世界渡りの覇王 第五章 果てなき想いの答え5
私――二乃部光は光の導きを使い、ダニエルくんを倒すのを手伝った後、影治くんに近づく。
「あとは友情の殺し屋と影治くんだけだよ」
「そう・・・・・・だね? まさか、絆が五橋さんに負けるとは思わなかったけれど……」
「どうする? もう、諦める?」
「まさか? 諦めないよ。説得すればいい。光ちゃん、俺達の目的はね? 世界の――」
「世界の統合でしょ? 八葉ちゃんから聞いたよ」
「そうかい? なら、これは知らないでしょ? ここにいる友情の殺し屋はね? 殺し屋なんだよ?」
「そんなの、知っているに決まっているでしょ? 私達を舐めないで!」
「・・・・・・っ」
八葉ちゃんが口を挟む。私は言葉が出ない。
「違うよ。光ちゃんならわかるんじゃない?」
「職業が殺し屋ってこと? そんな業界から離れるためにこんな戦いを?」
私への問いに八葉ちゃんが答える。
「違うよ。殺し屋の意識って言えばわかるかな?
彼女は俺達に力を与えている殺し屋の意識なんだよ」
「「えっ?」」
「だから、名前がわかっているのにいまだに、友情の殺し屋って呼んだりしているだろう?」
「「……っ」」
二人は驚き、友情の殺し屋の言葉に納得する。
「じゃあ、彼女は……」
「そう、彼女と絆が安全な世界で一緒に居るには一度、殺し屋の世界にしてから、友情の殺し屋がこの世界に留まれる方法で世界を元に戻すしかなかった。
おかしいと思わなかったかい?
一度、殺し屋の世界にしてから、また戻りたいなんて……」
「待って! なら、絆と友情の殺し屋はどうやって出会ったの?」
「それはもちろん、絆が殺し屋の世界に行って……だよ」
「だから、この世界が殺し屋の世界になる前に出会ってなくては、彼女と一緒に居たいとすら思えないじゃない!?」
「だから、殺し屋の意識(、、)の(、)世界に行って……だよ!?」
「なっ!?」
八葉ちゃんは驚いたが、私はなんとなくわかった。
なら――
「なら、私達は――私のイラストを現実にする力は二人を一緒に居させるのに役立ったってことだね?」
「ああ、そうなるね?」
「よかった。なら、ありがとう!」
「えっ」
思わぬ言葉に影治くんは驚きを隠せない。
「私を救ってくれて――私に救われてくれて……。
でもね、私はそれでも、影治くんを止めるよ」
「そう? なら、戦うしかないかな」
そう言って、影治くんが接近してくる。
「待って! まだ言いたいことが!」
「これ以上、話すことはないよ。決着をつけよう! 想いの強い方が勝ちだ」
「同感だ」
私の制止の言葉、私の話を聞かずに、影治くんと友情の殺し屋が戦おうとしてくる。
「「炎の鎧」」
影治くんが炎をまとう。
「「無限の矢」」
影治くんはまとった炎のおかげで矢が効かない。
友情の殺し屋は正面からの攻撃はデタラメなくらいの速さと剣さばきで防ぎきる。
「ああ、もうこんなの現実的じゃないでしょ! ありえないでしょ!」
「「別れる(ディバイディ)道」」
「しまった! 八葉ちゃん! 私とあまり間をあけないで!」
「えっ、あっ、そうか! でも、無理だよ! そんなの!」
私の言葉も虚しく、私達の間を斬撃が通る。
その瞬間、私達から共闘の概念が消えた。
影治くんが近づいてくる。
「「深く(ディープ)凍り付け(フリーズ)!」」
影治くんが剣を振るうのと私が異能の技を使うのが同時だった。
私は剣に右腕を通過され、想いを殺され、動かせなくなった右腕がだらりと垂れ下がる。
だが、影治くんのまとった炎が凍りつく。
くっ、影治くん自身は凍らせられなかったか。
でも、凍った炎から出るのに時間がかかるはず……。
私は距離を取る。




