第1話 いざ、異世界転移!!
俺は佐藤 瞬。これといった特技もない、平凡な高校二年生だ。俺は今、寝る前にTwitterを訳もなく眺め、時間を潰している。
「ん?なんだこのツイート。」
ふと目に入ったツイートがあったので確認してみると、
『今日は新学期だった! 友達もいっぱい出来たし、毎日が楽しくなる予感! 夏休み無くなっても良いかも!』
な訳あるか。夏休みが無くなったらこの世の学生が絶滅しちまうよ。
あとなんだこいつ! 自慢か? 友達が出来たからって自慢か!? 俺も今日新学期だったけど誰とも喋ってないよ、クソが! べ、別に私があんたの友達になってあげてもいいんだからね?
はあ、いきなりツンデレ系女子のモノマネって、何やってんだ俺…。
まあいい、一応アカウント名だけでも見ておくか…。えーと?『地獄に舞い降りた天使』
は?なんだこいつ! こんなくっそみたいな名前してるくせに友達が出来たのか!? お前の通ってる学校は厨二病の集まりなのかよぉ!?
まあいい……。こういうやべえ奴がいるのもTwitterの醍醐味ってやつよ。
そして、俺はTwitterを閉じ、迷わぬ手つきでソシャゲを開く。何を隠そう、今日はガチャのフェス日なのだ。ここで石を大放出して、人権キャラをゲットしまくる予定だ。30回しか引けないがこれさえあれば十分だろう。
「よし、まず十連。」
爆死。まあいい。あと20回もある。
「いくぞ、二十連目!」
爆死…。何だこのガチャ…。排出率バグってんのか…?
「さあ、命の三十連目!!」
寝よ…。
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「ふぁぁ……。」
俺は自慢じゃないが朝に弱い……。いつかドラキュラと間違われるんじゃないかってくらい朝に弱い。だから朝起きたら目の前に草原が見えても何らおかしく……。
「いや、おかしすぎるだろ!」
俺は飛び起き目を凝らす。しかし、見えるのは辺り一面の草原だけだった。
起きて少し経ったからだろうか、だんだん脳が覚醒してきて、俺はこの状況に焦りを感じてきた。なんせ、朝起きたら帰り道も分からないところに一人、ぽつんとたたずんているのだ。
「どうしよ……。とりあえず歩いてみるか。」
しばらく歩いていると、俺の目の前に青い、RPGで言うところのスライムが1匹居た。もうすぐで踏む所だったんだけど。危ねぇ……。
「なんだこれ…? え? こんなの日本にいるか? まさかとは思っていたが本当に異世界なの? ねぇ? スライムくん?」
当然返事は返ってこない。まあ、聞くまでもなくここは異世界だよな……。それよりこれ、倒していいのか?なんか良心が傷つくから倒したくなんだけど……。
倒した。踏みにじった。なんか、踏んだら気持ちよさそうだったんだもの。霜があったら踏みたくなるよね?それと一緒だよ、うん……。悪かったとは思っている。後悔はしてない。
その後は特に何もなく、ぼんやりと進んでいるとなにやら街ようなものが見えてきた。
「え?待って?あれ街じゃね?てかすげぇ!ほんとに街が壁で囲まれてるんだけど!!異世界小説とかでよく見る街だぁ!!」
柄にもなくテンションが上がってしまった。絶望の状態から希望の光が差し込んだからだろうか。そして、よく見ると壁に門があったのでそこから入ろうとする。
「おい。そこのお前!」
いきなり全身に鎧を着た兵士に行く先を阻まれる。
今、日本語じゃないよく分からない言語が聞こえたのに理解出来たんだけど。すげぇ!
というより、なんだお前。未来の英雄の邪魔をしようってか?
「なんだ?サインか?サインなら後でやるからそう焦るなって」
「何を言っている。身分証明書を出さないとこの国には入れんぞ。」
そんなもん持ってねぇ…。
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初投稿です!!つたない文章ですが温かい目で見ていただけると幸いです。