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96.


 また矢を放たれ身動きが取れなくなる事を考え。

 俺は一旦後ろを無視して前に進んだ。

 そして倒した敵の死体に爆弾を隠し。

 大量に仕掛ける。


 後衛の奴ら。

 特に前を歩くゴブリンプリーストが隠した爆弾に近づき。

 タイミングを見計らって爆発させる。

 敵の先頭が俺から一番近い爆弾に近寄る。

 既に敵の隊列は爆弾道に綺麗に入っており。

 そのまま一斉に爆発させる。


 数メートル間隔に右左交互に置いた爆弾により。

 敵の隊列は一瞬にして半壊状態になる。


「ギィィ..」


 爆弾と爆弾の間に居たおかげで死んでないゴブリンが呻く。

 それが数か所ある為俺が片付けるには非効率だ。


「ユウカ」


 放って置いても勝手に死にそうだが。

 ユウカに確実にとどめを刺させる。

 壁を張る事も出来ない無防備なゴブリン達に矢が放たれ。

 一方的に蹂躙されていく。


 その間にもユナさん達が進むので追いかけ。

 俺はまた爆弾を仕掛けていく。

 

 あぁゲームで使ってたけどやはり有効だ。

 死体に爆弾を仕掛けるのは楽で良い。

 何よりその条件の軽さだ。

 敵が複数以上なら死体の調達は簡単だからな。


「お兄さんまた‥」


 ユウカが言わずとも知っているがゴブリンだ。

 また後衛部隊が数を成し後ろから追いついてきた。

 

 しかし即座に爆弾を爆発させる事は出来なかった‥


「た、すk―」

「あぁ...」


 ゴブリンプリーストの前に10匹のゴブリン。

 そしてゴブリンは2匹で1人の人間を棒で前面に掲げていた。

 肩の位置で棒と縛られ殆ど宙吊り状態だ。


「酷い」

「うわっ流石に」

「なんて‥」

「お兄さんッどうするんですか!これじゃ――」


「攻撃出来ないとでも言うつもりか?ユウカ。」


 確かに一瞬見てビックリはした。

 それだけだ。

 

「人の命だろうと、魔物などの命だろうと平等じゃ無いんだよ。人の命が絶対優先とか言い張る奴も居るが、それは間違いだ。だって人によっては他人の命よりは、愛犬の命の方が大事だったりするだろ?」


「・・・・」


「別に正しいって言ってる訳じゃない、ただ俺の考え方の問題だ。俺からすれば今の優先順位はユウカやユナさん達な訳で、それ以外は救えるなら救うが、割に合わないリスクを負うなら見捨てるし、俺から―」


 先頭を歩くゴブリンと人が近づいてき。

 人が‥爆弾の位置に到達した。

 そして俺は、言葉を止め。

 自らの手で、爆弾を爆発させる。


 激しい爆発が起き。

 爆炎が収まるとそこには人の死体があり。

 身体はぐちゃぐちゃだったり。

 部位が殆ど無かったりとゴブリンと変わらない姿だ。

 違うと言えば赤い血らしきソレが至る所に撒き散っていた。


「ユウカ」


「あッ‥はい、今やります。」


 ユウカが生き残りの殲滅を開始する。

 矢を放ち微かに動くゴブリンを殺し。

 一矢、一矢的確に刺さっていく。


「ぁ”」


「生きてる、生きていますよ!トキヤさんっ」


 ハルさんが叫び声の人物と思われる人に走っていった。


「大丈夫ですか!?しっかりしてください」


 ハルさんが死にかけの人に触れるが。

 殆どの皮膚が焼け。

 顔すら分からない状態だ。


「急いでっ病‥‥」


「ハルさん。」


 既に病院は機能すらしていない。

 それに最高峰の病院だろうとも既に助からないだろう。

 

「どうして、何ですか‥他にも方法はっ―」


 ハルさんが手を添えている人は既に亡くなっている。

 そしてハルさんがそれに気づき歯を食いしばり下を向いていた。


 俺は間違った選択をしたとは思っていない。

 それは俺の考え方であり。 

 他の皆とは違う。


「トキヤ、大丈夫?」


「大丈夫だ。」


 何が大丈夫なのか知らないが俺はそう答えてしまった。

 何故マユリが俺にそう言ったのか考えるのを脳が勝手に拒んだからだ。


「そっか。ハルそろそろ行かないと。」


「はい、分かって‥ます。」


 数秒でハルさんが立ち上がり。

 ゆっくりと歩き出す。

 それにマユリが付いて行き。

 俺とリカとユウカは数歩後ろを歩いていた。


「トキヤさん、トキヤさん、流石におかしくない?」


「何がだ?俺が異常者とで言いたいのか?」


「違うよ、ゴブリン達だよ。」


「あぁ、そっちか。」

「気づいてた?」


「変だと、思っただけだ。だって流石に人間を盾に使うとか普通は考えん、それなのに使って来たのはどうしてだ?それにユナさん達の方は、まだ人が盾にされた様子は無い。それなら指揮してる奴が追いかける後衛にそうさせたのかもな。」


「私達って見られてるんかね。」


「そんな感じはしないが、元々人を盾にするつもりなら、さっきのが一回目だとすればゴブリンの隊列で考えて、割合が少なすぎる。なら騒ぎを起こしてる事を把握してる奴が相手が人なら人を使え、とでも言ったのだろうな。」


「なんだが、見られてるって嫌ですね、お兄さん。」


「何処からか見られて嬉しがる奴が居たら、絶対に変な奴だからな。まさかリカッお前‥」


「ッ!。違う、違う、違うよ。それに何で急に私に当てはめるの!酷いッ。」


「何となくで言ってみただけだ、気にしないでくれ。」


 そして俺はまた爆弾を仕掛けながら進むのだった。

 恐らく人の盾が効果無いと相手が思ってくれる事を願う。


 流石に繰り返しはゴメンだ。

 

 その為に一瞬で殺し。


 効果が無いと見せかけたのだから。




 今日は届いていた感想を読んで驚いてました(笑)

感想を送って頂いて有り難うございます。


「くッ‥‥」

 

 今度は推察されない作りを意識しなければ。

 私は頑張る。


 殆どが経験に変わるのだから。


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