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78.


「最悪だ、最悪だッ。」


 この遭遇率恐らく。

 ここら一帯は奴らの縄張りだ。

 車両で移動する時の懸念がまさか当たるとは。

 移動が早すぎると縄張りの境界線が分かりづらい。

 いつ入ったかまるで分からない。


 俺は来た方角に戻った方が良いと思い西に進路を変える。

 後ろから追いかけてくるミノタウロス。

 そして矢で応戦してる。

 派手な戦闘をしてたら2体のミノタウロスが気づくのは当たり前だった。


 俺が進路を戻し曲がる途中。

 横目でこちらを向かう2体が目にはいった。


「ユウカ2体追加だ頼む。」


「えぇえぇえぇぇえええっ、無理ですって!MPも数も足りませんよ。」


「今下りて戦っても勝てないんだ、頑張ってくれ。それしか無い‥」


 俺が下りて極大爆弾で飛ばせば3体は殺せる。

 しかし此処が縄張りのど真ん中の場合。

 周囲から集まるミノタウロスを次は倒せない。

 極大爆弾は在庫が一個だ。

 今ユナさんと俺のMPを削ればもう一個作れるがジリ貧だろう。


 戦闘中にMPが無いのは痛いからな。

 それに囲まれたら使えない。

 逃げ道も必要だし。

 俺たちも爆弾から離れないと死ぬ。

 仮にも使うなら走行中に落としての最初の一回のみだ。


「トキヤさんどうするつもり?」


「正直に言うと分からない、今縄張りから出ようと引き返してるがこれが最短距離なのかも不明だからな。」


「なら私が降りて惹き付けるわ。」


 良いな囮。

 そうだよ囮が居れば良いんだよ。

 

 俺が降りて爆弾を使い囮になり鬼ごっこする。

 そしてタイミングを見計らって遮断系統と潜伏を使い身を隠す。

 これしか無いんじゃないか?

 もし俺が居ない時にあら手に見つかったらダメだな。

 それなら何処か隠れる場所を決めてから行動すればいけるか?


「俺が降り囮になって――」

「ダメよッそんなの私は反対だわ。」


 急に反対されてしまった。

 どうしてだ。

 これ以外に方法が無いだろうに。


「ユナさん今はそんな事言ってる場合じゃ。」


「トキヤさん自分ひとりが苦労すれば良いとか、犠牲になれば良いとか思ってない?」


「思ってないですよ、それにそれが最善だと自分で思ってるからそうするんです。」


「でもトキヤさんが降りるぐらいなら、やっぱり私が降りるわ。じゃなきゃ運転手居ないものね。」


 あれ?

 ユナさんも運転出来るって言ってましたよね?

 それにヒヨリさんも出来るって。

 ちゃんと出発前に確認したぞ俺は。


「あの二人共!イチャイチャしてて羨ましいですけど、私のMPがもう半分です!ヤバいです。」


「「イチャついてない!」」


 どうするか。

 俺もユナさんも譲らないだろう。

 いっそ2人で降りるか?

 それなら死にものぐるいで戦えばワンチャンある。


「トキヤ、ユナさんそれならこういうのはどうですか?」


「ん?」

「何かしら。」


 マユリに作戦を提案されたのだった。



「走れええっ。」


 俺は叫び後ろを振り向く。

 そしてそこには5体のミノタウロス。


ピッ


ドォン


 またやってしまった。

 極大爆弾。

 

≪経験値を獲得しました≫

≪経験値を獲得しました≫

≪経験値を獲得しました≫



≪経験値を獲得しました≫



≪経験値を獲得しました≫


「シヌゥううう」


 ユウカが爆風に飛ばされ。

 前に転ぶ。

 周囲の木々からは葉が吹き飛び。

 使用した周囲の土が舞い上がり。

 辺り一帯が爆煙と土煙で視界を悪くさせる。


 戦車だろうが跡形もなく消せると俺は思ってる。

 その爆発で即死じゃないって何?

 オークジェネラルと大差無いやんまじで。

 化け物め。


「今のうちだ。」


 わざと砂や葉などが多い場所を選んで使った。

 俺たちは今。

 公園と小さな遊園地や美術館がある場所に居た。

 マユリが誰かが犠牲にならず助かりたいなら皆で隠れよう。

 そんな提案をしてきたのだった。


 生き残る確率で考えたら悪手だが。

 誰か1人の囮を認めないのなら最善の手だった。


 そして美術館の中に入り。

 奥の部屋に進み隠れる。

 見つかればほぼ詰み。


 今爆発した周囲にはモンスターが集まってる筈だ。

 複数の種類もしくミノタウロスだけ。

 俺としては前者が嬉しい。

 もしミノタウロスだけなら本当に見つかれば勝てない。

 違う種族のモンスターが居るなら勝手に争ってくれる可能性もあるからな。

 

「ユナさん正直に答えてください。一対一なら勝てそうですか?」


 暫しの沈黙の後ユナさんが答えた。

 きっと戦闘をイメージしてたのだろう。


「分からない、それが正直な所ね。スピードとかを見た感じで言うなら私の方が速そうだけど、防御と攻撃では比較した場合は負けてるでしょうね、だから避けながら少しずつ削る戦法なら恐らくわ。」


 やはり。

 辛いな。

 理想はメンバーの最低ステータスが今のユナさんだ。

 あんなのが沢山出てこられたら勝ち目が無い。


 先程のミノタウロスの経験値。

 俺はそれをユナさんとアイの2人だけに回した。

 近接戦で耐えれる可能性を上げる為だ。

 どうせ後衛の人に回した所で付け焼き刃以下の意味しか無いだろうしな。

 

 俺もJPを使うしか無い気がしてきた。

 それに今一度アイ達のステータスを見ておこう。


 ステータス振ってない奴とか居ないよな?

















 












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