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婚約者の言う事には  作者: 北見深
各々の回想
26/29

かわらない? 2

キリが良い所で・・以下略。


 深く考えるのを止めたヨシュアは踵を返して家に歩き出した。



 家の前まで来たら、夕食の良い匂いがする。

 良い匂いに気を良くして、ヨシュアはすっかり機嫌を直した。

いつも通り、当たり前に台所へと続く玄関扉を開けたら、そこには良く知っている人の料理する後姿。


 夕食の鍋の火加減を見ているから手が離せないらしく、真剣な横顔だけが解る。久しぶりの帰省といった雰囲気が皆無だ。

 背を向けたままのリサは前と同じに見えた。

「お帰り」

 かけられた声に、どっちがだよって思ったそのままを口にする。リサは一瞬手を止めて顔だけ振り向いて笑った。

「じゃあ。ただいま?」

「おう。腹減った」

 リサは完全にこっちを向いて軽く首を傾げる。

「お帰り、は?」

「もういいじゃん・・・・お帰り」

 改めてこっちを向いて、返事をじっと待ってるリサに負けた。席に着いて、そういえばアンが手伝わない男は最低だとか言ってたな、と思い出す。

 腰を浮かして「何かする事あるか?」って聞く

「まだいいよ。先に食べるなら自分のお皿は出してね」

また、支度に取りかかったリサに分かった。と答え食器棚から皿を出す。で、リサの横に立った。

「腹減ったんだけど」

話しかけるがリサは鍋から目を離さない。リサはお椀に少し取り分け味見する。満足したのか火を消し、やっとヨシュアを振り返った。

「子供じゃないんだから」

呆れを含んだ声。

「だって、リサの飯久しぶり」

「そうだね」

だから何だと言う目だ。だけどリサは持ってきた皿に出来立てのシチューをよそう。

「はい」

早く取れと押し付ける。

目で中身を確認すれば、肉肉言う俺の為に大き目の肉が浮かんでいる。ついでに野菜も細かいのがたっぶり入っているが文句は言わない。


昔のままだ。


変わらない・・・・ん?どっか違う?

「髪伸びた?」

リサは瞬きしてふっと笑う。

「びっくり。ヨシュアが髪型に気付くとは思わなかった」

失礼な奴だ。俺もそういう機微?は解るんだからな。

「そのぐらい解る」

自信満々で言いつつも、前はもっと短くて肩位まで・・いや、アゴの辺りまで?逆に長かったっけ?あれ?

などと悩んでいるとリサが笑った。

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