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84/108

84.


「それじゃ、私が水魔法で攻撃して敵が弱ったと思ったら、アイ攻撃してね。」


「がってん。」


「リちゃんとハルさんは周りの警戒をお願いね、モモカとヒヨリは2人を守りながら私かアイが危険だったら、カバーして。」


「分かりました。」

「うん。」


「私が皆を守るのです。」

「そうだな、モモカには出来ないだろうからな、私が塀の裏側を重点的に警戒しよう。」


「ヒヨリん酷いぃ、私だって塀の向こう見えるもん‥背も伸びたし。」

「身長いくつになったんだ?」


「149。」

「そうか私の後少しで150だな。」


「良いじゃない!149はもうサバを読んで150って言えるのよッ‥きっと。」


「今年で20だろ?そろそろ伸びなくは無いが、まぁ頑張ってくれ。」


「うぅ、自分がこれ以上伸びないで良いからって、背を伸ばしたい人は困るのよ。」


 

「それよりも敵よ。」


 私は落ち込むモモカと素で何か言いそうなヒヨリの会話を中断させた。

 道を歩き敵を探して居たらブロックゴーレムが3体も現れたのだから。


「明らかに大きくない?」


「間違いなく大きいね。」


 私達が見つけたブロックゴーレムは先程より明らかに大きく。

 モモカの身長と同じ高さのゴーレムが一体と1m程の個体が2体居た。

 圧迫感しかない。

 人のサイズの正方形が転がりながら進んでいる。

 住宅街の道幅はそこまで広くない。 

 だから真ん中に居られたら一回で左右何方でも潰されてしまう。


「大きい奴を最初に倒す。」


 一辺が大きければ大きい程に移動出来る距離が長い。

 他のより毎回1.5倍以上進まれたら小さい方を先に倒すのも苦労する。

 なら移動を早い奴を引き連れながら後退し。

 じわじわと追い詰めるだけ。


「ジェットウォーター」


 魔法を発動させ水を勢いよくぶつける。

 水の飛ぶ勢いはそこまで速くはないけど。

 同時に出す水の量が消防車の消火時の水量となんら変わらない為に強い。


 人なら一瞬で倒れる水圧を正面から受けながらも進んでくる魔物。

 私はそれを先程から何度も見て生存本能の怖さを体感している。


「アイ近づいたらだめ、私が倒し切る。」


 他の個体より大きい為にLvが上だと思う。

 それならよく分からないスキルを使うかもしれない。

 リスクを考え私は一人で倒す事にした。


 魔法を使い続け毎秒2MPが消費されていく。

 パーティーで一番のMP量を誇って居ても余裕はない。


「後少しだよ。」


 アイがそう叫ぶ。

 水しぶきで敵の状態があまり見えない私はそれを信じ。

 魔法の威力を更に高める。

 先程と比べものにならない速度でMPが減り。

 それから僅か数秒で的が爆散し辺りに破片が飛び散った。


≪経験値を獲得しました≫

≪Lvが28になりました≫


「ふう。」

「さっすがマユリッ凄い。」


「お疲れ様です。」


「ありがと、でも後2体残ってる。」


 Lvが上がってもステータスを振るのは後。

 外で違う事をしたらそれだけリスクが増える。


「マユリ、一体だけ残してもらえませんか。」


「どうして?」


「私も試したい事あるし、4人で倒せる様にならないと危険でしょ?」


「分かった、でも危ないと思ったら直ぐに魔法で攻撃するよっ。」


「うん、それで大丈夫かな。」


 私はリっちゃん達だけで敵を倒す練習の為に一体を直ぐに倒す。

 流石に小さい個体の方が弱かった。

 そしてリっちゃん達を見る。


 少し前の私なら危険と判断して皆で攻撃してたと思う。

 だけどトキヤ達と行動するようになって。

 自分が戦いで役に立ってない時の気持ちは良く分かるつもり。

 だから私はこの6人で強くなって足手纏から抜け出したい。


「喰らえバブル爆弾!」


「「「爆弾!?」」」


 リっちゃんの発言を聞き。

 私達に緊張が走った。

 それもその筈。

 私達が皆想像する爆弾はトキヤの爆弾が印象深過ぎる。


「大丈夫、大丈夫。」


 大丈夫と言うリっちゃんを信じ効果を見る。

 リっちゃが放った野球ボールサイズのシャボン玉が無数に飛んでいく。

 その速度は徒歩と同じぐらいでふよふよと真っ直ぐには進んでない。

 

 シャボン玉がブロックゴーレムに近づき。

 敵と接触すると普通のシャボン玉の様に破裂した。

 だけど破裂する時に大きな音を出した。

 膨らませた風船が爆発したような大きな音にびっくりする。


 そして破裂した付近の敵の表面が欠けていた。

 音だけじゃなく威力も強い。

 それが次々に敵に接触し破裂する。

 速度はあんまりだけど。

 数と威力を考えたら有効打になる。


「いっけぇ~」


「モーメント」


 モモカが飛び出し鉄筋を振り上げる。

 さっきまでアイのナタと替えてたけど元に戻っていた。


 そして華奢な身体が宙に上がり身体全身を使い鉄筋を振り下ろした。


 ブロックゴーレムに叩きつけられたその威力はモモカが出したなんて思えない程に強力で、ブロックゴーレムをスイカでも割るように叩き砕いていた。


「やった。」


 そのまま砕けた瓦礫の上に着地し喜ぶモモカ。

 あれ?

 何か違うくない?

 私20Lvの時あんなに強かったけ。

 いや、私は弱かった気する。

 

 それに私はステータスだけならインチキよ?

 委員長の理不尽極まりないステータス恩恵を受けてるのに。

 Lvが同じなら私より強い気がする‥‥




「頑張らなきゃ。」





 

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