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彼は私の×××   作者: 夢呂
【第一章】夏海ゆりの恋
3/88

とめる理由

『あ、先輩こんにちは』

吹成(ふなり)との高校時代なんて、挨拶(これ)くらいしか、

思い出せなかった。

――――なぜなら、彼は…ーーーー。





「それで?吹成は今何してるの?」

とりあえず、明日も仕事な私は家に吹成を泊めることにした。

会うのは高校の卒業式以来、四年ぶりだった。


「僕は今、大学生です、N大学に。」


(あぁ…地元の大学に通ってるのか…)



「今日、実は東京(こちら)には、遠距離中の彼女に会いに来たんですよね」

悪びれもなく、微笑みながら吹成が言う。


「へぇ」

(――――このリア充がっ!その類いの話、傷心(いま)の私にすんなよ!)


…と思ったが、事情を知らないのだから、仕方ない。


私はぐっと堪えて、タバコに火をつける。


「でもケンカになりまして…彼女の部屋から追い出されちゃいまして」


「………」

(いや、なぜ照れる?今他にすべき事あるだろうに)

私は無言で、吹成を呆れた目でじっと見る。


「で、途方に暮れてふらっと入った映画館で、先輩に偶然お会いしたので助けていただこうかと」


(結論、こいつのマイペースさは健在だった。)

「…図々しいな」


私がタバコの煙をフッと吐いてそう言うと、


「仰る通りですね」

なにが嬉しいのか、目を細めて子犬のように頬を緩める。


「ところで先輩、」

突然私の煙草をパッと取り上げた彼は、それを目の前の灰皿へ押し付けた。


「―――煙草、似合ってませんよ?」


(本当、なんなのこいつは…ーーー!?)




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