75.オボロ!
「お前はオボロになったのか?」
部屋に連れてきたバラノス。
オボロかもしれない。
に話しかけていた。
身体を前後に動かし肯定している様だ。
「そっか、良かったな。」
縦横無尽に転がったり跳ねるオボロ。
喜んでるようだ。
見てて楽しいがすまんな。
「オボロ、前に使ってたバリアどこまで大きく出来る?」
ジャンプして着地し。
力んでるように見えた。
そしてオボロがスキルで透明の壁を出してくれた。
前に使ってくれた時はベットを覆ってたが。
今回はそれよりも少しだけ大きかった。
軽自動車なら囲えるだろう。
しかし自衛隊車両で考えれば足りない。
それに。
今俺がオボロ担いで移動したら壁も動くのかだ。
「少し動かすぞ。」
俺はゆっくりとオボロを担ぎ動かした。
これでスキル中は動かしたらダメ。
その時はオボロが反応したスキルを切る筈だ。
完璧な意思疎通が難しいからこうするしかない。
だがスキルを切る事は無かったので動かした。
そしたらスキルの壁も動き。
ギリギリで触れてなかった椅子にスキルの壁が当たり倒れる。
「おおぉぉぉ、凄い。」
これは革命的だぞ。
最強じゃん。
後はどうやってステータスを振ってもらうかだ。
あれ。
別にオボロにも使えるのでは?
ユナさんもユウカのステータスも俺が振ってるし。
俺はあるスキルを発動させる。
≪スキル、コレクションをオボロを対象に発動しますか?≫
『YES』
≪スキルの発動を確認しました。オボロがコレクションのスキル対象になりました。≫
「良し!」
まずは第一関門通過だ。
後はこれでオボロのステータスを開ければ。
画面を操作しオボロのベージを探す。
あった!
見つけ早速開く。
オボロLv7
HP :375
MP :86
STR :0
VIT :20
AGI :0
DEX :0
INT :7
RES :13
『ポイント』
STP :75
『スキル』
・マジックバリアLv1
『パッシブスキル』
・HP増加Lv1 ・HP自動回復Lv1 ・MP自動回復Lv1
・爆破耐性Lv1 ・恐怖耐性Lv1
色々おかしい。
Lv7にしてはポイントが変だ。
STPが多すぎる。
そしてモンスターに職業が無いのだろうか。
職業欄とJPが無かった。
それにSPとPSPの項目も無い。
つまりスキルの獲得は自力。
Lv上げも熟練度依存か。
爆破耐性‥
ごめんな。
犯人は俺だよな。
恐怖耐性。
これは俺じゃないな。
ユナさんだな。
名付け親の二人して何してるんだか。
酷い教えだ。
良くついて来てくれたものだ。
「有難うな。」
俺は礼を言った。
完璧じゃないだろうが伝わるのなら言うべきだ。
そして今からはスキルの検証だ。
INTとRESでバリアの性能がどう関わるのか。
またVITは関係してるのか。
「オボロ壁で自分だけ囲んでくれ、そして少し叩いたりするが驚かんでな。」
オボロは一瞬で壁を小さくした。
その様子は。
一体でショーケースに居るフィギュアだ。
オボロを綺麗に囲い込んだ。
俺は試しに全力でデコピンする。
パリーン
「あッ」
オボロが今にも泣きそうに困惑している。
まさか割れるとは思って無かったようだ。
「気にするな今はLvの差があるからな、オボロだって直ぐに強くしてやるから安心しろ。」
立ち止まり。
身体の角度を少し上に上げ見てくるオボロ。
ジワる。
やばい。
それに微動だにしないのがまた‥
「大丈夫だって、今度はステータスのポイント使うが良いか?」
オボロがゆっくりと頷く。
意地でも強くしてやりたい。
この子の思いを叶えなければ。
「INTとRESでバリアがどう変わるかわかるか?」
なんのこっちゃと身体を横に倒すオボロ。
おけ。
試していこう。
俺は試しにINTを15にした。
もし関係無かったとしてもMPが一番増える為問題はない。
「もう一度壁を出してくれ。」
もう一度壁に囲われ展示されるオボロ。
先程とは違い少ししょげてるオボロだ。
写真撮りたい。
だが必要ないスマホは充電してない。
後で充電しとこう。
俺は再度同じ力でデコピンした。
ミシッ
指が当たった場所から広がるように一瞬でヒビが入った。
だが耐えた。
凄い。
デコピンとは言え俺のSTRは46もある。
それを耐えたのならまぁまぁ凄い事だ。
「壁をさっきみたいに一番大きくしてくれ。」
オボロは一度壁を消し大きく作り直した。
ふむ。
大きさは変わってないな。
さっき倒れた椅子があるから分かりやすい。
「解除してくれ。」
俺はRESにポイントを7振る。
きりよく20にした。
あれ?
さっきよりMPが10減ってる。
一度目は壁の作成にはMPを使わない筈だ。
なら考えられるのは壁が壊れて再度作ると減る?
これも検証しよう。
「もう一度大きく壁を頼む。」
バタンッ
ガガッ
もう一つ奥の椅子も倒れた。
そして倒れて椅子は押される。
RESはどうやら大きさに関係するようだ。
後10あれば車両を囲えるな。
「一度解除してくれ。」
俺は更に10RESにポイントを振る。
「もう一度最大で出してくれ。」
何度も申し訳ないが調べないといけない。
先程より大きく。
ベットなどもギシギシと押して壁が出てきた。
十分な大きさだ。
そして俺はもう一つも確認する。
オボロのステータスを見てもMPは減ってなかった。
「オボロすまんな、壁壊す。」
壁に近づき。
壁を軽く殴る。
軽くだがデコピンよりは強い。
巨大な壁の一角が割れ飛び。
連鎖するようにその箇所から壁は崩壊した。
ステータス画面を操作してポイントを振る。
何度も出させてたら可哀想だ。
俺はINTに全ポイントを振った。
「小さく壁を出してくれ。」
また自分を展示する大きさで壁をだした。
今オボロのINTは75。
俺のSTRより30程高い。
「全力で蹴るぞ」
オボロが無理無理と訴えてる。
だが俺はそのまま右の利き足でボールを蹴るように足を振る。
「いッた。」
サッカーボールだと思って蹴ったボール。
それが実はコンクリでした。
そんな痛みが来る。
動きもしないし壁も壊れてない。
亀裂は入ってる。
だが後一回とかじゃ割れないだろう。
「十分だな。」
オボロは耐えたぁぁああと喜んでる。
俺の足は痛いが。
実験の為だし仕方ない。
後はLv上げだな。
だが釘を刺されてる状態で外に出るバカではない。
「オボロはのんびりしててくれ。」
俺は1人ベランダに出て武器を取り出す。
ホテルの最上階。
それもこのホテルはかなり高い。
視界は良好。
探せばいくらでもモンスターは見える。
敵との距離が伸びればそれは嬉しい。
それに応じて爆弾(弾丸)の調整も調べられるのだから。
俺はベランダで1人。
オボロのレベリングを始めたのだった。