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彼は私の×××   作者: 夢呂
【第六章】葛藤と格闘
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激務のなかで

「終わんないぃ…」

私は自分のノートパソコンを前に、頭を抱える。


定時までは木咲さんからの引き継ぎ業務。

定時が終わってからそれを忘れないようにマニュアル作り。それが終わったらやっと、自分の通常業務。


そんな毎日も、今日で三日目。

家に帰るのは23時。

泉は夕御飯を作って、待っててくれている。

私が帰るまで、起きて待っててくれている。


――――分かってるから、どうしようもできない時間がもどかしくて、余計に胸が痛い。



(金曜日(きょう)ぐらい…早く帰りたいのに…っ!)


ノートパソコンを睨むようにして、手を早め、書類を作成する。




「まだ終わらないの?」

人の気配もなく、突然後ろから声をかけられて、私は思いっきりビクリと肩が震えた。


「春田くん…」

振り返ると、同期の春田くんがふらりと立った。


「今日俺の歓迎会、だったんだけど?」

のんびりとした口調で、春田くんが言う。


「あ、そうだったね。行けなくてごめん」

そう早口で言いながら、私はブラインドタッチで書類の作成を続ける。


「俺も手伝うわ、あと何件?」

私の左隣の自分の席に、春田くんが座るとノートパソコンを開き電源を入れる。


「えっ、良いよ…春田くん酔っ払ってるでしょう?」


「大丈夫大丈夫。他社勤務だったときなんて付き合いで呑みに行かされた後に戻って仕事とかしてたし」


でも、春田くんには関係ないのに…ーーーー。


「俺が酒に強いの、ゆりも知ってるじゃん」

春田くんが、悪戯っ子のような顔でニヤッと笑う。


「じゃあ…これお願い。」

(最終チェックだけ私がしっかりやればいいか…)


私は春田くんに打ち込むだけの仕事を渡す。

時刻は22時を過ぎたところ。




私はまたノートパソコンに向かう。

あと一時間で…終わらせたい。終わらせてみせる。


泉のところに戻るために…ーーーーー。



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