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彼は私の×××   作者: 夢呂
【後日談】
27/88

二人の名前(吹成泉目線)

僕の胸に顔をすり寄せて眠る先輩に、僕はまた欲情していた。


(これ以上は、先輩の身体に負担がかかる…ーーー)

何度抱いても沸き起こるこの欲情は、どうしたら収まるのだろう。

そんな僕の気持ちを知るはずもない先輩は、スヤスヤと可愛らしい寝息をたてている。


(明日こそは帰らなくては…――――)

僕は断腸の思いで、そう決意した。





「おはよう」

「おはようございます、先輩。早いですね」


翌朝僕がベッドから起き上がると、いつもは起こしても起きない先輩が、珍しく自分で起きた。


「吹成が…ベッドから居なくなるから」

先輩がボソッと小さな声で言う。

「もう、帰っちゃうのかなって…ーーー」


(あぁ…そんな可愛いこと言わないで先輩…ーーーー)

僕は先輩を抱き締めた。力一杯、気持ちが伝わるように。


「先輩、」


「何?」

僕の胸に顔を埋めたままの先輩に、僕は言う。


「ゆりさんって、呼んでも良いですか?」


僕の申し出に、泣きそうになっていた先輩がクスッと笑う。


「いいよ。私も…泉って呼ぼうかな?」


ドキッとした。

さんざん抱いておいて今更おかしいかもしれないけれど、名前を呼ばれたのが初めてで、僕は驚いた。


自分の名前がこんなに甘く、心に響くことを初めて知ったから。



「え、ちょっと…吹成っ」

首筋にキスをすると、ゆりさんが焦って逃げようとする。

「どうして?名前、呼んでください…」


(何度でも聞きたい…聞いていたい…貴女の声で…ーーー)


「い、ずみっ…――あっ、」


――――結局その日の朝、遅刻寸前になってしまったゆりさんは、いつも通り慌ただしく支度をして出ていきました。





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