ラルフ 長兄の奮闘 3
母がリサを家の子にしたいとのたまった
「ねぇ、ラルフ。リサ可愛いわよね」
「あ?まあ、可愛いよ?」
「じゃあ、婚約しちゃわない?」
「は??」
あっちもいいっていってるのよ~と浮かれる母さん。
俺は7つも年下の、未だ幼児の少女の婚約者にされかけているのか?
いや、それより相手はリサ。リサと言えば婚約なんかしたらクリスが・・・・。
「俺じゃなくクリスがいいんじゃないか?仲良いし」
「あら、そうよね。わかった!クリスに聞いてみるわ」
母の案外簡単な了承に、俺はほっとした。
良かったなクリス。
って、思ったのはその時だけだった。
何故かクリスは断ったらしい。あれ?
「じゃあ、ヨシュアね」
母が決めたのはヨシュアだった。
アイツも、知り合いだと言うのと、婚約って意味が良く解っていなかったのか了承したらしい。
そのことを食卓で言った母に一瞬凍りついたクリスに気付いたのは俺と、怪訝な顔でクリスを見たアンジェリカだけだったろう
ヨシュアはふてくされながらも了承していたのだ
クリスはその後、王都の学園に行ってしまった。
さびしくはあるが、しょうがない。
帰って来た弟が速攻リサに会いに行ったとは気付かなかった。
数日も経たないうちにリサの婚約者がヨシュアからクリスに替わるとも考えてなかった。
って言うか!!
半年もしない内に簡素な式を挙げて攫う様にリサを連れて行くとも思わなかったぞ!クリス!お兄ちゃんはお前の先行きが心配だ!ちょっとは近況報告しろよ!
リサには悪いけど、俺は弟に幸せになって欲しい。
だから、リサ。
諦めて、クリスの嫁で居てくれ、
とりあえず拝んどく。
合掌