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彼は私の×××   作者: 夢呂
【第七章】遠距離中の近距離
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休日デート

「?」

ふと目が開いた私は寝室のベッドから降りて、リビングに向かう。その途中で、私は自分の服が昨日と同じであることに気づいた。

(あれ?私、昨日…ーーーどうしたんだっけ?)


私は昨晩の、思い出せる記憶(ところ)を辿る。


「あ…」

泉が冷たくて、心がズタズタになって…ーーー。

今まで支えていた部分が切れたかのように、その場に倒れたんだ…。

思い出したら、また同じ痛みが胸を苦しめた。



―――自分がどうやって帰ったのか覚えてない。

でもベッドで寝ていたということは、やっぱり泉が運んでくれたってことだよねーー?


「おはようございます、ゆりさん」

ソファーで優雅にコーヒーを飲んでいた泉が、

私に気付いてコーヒーをテーブルに置くと立ち上がった。


「…おはよう」

気まずくて目を泳がせる私に、泉が歩み寄ると、


「昨日はすみませんでした」

と、即座に謝ってきたので驚いた。


「私の方こそ…「いえ、ゆりさんは何にも悪くないんです」


「いや、怒って当然だ…よ」

最後の「よ」を言う前に、泉が私を抱き締めた。


「余裕なくてすみません…」

私の肩に顎を乗せて、泉が言う。泉が今どんな表情をしてるのか分からない。


「泉?」

私はそっと泉の背中に手を回す。

(私、…嫌われてない?…あきられてない?)



「今日は一日、家でのんびりしませんか?」

抱き合ったまま、泉が言った。


「でもせっかくの休日なのに…」

(泉、ずっと家にいるし…本当はどこか出掛けたいんじゃないかな…)


(ここ)で、貴女を独占したい気分なので」

私の顔を見て、泉がニコリと笑顔で言う。

(泉のことだから、仕事で疲れてる私のために、そういう言い方してくれてるんだよね?)


「――――じゃあ、…お言葉に甘えて」


私が素直に頷くと、泉が嬉しそうに微笑んで言った。


「映画、何本か借りてきたんです。見ませんか?」


「うん」





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