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90.


「一つ提案なのだけれど。」


「何でしょう。」


「わざわざ戦力を分散して何方かが敵にバレた場合のリスクを増やすぐらいなら、マユリの回復を待って皆で移動しながら敵を倒した方が良いと思うの。だって結局はゴブリンを殲滅するんでしょ?」


 確かにな。

 唯一俺が一人で行かなくても良い理由を出すならそれになるよな。

 だって俺一人ボッチの時がいっちゃん戦えて成果を無理やり叩き出せるもん。


 爆発は巻き込む危険性があるし。

 隠密に回したポイントが単騎じゃ無いと無駄になる。

 その為弱いステータスでひたすら戦わなきゃならん。

 実際にはステータスはそこまで貧弱では無いが。

 メインスキルの大半が使えないのはステータスより痛手だしな。


「そうなりますと、出るのは早くても早朝ですよ?皆、夜の行動は不慣れですから。その場合敵が俺達を探して見つかるリスクだけが増えて行き、見つかれば後手に回りますがそれは考慮済みですか?」


「ええ、それは分かってる。ただそれには皆の了承が必要なのだけれど。」


「誰も反対しないみたいですね、お兄さん。」


「それ嫌味か?俺の味方が誰も居ないのと余り変わらんぞ。」


「違いますよ、私含め皆、一人で行動ばかりするお兄さんを気遣ってるんです。」


 何とも無用な気遣いだ。

「有り難うな。」


 そりゃ心配されたりするのは嬉しいさ。

 でもこの数ヶ月一人の時間が長かった為か辛い。

 更に女性だけの空間だから物凄い速度で気疲れする。

 

「皆で一緒に行動するのは賛成何だが、それだと俺の本領発揮は無いぞ。」


「確かにお兄さんって、巻き込みバチャばちゃドッカン―んですよね?」


「いや分からん、何だよバチャバチャって。ドッカンはまだ分かる。」


「バチャばちゃはアレです。パチパチってするやつ。」


 俺そんな攻撃した記憶無いぞ。

 飴ちゃん爆弾も何方かと言うとボフっだし。

 米粒爆弾もパンっに近いか?

 そんな口に含むとパチパチするお菓子みたいな音のなる爆弾は無い。

 筈なんだが?


「確かにトキヤさんって、いつも戦いづらそうだよね。」


 アイの余計な一言により。

 空気が重くなった。

 あれ?俺に責任があるんか?

 発言したのアイだし。

 このスキル構成になったのは必然だし‥


「すまん。」


 先ずは謝る選択肢を取るのがベストだ。

 昔の俺なら最初に責任の所在を話てただろうが。

 そんなミスはもう二度としない。

 何方が悪いか分からず悩むのなら謝る。

 明らかに相手が悪い場合は別だが。

 

「いや、私の方こそ、ごめんなさい。」


「俺は方は大丈夫だよ、だからあまり気にしないでくれ。」


「うん。」


「てか!そうだよ。」


「え?どうしたの急に‥」


「んんふっハールさんッ。」


「はい‥何でしょうか、物凄く嫌な予感がするのですが」


「ゴブリンの大将の位置占いましょ?」


「「出来るの!?」」


 ユナさんとユウカも食い付くが。

 他のメンバーが静かな様子を見るにダメそうだ。


「それが、人なら占えるのですが‥ゴブリンの親玉を見つけるとなると、知能が高いゴブリンを連れてきてどうにか成功するかぐらいのスキルです。御役に立てずすいません。」


「そっかぁ、良い案だと思ったんだけどな、俺の方こそ急にごめん。」


 俺の会心の案は呆気なくボツになった。

 やはりそう甘くは無いようだ。

 

 戦闘か。

 そろそろMPが満タンになる。

 どの爆弾を多めに作ろうかな。

 

 明日の戦闘はボッチでは無い事を考えるなら。

 小型以下で作るのがやはり良いだろうか。

 囲まれた時に道を切り開く為に普通爆弾も欲しい。

 それならインパクト爆弾も欲しいな。


 前に体育館前で戦闘した時は救われたし。

 でもあの時も一人だったから気軽に使えたんだよな。

 

「すまん、ちょっと向こうの部屋で休むわ。」


 ダイニングから静かに去り。

 通路の部屋に入るとダブルベットが置かれてあり。

 他には物が全然無い簡素な寝室だった。

 だけれど目に入る物が少ないのは良い事だ。


 これで少しは落ち着ける。


 ベットに仰向けに飛び込み天井を見つめる。

 ゆっくりと目を閉じ一人を堪能――


「何してる。」


「え?あははっ、バレちゃった?」


 当たり前だろ。

 しれっと付いて来てバレて無い方がおかしい。


「何しに来た。」


「私のせいでトキヤさんが悩んでるから、慰めに?」


「なら当事者が来るなよ。」


「でも、ほら、私のせいなら、ね?」


「何がね、なのか知らんが。頼むから今は大人しく皆の所に戻ってくれると有り難い。」


「そうだよね、うん、じゃあ出直して夜中にでも来るのね。」


「あぁそうしてくれ。」


「え‥」


「何だよ。」


「良いの?」


「早く行け、今は一人が良いんだ。」


「りょうかいしました!では夜中に参りますッ。」


 アイが元気よく敬礼ポーズを取り部屋から出ていく。


 あの元気は羨ましいぞ。

 分けて貰いたいぐらいだ。


 てか布団に入って段々眠くなってきたな。

 少し寝るか。


 

 日頃だったらあり得ない程に短い間隔での睡眠だが。

 色んな状況が重なり来る事で確実に俺の体力を削っていた。


 そして起こされるまで眠りについたのだった。






そろそろ100話です。


 長い様であっという間だった気がします。

そして良く分からないですが、小説家になろうのシステムがアップグレードされておりました!(まだ何も新機能使えてませんが‥)


ブクマ・評価・いいね。お願いしますm(_ _)m


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