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~Lion Kiss~  作者: 友崎沙咲
episode1
2/18

雄ライオンと女豹

「……イイ身体の男となら誰とでもヤれるんだろ……?」

「……っん……!」


俺は女をソファに押し倒すと彼女の両手首を束ねるように片手で握り、自由を奪った。

女は、それまで俺に向けていた強気な眼差しを驚きに揺れる光に変えた。


……まあ、とびっきりの美人って訳じゃないが、悪くはない。

俺はお構いなしに女のワンピースをたくし上げた。

陶器のように白い肌はまだ誰にも触れられた事がないと言ったように、俺の指を拒もうと弓形に反り返る。


「……逃げんな」


俺は組み敷いた女の耳元に唇を寄せると、殆んど息だけで囁くように言った。


「だって……指が冷たい……」


背けていた顔をこちらに向けて女がそう呟くから、俺は女の唇を指の腹で撫でながらニヤリと笑った。


「じゃあ、温めろよ」

「……ん」


女が少し眉を寄せた。

俺の人差し指が女の口内でうごめくと、女はキュッと眼を閉じた。

羞恥心を押し隠すためか、感じ始めたからなのかは分からない。


散々女の口内を指で愛撫すると淫らな唇が艶かしく光り、それを見ていると身体の芯がジンと疼き、俺は女の口から指を引き抜いた。

途端にフウッと眼を開けて、女は俺を真っ直ぐ見つめた。


大きくて潤んだ茶色の瞳。綺麗な二重瞼に長い睫毛。

女も思うところがあるらしく、至近距離から俺を見つめている。

先に口を開いたのは女だった。


「……名前は?」


あ?


「シてる最中に、名前で呼びたいから……名前、教えて?」


囁くようなその声は、大人びたようでどこか幼い。

一瞬で俺は想像した。この女が俺に感じながら、俺の名を呼ぶのを。


「……來也」

「ライヤ?」

「……お前は?」


女は唇を引き結んだ。


「……教えろよ。俺も呼ぶから」


女は柔らかく笑った。


「真朝」


マアサ……。

その時、真朝が顔を上げて俺の唇に触れるか触れないかのキスをした。

眼を閉じて、軽く唇を開いた綺麗な顔を近付けて。 

真朝が手を動かそうとしたから、俺は一掴みにしていた彼女の手首をゆっくり放した。


「……來也」


小さく真朝は名を呼んで、自由になった両腕を俺の首に絡ませた。

フワリと空気が動き、甘い香りが鼻腔をかすめる。


「來也、先にお風呂入りたい。じゃないと……集中できない」


俺としてはこのままヤりたいところだが……集中できないと言われたら……集中してもらう方がありがたい。

俺は少し笑うと、真朝にチュッと口付けて身を起こした。

  

「……待ってろ」


俺はバスルームへと向かいながら唇を引き上げた。

この後に待っているであろう、目眩く陶酔を想像しながら。



***



誰が待つかっての、あのエロ細マッチョがっ!!

私、藤吉マヒルは唇をゴシゴシと右手の甲で擦りながら、早足であの男……來也のマンションを飛び出した。

今頃、地団駄踏んでるに違いないわ、あのバカ男。

……確かにイイ男で、私好みだった。


スラリと背が高くて肩幅もあり、何より身体全体が引き締まっていた。

二の腕も逞しくて素敵だったし。

顔はというと、程よく彫りの深い顔立ちでしつこくない感じ。

涼やかな切れ長の眼、通った鼻筋。男らしくて清潔そうな唇はちょっぴり野性的だった。


私は來也の顔を思い返しながら、夜空に向かって大きく息を吐いた。

あーゆー、姿形に恵まれた男はすぐに女とヤれると思ってる。

けしからん!


「女すべてがお前になびくと思うなっつーの!!ざまーみろーっ!!」


道行く人が少し怯えたように私を見たけど、どうでもよかった。

実に清々しい!

もう真冬だというのに、私の身体はしっとりと汗ばんでいた。

自意識過剰なイケメンに一泡吹かせてやったという達成感が、私を高揚させていたのだ。


けれど。

ついさっきまで勝利感でいっぱいだったのに、それは足早に私から去っていってしまった。

目と鼻の先なのに代官山駅へ行く気になれず、タクシーに飛び乗ると東京タワー方面を目指した。

たまに行く、多国籍な人々が集まるダイニングバーに行きたくなったのだ。何故か無性に様々な人種に紛れたかった。

タクシーを降りて前方の東京タワーを掴むように手を伸ばすと、私は自嘲的に笑った。


「バカだ、私」


こんなことしても……過去は変えられないのに。


「……飲み直そ」


私は踵を返して東京タワーに背を向けると、コートのポケットに両手を突っ込んで歩き出した。


この三ヶ月後。



****




「見て!!彼凄く良くない?!」


私の差し出したスマホの画面を見ながら、同期の浅田柚希は眼を真ん丸にして声をあげた。


時間は午後七時半。

場所は私たちの勤めるセネカ貿易株式会社から程近い焼き鳥屋『宮代』である。

長いカウンター席のほかに、座敷とテーブル席が合わせて10席程のこの焼鳥屋『宮代』は、入社した時から私のお気に入りである。


「誰これ?!すんごくイイ身体ーっ」

「でしょ?!今見てるヴァンパイアものの海外ドラマのね、狼役」

「はっ!?」


私は大きく笑った。


「とにかく見て、この腹筋とセクシー筋。顔だって申し分無い私好みなのよ!」

「これ、壁紙にしてんの?!やらしくない?!全裸で下半身は水の中ってどーよ」

「全裸かどーかはわかんないじゃん。腰から下は水中だし。あー、こーゆー男になら出逢って一秒でベッドもいいわ。あ、今は治人さんがいるからダメだけど」


そう言った私に柚希は笑った。


「ほんと、マヒルは肉食女子よね。そこいらの男は引くよ!?その待受画面見たら」


私は焼き鳥を口に運ぶとグイッと串を真一文字に引き抜いた。

それからジョッキを勢いよくあおると、店員の翔吾君に生中のお代わりを頼み、柚希に毒づく。


「男がヤりたいとか言っても許されるのにさ、女が同じこと言うと淫乱扱いよね。冗談じゃないわ。女だってイイ男とヤりたいっつーの」


柚希はカラカラと笑った。


「はははは。まあね。でも、マヒルの彼……治人さんは、どちらかとゆーとワイルド系じゃないよね」


私はフフフと笑った。


「うん、見た目は冴えないし、腹筋も割れてない。でも、だからこそ安心するのよね」


「浮気される心配ないし、フラれる事もないってか?けど彼、有川物産の御曹司でしょ?!虫除けしなきゃ、色んな虫が寄ってくるよ?」

「大丈夫大丈夫!彼、地味だし」


店のざわめきを意識して、私は少し大きめの声で言った。


「彼は御曹司だけど、冴えないから正直安心してる。イイ男って自分でその価値を分かってるじゃん?!で、女はみんな自分に惚れると思ってる。ムカつくんだよね。だから私、付き合うなら見た目じゃなくて安心できる人がいい。もう4.5なんて言われたくないし」


柚希が大袈裟に天井を仰いだ。


「4.5!!その話は笑えたわー!」


私はすかさず柚希の腕を小突いた。


「笑わないでよっ、その当時はかなりこたえたんだからね」


そう、私にとって4.5とは、呪われた数字だ。


「おっと!裕太から電話だ!もう着くみたい!」

「おっけい!じゃあまた月曜日ね!」

「ん、じゃね!マヒル」


このあと柚希は同棲している彼、裕太君と映画デートらしい。

私は……このままここで飲むか。

付き合って三ヶ月になる彼……治人さんは出張で来週まで帰ってこないし。


「翔吾くん!カウンターに移動していい?テーブル席占領したら悪いし」


私が近くを通りかかった翔吾くんにそう言うと、彼はニコッと笑って頭を下げた。


「マヒルさん、お心遣い助かります!じゃあ、こちらに」

「ん」


テーブル席からカウンターへと座り直した私に翔吾くんが、再び微笑む。


「これ、店長からサービスです」

「わお!篠山さん、ありがと!」


私はキンキンに冷えた生ビールを目の高さまであげると、厨房にいる店長の篠山さんにペコッと頭を下げた。

篠山さんは、そんな私を見てバチッとウインクを返す。


フフフ。篠山さんたら……やり慣れてるな、ウインク。

その時だった。


「ほんとにフシダラな女だぜ」


へっ?!

急に左側から声がして、私は反射的に顔をあげて声のした隣を見た。

精悍な頬、中高な顔立ちのこのイケメンは……。


私はギクリとして眼を見開いた。

こ、コイツはたしか……三ヶ月前の……あのエロ細マッチョじゃねえか!


「舌打ちすんじゃねーよ」


まず、知らぬ存ぜぬを通してみる。


「どちら様でしたっけ?」


私のこの言葉が男の闘志に火を点けたのか、ヤツは斜めから流すように私を見つめて妖艶な笑みを見せた。


「忘れたのかよ。俺の指に舌絡めてあっためてくれたの」


私は思わず両眼を閉じた。

……そうだ、事の起こりは三ヶ月前。



****



金曜日。

六本木にあるショットバー『Sou』で、私はひとりで飲んでいた。

実はこの日、同じ食品事業部の貿易事務の先輩である菜穂さん主催のコンパだったんだよね。

でもこの度のコンパには、あまり合う人がいなかった。


私、藤吉マヒル27歳。彼氏いない歴は4年。ひとりの男性と長く付き合った経験はなし。

ああ。このまま朽ち果てていくのかしら、私。

私は溜め息をつきながらカウンターの端に腰掛けて、顔馴染みのバーテンダーにコスモポリタンをオーダーした。

いやいや落ち込むな私!次いこ、次!


「お待たせしました、マヒルさん」


涼やかなイケメンバーテンダー綾瀬さんに小さく頭を下げて、私はカクテルグラスのコスモポリタンを見つめた。

……綺麗な色。こんな燃えるような恋がしたいなあ。

そう思いながらグラスを持ち上げ、一口飲もうとした正にその時。


「どの女も簡単だろ、チョロいわ」


低い声が真後ろから聞こえた。


「ちょっと金使ってやりゃ、簡単」

「それはお前がイケメンだからだろ」

「まあ、そこは基本だな。大抵女ってのは見た目に惹かれるからな」


艶やかで魅力的な声の主は軽く笑った。

……はい出ました。自意識過剰なバカッぽい男、出現。……見たい。どうしても顔が見たい。

そして裁きたい。


たちまちのうちに私の心の中は、声の主に制裁を加えたくて仕方ない思いであふれかえった。

この、浅はかな男をギャフンと言わせてやりたい。

どの女も簡単?女、舐めんなよ。

裁きたい。裁かなければならない。


私はその思いが抑えられなかった。どうしてこんなにも裁きたいのか。

……分かっている。手厳しく私を振ったあの男と被るからだ。


一口飲んだコスモポリタンは、クランベリーが効いていた。飲み込むとすぐにウォッカが香った。

私はグラスを置くとゆっくりと身をよじり後ろを振り返った。


****


そして現在。


「……そうでしたっけ?」


どうでもいいというように私がそう言うと、彼は皮肉一杯でこう返した。


「あんな挑発的に誘っといて、とんだ女狐だぜ」


私は鼻で笑った。


「ちょっと見つめただけだけど?コロッと引っ掛かったあんたが悪いんでしょ。しかも女狐?!せめて女豹と言ってもらいたいわね。

……あんたは動物でたとえると……見かけ倒しの雄ライオンって感じ。あはは!」


言い終えると私はツンと横を向いた。


「何がマアサだ。マヒルだろ、本名は」


ち、クソッ!


「どーせもう会うこともないから朝でも昼でもどっちでもいーかなー、なんて」


私がそう言いながらニッコリと微笑むと、隣のイケメン……來也が唇を引き結んだ。


「……なに?」


來也があまりにも私を凝視するから彼が何か言うのかと待っていたけど、数秒経っても無言なものだから諦めてジョッキを傾けた。


「お前さ、器物破損て言葉、知ってる?」

「は?」

「お前、俺ん家のテーブルに落書きしたよな?!」


もう出逢わない想定で確かにしたわ、忘れてたけど。テーブルにあったマジックで『バァカ!』て書いた。


「落書きはしたけど壊してないじゃん」


私の言葉に來也はムッとしたようで、至近距離から私を睨んだ。

切れ長の眼が苛立たしげに光る。


「アホか。落書きだって器物破損に当てはまるんだよ。あのテーブルはなあ、世界に一つしかないんだぞ。どう責任取ってくれるんだよ」


どうって……。


「いくらしたの?」


「バカか。話聞いてなかったのかよ。あれは世界に一つしかないんだ。プライスレスってやつなんだ」

「私が落書きしてもしなくても世界に一つしかないんだから、消せばいーじゃん」

「はあ?!」


「大体さぁ、イイ身体で顔もよくてさぞかしモテるのか知らないけど、罰が当たったとは考えない訳?!

簡単に女連れ込んでヤっちゃおうとか思うからヤる前に逃げられちゃったりテーブルに落書きされちゃったりするのよ、ハハン、イイ気味っ!」


多分、多少酔ってたとは思う。來也は更に怒り、チッと舌打ちした。


「お前こそよくもまあ簡単に知らねぇ男についていくよな。尻軽女の典型だぜ。しかも聞いてりゃ有川物産のお坊っちゃまが彼氏だと?」


げっ、どこまで聞いてたんだ、こいつは!


「あ、あのあとすぐに知り合ったのっ!あの時は彼氏なんていませんでしたーっ」


私の焦りを敏感に察知したのか、來也はニヤリと笑った。


「さあどーだか。有川物産の御曹司ともなりゃ、色んな企業の社長令嬢がこぞって妻の座を狙ってるだろーよ。

……付き合ってる女がホイホイ男についていくような女だと知れたら、世間はどー思うか……。マスコミだって騒ぎ出すかもな」


私はジョッキを置くと体ごと來也に向き直り、その顔を見上げた。


「なに?……脅してんの?」


來也は少し驚いたように眉を上げた。


「ねえ、脅してるわけ?!」


眉を寄せて私が睨むと、來也はひとつ咳払いをした。


「まあ……俺の家に来て跡形もなくあの落書きを消しゃあ、考えてやってもいいが」


……めんどくさ。

けど確かに治人さんは有川物産の御曹司だ。

さっきコイツが言ったように、恋人である私の素行が問題で騒ぎになったりしたら……。 


「後に有川物産を背負って立つ人材だよな、有川治人は。そんな男の未来の奥方候補が」

「わかったわよっ、拭く!拭きゃあいーんでしょ」


追い討ちをかけるかのような來也の声を遮り、私は立ち上がった。


「行くわよっ」

「あれ、マヒルさん、相澤さんとお知り合いだったんですか?」


空いた食器を運びながら、翔吾くんが私に声をかけた。


「相澤さん?」


翔吾くんの問いに思わず首をかしげると、來也が立ち上がりながら軽く頷いた。


「そ。俺達深い関係で。いって!!」


私の裏拳が見事に來也の左腕にヒットし、彼は眉を寄せた。


「仲イイですね!お似合いっす!」

「はあ?!ちょっと、翔吾くん、わ」

「いーから、行くぞ」


強引に私の手を掴むと、來也は前に立って歩き出した。


「コイツの分も」

「いいよ、自分で払うし」

「面倒だろーが」


本当に別々が面倒だと思ったのか、店員さんはあっさりと二人の合計を來也に告げ、彼はさっさと会計を済ませた。


……シャクだ。シャクだけど……。


「……ご、ごちそうさま……ありがと」


店を出て私が來也を見上げると、彼はジッと私を見下ろしてからフッと笑った。


「行くぞ」

「あのさあ、手、離してくれない?」


私がそう言うと、來也は肩越しに振り返った。


「絶対に逃げるからダメだ」


……はあ、よくご存じで。

だからか、この指と指をジグソーパズルみたいにガッチリハメて固定してるのは。

私は染々と思った。この繋ぎ方は、カップルに限らないんだって。まあいーけど。


來也のマンションは、代官山のタワーマンションだ。

記憶では確か、リビングはやたらと広かった。家賃はきっと高いはずだ。

なんでこの若さでこんなところに住めるんだろう。……もしかして、ヒモなんじゃ……。

あり得るわ、金持ちのご婦人がほっとかないタイプだもん。……どうでもいいけど。


「早く消せ」


リビングに通された私は呆れて思わず口を開いた。


「……よくもまあ、三ヶ月も消さずにいられたものね。普通すぐに消すでしょ」


來也は無言でニヤリと笑った。なに、不気味。

私はバッグからさっきコンビニで買った消ゴムを取り出した。

確か油性マジックって、ツルツルのモノに書いてたら消ゴムで消せた記憶があるのよね。

案の定、私が書いた『バァカ!』の文字は艶のある素材に救われたのか、難なく消えた。

あーよかった。


「じゃあ、帰る」


私は來也をチラッと見てから消ゴムをカバンにしまった。


「わっ」


彼の脇をすり抜けて玄関へと進もうとした時、素早く腕を捕まれ、思わず声をあげる。


仕方なく足を止める私に來也は、


「なあ」


「なに?」


「4.5って、なに?」


私は硬直した。


……こいつ。


私は僅かに眼を細めて、出来るだけ軽蔑したような表情を作って來也を見上げた。


「あんたさあ、男のクセに女子の話を盗み聞きして恥ずかしくないの?」


來也は野性的な感じのする笑みを浮かべると、私を掴んだ手を引き寄せた。

ソファに押し倒された時以来の來也との密着に、私は思わずのけ反った。


「聞きたくなくても聞こえてきたんだよ。でかい声で話してたお前が悪い。しかもあのスマホの待受画面は欲求不満としか言いようがない」


はあ?


「スマホの画面は自分から覗いたんでしょ?!やらしいわね!欲求不満?!しっかり欲求満たしてます!私には治人さんがいるんだから」

「へーえ。治人さんに満足させてもらってるんだ」


艶っぽい來也の瞳に何だかギクリとして、私は唇を引き結んだ。

……満足って……その……。


「当然でしょ!」


私は目一杯顎を上げ、斜めから來也を見上げた。

大体なんなのよ。なんで私はこんなイケ好かない男とこんなとこで過ごしてるわけ?!


「とにかくもう帰る。二度と会うことはないと思うけど、お元気で」


私がそう言うと、來也は不敵な笑みを見せた。


「じゃあまたな、マヒルちゃん」


またな、じゃねーよっ。馴れ馴れしく呼ぶな!

私は振り返る事なく來也のマンションを後にした。

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