れる。


「にゃら、取り敢えずテイムしたら良いんじゃにゃいですか?そうしたらご主人が許容出来ないと思った攻撃は全て自分に返りますにゃ」

「あー…テイム出来れば、ここに居ても、良いかぁ…でも、こいつ魔物か?」

「百聞は一見に如かず!やってみるですにゃ!」


 タマに促されるままイアンは恐る恐る手を伸ばした。

 イアンの手に噛みつこうとするそれをコッコ達が宥めるとイアンはスキルを発動させた。


「テイム!」


 スキルが発動するとそれを中心に周りに光の円が現れた。

 この円が吸い込まれればテイム成功、拒絶されれば弾ける。


 今までイアンがテイムして来たのは合意か不意打ち。知らない存在との面と向かってのテイムは思えば初めてである。


 魔物の場合は不明だが、動物や聖獣のテイムで失敗して拒絶されるとテイムしようとした存在が逆上し、襲って来たと記録にある。


 もし拒絶された場合どうしようと不安に思いながらも、イアンの発動したスキルは吸い込まれた。


「テイム…成功」


 コッコ達は此処で一緒に暮らせる事に喜び、ポチとタマは新しく増えた家族を嬉しそうに向かい入れ、イアンは無事にテイムが成功した事にホッと一息つく事が出来たのだった。


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