看病
ドラッグストアで、とりあえず冷えピタとスポーツドリンク
、解熱効果のあるの薬を買って急ぎ足で戻る。
(きっと、昨日の夜、薄着で出掛けたからだよね…――――)
「ただいま…」
寝ているかもしれないからと、玄関先で小さめの声を出す。
「おかえりなさい」
寝室から、泉の声が帰ってきた。
「泉、寝てなかったの?」
買い物袋を持ったまま寝室へと向かうと、
「眠くなくて」
泉が子供みたいなことを言う。
「とりあえず、薬飲んで。」
水を入れたコップと買ってきた薬の錠剤を渡して、
泉が飲み終わったところでおでこに冷えピタを貼る。
「ありがとうございます」
「何笑ってるのよ、薬も飲んだんだし早く寝てよ」
「すみません…嬉しくて」
(ダメだ…ずれてる泉と会話が成り立たないわ…)
心配する私を嬉しそうに見つめて、泉は全く寝そうにない。
「寒くない?毛布とか要る?」
出来ることなら、何だってしたい。役に立ちたい。
落ち着きなくしている私を、泉は嬉しそうに見つめる。
「大丈夫です。―――大丈夫ですが…、」
ベッドに置いていた手を引いて、泉が私をベッドに引き込む。
「ゆりさんに添い寝して貰いたいです」
「え、ちょっと!?」
(何だってしたいとは思ってるけど、…――――それは、ダメでしょう?)




