世界渡りの覇王 第一章 世界のクリエイター5
翌日、俺は自室でパソコンをいじっていた。
パソコンに何かデータが残っていないかと思ったのだ。
こういう、忘れる系の話は案外、データとかが残っていて、思い出すことが多いのだ。
人の記憶は曖昧のものだから、改ざんされるかもしれない。
だが、データや記録、この世界に残された痕跡は消せない。
消したとしても、そこに一度、起こった事実は消えない。
たとえ、歴史が改ざんされたとしても、改ざんされる前の世界で一度、起こったという事実は変わらないのだ。
だが、パソコン内のファイルを端から見ていったら時間がかかる。
俺はわかりやすいデータから調べることにした。
ヒントは呼び方、名前、メールだっけ?
メールはストレートに調べればいい。
俺の携帯のメールはもう調べた。特に変なメールはなかった。
パソコンのメールソフトも調べるが特に何もない。
というか、メールが俺のメールである保証なんてないのだ。
呼び方と名前か?
メールは調べたし、インターネット?
いや、何の呼び方や名前かがわからないし、インターネットは端から調べるのには向かない。
なら、Word。
俺は、日記感覚で書いていたWordのファイルがあるのを思い出した。
開いてみると、丁度、ダーク(、、、)くんやライト(、)さんのお見舞いに行ったあたりのだ。
あれ? 誰だ? ダークって? ダニエルだよな? 間違えただけか?
う~ん、この辺、なんか気になるんだよな?
不意に携帯を取り出した。
指が勝手に動く。
メールを紡いでいく。
好きな人へのメール。
まだ、愛おしいとまでは言える自信がないが、好きだとは言える。
恋している人へのメール。
たとえ、それが本物の愛まではいけなくても、この恋は本物だ。
そう言える。
そんな人へのメール。
送信まですんなり選択できた。
その時、俺は世界を渡った。




