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彼は私の×××   作者: 夢呂
【第五章】吹成泉の彼女
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彼女の気持ち(吹成泉目線)

「もしもし、ゆりさん?」

『…うん』

僕の問い掛けに、彼女はつらそうな反応を示す。

胸が締め付けられて、今すぐ抱き締めたくなるような声で。


「今、どこですか?」

会いたくなる、今すぐ抱き締めたくなる。

この距離がもどかしい。


『家だよ…』

ゆりさんの返事に僕は少しだけ安心した。

―――…だけど、気持ちが晴れたわけではなかった。


雨が振り出したところをわざわざ出掛けて、

会う相手…それが気になって…ずっと考えていた。


だけど、ゆりさんが言わないことを聞くのは躊躇われて、

僕はあえて何も聞かなかった。


「何か…ありました?」

だから、こんなことを聞いても意味がないのに。


『え?』


「声が…つらそう…なので。」


『何もないよ、大丈夫。明日早いから寝るね、おやすみ』

ゆりさんは明るいトーンで早口にそう言うと、電話を切ろうとした。


「…おやすみなさい」

聞いたところで彼女が僕に話してくれるわけないのに。

こうして逃げられるのがオチなのに。


(でも、聞かずにいられなかったーーーーー…)



彼女が隠そうとする気持ちを、知りたい。

分かり合いたい。

例えそれが、僕を傷付ける内容(モノ)でも――――…。



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