83.
「もう大丈夫なのですよねっ。」
「ヒヨリさんそれフラグじゃないですか。」
「ち、違うからっ!嫌だからあんな奴らもう会いたくない。」
あんな奴らと言ってしまえば、モンスターは大抵あんな奴らだ。
オボロの様な一部の例外を除いて。
「それで今ってどっちに向かって進んでます?」
「適当に走ってたので‥恐らく東に進んでると思います。」
「そうですか。」
「向かってた方向だし良いんじゃない?、問題でもあるの?」
「問題というか、死活問題?」
「何よそれ。まさか――」
「違います。」
何か言おうとしてたので否定しておこう。
俺が気にしてる事とは違うだろう。
俺が気にしてるのは敵の強さだ。
運が悪いだけの可能性もあるが都心に向かってすぐこれだぞ。
ミノタウロスより強い奴いつ可能性が増した。
てか間違いなく出てきそう。
都心の方が魔物が弱く楽なら最高だ。
しかし人口が多い市に移動して直ぐにこれだ。
人口比率で敵が強くなるのなら‥
「トキヤさん、モンスターです。」
一瞬俺がモンスターと言われたと思い運転席の方に目を向ける。
そして前方の視界が目に入り新たなモンスターが見えた。
「次から次に全くきりがない。」
前方数十m先に薄茶色の四角い物体が転がっていた。
動いてる事から魔物なのは間違いない。
動いててあの土の色的にゴーレムか?
鑑定を使う。
つい忘れがちである。
【ブロックゴーレムLv25】
Lv25か。
丁度良いかもな。
【ササキ・ヒヨリLv19】
主戦を作る為にアイとマユリに経験値を流してた為に。
やはりヒヨリ達のLvは殆ど変わってない。
俺とパーティーを組んでるアイとマユリは。
【サクラギ・アイLv27】
かなりのハイペースだな。
それでもまだまだだが。
良いなあのモンスターを倒させるか。
戦闘もしないまま強くなれば後々面倒だ。
「全員降りるぞ。」
「「「え」」」
「おい、何だよ皆して、ささッ降りて、降りて。」
俺は皆を降ろし車両をしまう。
一番瀕死だった俺が降りれる程度には回復したんだ。
疲れてるとか文句は一切受け付けない。
「さてゴロゴロしてる謎のモンスターが2個ある、そして奴らのLvは25だ。6人だけで倒してきて。」
6人という括りで言えば皆理解し。
6人がパーティーを組み直し敵に近づいていく。
そして俺とユナさんとユウカとオボロはのんびりする。
「あ、一つだけ言っとくと多分下敷きにされたら死ぬから気をつけてな。」
そして目の前のとは別のブロックゴーレムが俺達の近くに現れた。
近くの曲がり角から来たようだ。
「ユナさん丁度良いですし、近づいてみてくれません?最大限に警戒して。」
「私に敵の強さ調べろって事でしょ?、気乗りしないけど彼女達の安全のためだし良いわ。」
「有り難うございます。」
ユナさんが普通に街を歩くようにモンスターに手が届く距離まで歩いていった。
まるで警戒してる様には見えない。
そしてユナさんの手が届きそうなタイミングで敵が傾いてくる。
傾きユナさんの方に倒れる。
ゴロンと正方形の物体が一面分だけ距離を詰める。
ユナさんが横に回るとその方向に倒れる。
それを何回か繰り返すユナさん。
「攻撃手段は他になさそうね、本当に潰されなければ大丈夫かも。」
「急にスキル使われたら危険ですけど大丈夫そうですね、倒れてくる速度も速くありませんし。」
「そうね、じゃ後はッ」
ユナさんが確かめる様に強烈な蹴りを入れた。
そしてブロックゴーレムは蹴られた衝撃で後ろに倒れる。
「えッ、うそでしょ。」
「手加減しました?」
「してないわよ!」
全力のユナさんの蹴りを受けて一回しか転がらない。
防御力と重さを物語ってる。
これで軽いなら後数回はコロコロと後ろに進んだ筈だ。
そして防御力が低いなら蹴られた箇所が欠けたり砕けても良いはずだ。
実際にはその何方でも無く。
このモンスターの異常な防御特化が判明した。
「昔オボロと会った時みたいだな。」
「お兄さん、オボロちゃんとこんな出会いだったんですか?」
「俺が吹き飛ばそうとしても、全然元気でな俺が諦めて逃したんだ。」
「それお兄さんが逃げたんじゃ。それに虐めてたんですね。」
「‥‥さて、ユナさん倒せそうですか?」
あの時点では敵だったんだ。
虐めてたとか言わないでほしい。
今はオボロは大切な仲間だ。
「倒せなくも無いと思うけど、相当時間がかかりそうね。」
叫び声も聞こえないので少し目を離してた6人に目を向ける。
あっちは倒したみたいですね。
「えっ、うそでしょ。」
「ほら。」
ブロックゴーレムが粉々になってる。
そして残りの一体にマユリが消火する勢いで水を当てている。
「水攻めとは容赦ないわね。」
ブロックゴーレムが水を避けようとするがその速度は遅く。
マユリが魔法で手をかざし水を放ち続けている。
段々とブロックゴーレムの表面が無数に欠け落ちていた。
そして拳サイズの欠片がブロックゴーレムから幾つか落ち始め。
アイがそのに気づき思いっきり上から鉄筋を叩き込んだ。
「「いぇい!」」
「やったね。」
「凄いよ二人とも!」
「異常な防御力の弱点が水なのね。」
「そうみたいですね、しかし勝てる様で良かったです。」
向こうはかなり喜んでいた。
これからその喜ぶを何回も繰り返せるのだ。
歓迎してくれるだろう。
俺達の所にマユリ達がよってきて。
ユナさんと遊んでいたブロックゴーレムを倒す。
「凄いな、魔法って。」
「トキヤも使えるんじゃ?」
「使えるけど俺が使うと何故が燃費が悪くてな。」
恐らくその理由は加減が出来ないINTの異常な高さが関係してるのだが。
「それよりも良かったなお前たち勝てるモンスターを見つけた。」
「うん。」
「私達だけで勝ったよぉトキヤさん。」
「という事でメンバーの最低Lvが30になるまで頑張れ!」
「マ?」
「マ。」
「アイ、トキヤは本気、早めに諦めて。」
マユリは切り替えが早かったが、アイは嫌そうな顔をしていた。
「そうだぞアイ、6人で苦労して来い。」
「トキヤさん、3人はどうするんですか?」
「あそこに大きなマンションが見えるだろ?、俺はそこの最上階で休むよ。流石に身体が悲鳴を上げてる。」
「つまり、私達だけで‥」
リカが心配そうに言ってきたが。
いつまでも守りながらじゃ戦えない。
そろそろ俺と出会う前の様に戦ってもらわないとダメだ。
それに最低限のカバーはするし。
「リっつん、大丈夫よ私とマユリも居るんだから。」
「そうだよね、うん。頑張る。」
「とは言ってもあまり離れないでくれ、離れても一キロだな。それと何かあったらマユリが上に魔法でも放ってくれ多分見える。」
「わかった。」
「オボロ悪いけど付いて行ってくれないか?」
オボロがカバンから身を出し否定してない感じだったのでマユリに渡した。
これで少しは安心出来る。
「それじゃ頑張れよ、それと日が沈む前には絶対戻ってこい。」
「わかりました。」
「りょうか~い。」
その後マユリ達と別れて俺は2人を連れてマンションを目指した。
ペースが狂い始めました、すいません。
先の話しと考慮しながらこの話(83話)書き直しを検討中です。