87.
「先ずはマユリ達と合流しよう。」
「えッお兄さん私は!?」
「そのままだ。」
「えええぇぇぇぇ。」
AGIが低いユウカに合わせるのは得策じゃない。
それならこの状態のままの方が楽でいい。
持たせてる爆弾の位置を頼りに住宅街を駆け抜ける。
戦闘中で足を止めていたマユリ達に数分で辿り着き。
事の顛末を簡単に話した。
「トキヤさんはやっぱり、トキヤさんだね。」
「どういうことだ?」
「私だったら‥多分そんな、直ぐには動けてないかなって。」
「アイは優しいからな、無理もないさ。それに比べて俺が人として終わってるだけだからそう、気にする事じゃないさ。」
「違うじゃん、トキヤさんも優しいじゃん。私達助けてくれたでしょ?」
「ちゃんと対価を先に提示した小娘が何言ってるん。」
「だね。」
笑いながら告げると、アイが微笑みながら短く返し少しは気が紛れた様なので良かった。
「それでこれからどうしようか、後2時間ぐらいで日没だけど。」
「幸いにして暗くなる前で良かった、暗くなってからだと移動の速度がどうしても落ちるからな。」
「それで何処に行くつもりなの?、私達まだ4人が22になった所だけど。」
「早ッ!いやいや、早くない!?まだ1時間ぐらいしか経ってなよね?」
「トキヤ実際はもう少し経ってるよ、それにあの四角いの倒すとLvが早く上がる。」
まさかブロックゴーレムは経験値が美味しいのか?
それか単純にモモカやヒヨリ達のLvが低くて上がるのが早かっただけなのか。
どっちだろう。
「頑張って疲れてる所に移動となってしまって、悪いな。」
「大丈夫。皆まだまだ戦うつもりだったから。」
「そうです、まだまだ大丈夫ですよトキヤさん。」
「良しアイだけ余分に走らすとしよう。」
「あっ酷い!優しくしないと駄目なんだぞ。」
「それで移動先何だが―」
「無視す――」
「戻ってもミノタウロス達がいるし、北や南に進んでも引き返す訳じゃないから安全か分からない、それなら新宿に近づく隣街に行こうと思う。」
「私達の行き先のために申し訳ありません。」
「気にしないで下さい、ハルさん。乗りかかった船です。」
俺が先頭を進みかのうな限りブロックゴーレムを倒してもらい。
Lvを上げてもらう。
1Lvでも上がりVITにポイントを回せるのなら。
それだけで生存確率が上がるのだから。
「てイッ」
モモカが俺の目の前で宙を舞、鉄筋をブロックゴーレムに振り下ろし。
ブロックゴーレムが砕ける。
やはり強くない?
何だか怖いんだけど。
俺が一番地力では一番弱い気がしてきた。
その後もリカのシャボン玉爆弾っポイものを見せられたり。
ヒヨリさんが棒で的確に急所を突くなど。
目まぐるしい強さを身に着けていた。
それを見せられたユナさんがちょっと私も。
とか言いながらブロックゴーレムに突進して行き。
蹴るじゃ無く。
正拳突きで砕いた瞬間を目にした俺達は絶句していた。
「やっぱり、靴だとボロボロになるから素手の方が遠慮なく出来ていいわね。」
そんな訳も分かりたくない事を聞かされ。
誰もが無言で見つめていた。
「お兄さんッお兄さん、ヤバいですよ。怒らしたら私達まとめて絞り殺されますよ。ユナ様のステータスってどうなってるんですか!?」
怒らせまいと小声で話してくるユウカの中では、ユナさんが様に変わっていた。
そして言われてみれば全然ステータスを見てなかった。
その訳はステータスを振らないであろう奴らに意識を割かれすぎたからだ。
「ちょっと待てな今――」
俺はステータス画面を開きスキル経由でユナさんのステータスを開く。
簡単に変わるが割りと手順が多くて面倒なのだ。
キサキ ユナ Lv32
HP :1390
MP :558
STR :70 +120
VIT :30 +90
AGI :70 +105
DEX :0 +69
INT :0 +69
RES :10 +69
『ポイント』
STP :0
JP :0
SP :0
PSP :20
職業【委員長LvMAX】
【狂人LvMAX】
【格闘家Lv5】
固有能力
『スキル』
・没収Lv1 ・説得Lv3 ・支援魔法一途LvMAX
・狂気Lv2 ・狂人化Lv6 ・狂人化制御Lv7
・短剣術Lv6 ・索敵Lv5
・夜目LvMAX ・予知Lv3 ・思考加速Lv5
・魔力遮断LvMAX
『パッシブスキル』
・魅力Lv1
・皮膚感覚過敏化Lv2
・HP増加Lv7 ・HP自動回復Lv10
・MP増加Lv5 ・MP自動回復Lv14
・知力強化Lv5 ・肉体強化Lv11
・火傷耐性LvMAX ・自制心Lv3 ・混乱耐性LvMAX
・疾病耐性LvMAX ・精神苦痛耐性LvMAX
「ユウカ分かった事がある。」
「何が分かったんですかっ」
「ユナさんのSTRが190もある。」
「・・・・」
「ユウカ。」
「何でしょうお兄さん。」
「RESが200超えてる君も同罪だ。」
「ぇぇぇぇ、私はか弱い女の子ですよ!?」
「なるほど、ユウカはユナさんはか弱くないって言うのか。」
「嘘です、違います。そんなつもりじゃありません。」
「2人でこそこそ何してるの?」
「「はいッ!」」
「え‥何、2人してどうしたのよ。」
背後からユナさんに呼ばれ、俺とユウカは2人して跳ね上がり。
元気よく返事をするのだった。
「さぁ片付いたし行くわよ。」
「あぁ、進んでくれて大丈夫だ。」
「皆先を急ぎましょ。」
ユナさんが振り返りマユリ達を引き連れ歩き始める。
「ユウカ、お互い気をつけような?」
「はい。お兄さんも気おつけてくださいね。」
「ああ勿論だ。」
「2人で生き抜きましょう。」
「おう。」
ここにユウカとの生存協定が結ばれ。
俺達は手を取り合った。
何やってるんだろ私‥
まぁ良しとします!(笑)