表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者の言う事には  作者: 北見深
各々の回想
14/29

ラルフ 長兄の奮闘 2

家ではコレを幸福な風景という・・・たぶん。


★★★


もうクリスは学校に通っていた時期だ。クリスは家に帰ると、さっそくリサを任されて、母がヨシュアを追って行った。


動こうとするリサを抱き込むのはクリス。

リサも行きたくて暴れる。

それでもまだ小さな手で必死に止めるクリス。

怒ったリサはクリスの手にかぶりつく。

ちんまりした歯しかないから全く痛くない。

もがもが手にかぶりつかれながら、クリスはにっこり笑った

「しょうがないなぁリサは。」


ラルフはまたも後ずさった。

リサに手をかじられ、よだれまみれになりながら、その手を噛むリサを愛しそうに眺める弟。

目的が脱出でなくクリスの手で、遊び始めたリサの頭に頬を擦り付けるクリス。


「ふふ、僕の方がリサを食べちゃいたいな。」


不穏な事を言うな弟よ。

兄はとりあえず見守った。遠~くから。


★★★


そして俺の家に妹が生まれた。


ヨシュアが妹を可愛がる。

母も父も少々可愛がり過ぎじゃね?と思うほど。


相変わらずリサは家に預けられる。

父母はリサも可愛がる。

が、こっちは余所の子なので自制心が働くのか、妹のアンジェリカよりかは甘やかさない。

でも、ひょいひょい預かる所を見るに、アンジェリカとリサを並べてにまにまする親父を見るに、可愛いらしい。

息子の立場は?と思わないでもないが、まあ、悪戯しても誤魔化しやすくなったしいいかと俺は思う。


そういえば、俺とヨシュアが遊んだ所為でクリスの本が台無し事件の後、クリスだけには一人部屋が与えられた。

父は最初、俺に部屋を与えようと思っていたが、勉強の出来るクリスに集中出来る部屋を与えてやりたかったらしい。俺も同感だ。俺らと居るとクリスの邪魔にしかならないからな。妹の一人部屋の為には家を増築したのに、最後まで俺がヨシュアと同部屋だったのはどうなんだろう?と思わなくもないが。

まあ、俺はは一人になりたかったら外に行くし、弟はほっとくと悪さをするから横で見張っていた方がいいので良しとしよう。


アンが歩けるようになり、駆けるようになると、ヨシュアはアンを連れ回る。

俺から見てもアンは可愛い容姿をしている。ヨシュアは自分だけ金髪に見えないとフテていたからアンのクリス同様綺麗な金髪がお気に入りらしい。

リサもそれに加わるのだが、妹を馬鹿可愛がりするヨシュアはアンに良いようにする為、良くリサを邪険に扱う。良くないな、と諌めようと思うのだが。


リサが泣く頃合いを見計らって近くの木陰に本を持って座り込むクリスが目に入る。


最初。見た時はずずっと後ずさったものだ。

泣き出したリサは、たまたま目に入ったクリス(クリスは計算してそこにいる)に駆けて行く。泣きついて、クリスに慰められ、彼の膝の上で本を読んでもらう。

クリスはリサがヨシュアに泣かされるのを止める事はしない、その代わり、リサの視界に入り、リサに泣きつかれて慰める。リサが来るのを非常に解りやすい場所で待つのだ。

我が弟ながら、ちょっと、いや、かなり怖いぞクリス。


お兄ちゃんは心配だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ