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67.



 長い髪を簪を使い。

 止めている少女。

 やがて少女は言葉を口にした。


「元気でね。」


 何を言っているのだろう。

 段々と意識は移り始め。

 途中何方が何方なのか分からない。


 身体が揺さぶられてる。

 朦朧とする。

 

 再度揺らされてる身体。

 何だ。

 何なんだ一体。

 

 片目が先に開き。

 目が捉えたのが入ってくる。


 人だ。

 俺を揺らしてるのは人だ。

 魔物だったらどうしようかと思った。


 魔物?・・・


 ハッ。


「やばいッ!」


「うわぁッ」

「きゃ」


 あ。

 明瞭する視界。

 やばい。

 やっちゃった。

 

 俺は今勢いよく起き上がった。

 そして目の前には尻もちを着いてる2人。

 マユリとアイだ。

 少し考えたら分かる。


 俺が起き上がってびっくりして倒れた。

 うん。

 

「二人共ごめんな。」


「もぉ!トキヤさんビックリするじゃない、起き上がるなら言ってくださいよ。」

「そうだよトキヤ。危ない。」


「ごめん。」


 素直に謝るコレが一番。

 それにしても何で俺は寝てたんだ。

 確か爆弾を仕掛け。


 ユナさん。

 ユウカ。


「どれくらい時間は経った!?」


「私達がこの建物に入って22分程でしょうか」


 2人の後ろに居たハルが教えてくれた。

 

「急いで出るぞ、付いて来て。」


 2人を立たせ。

 正面入り口に向かい走り出す。

 それを6人が慌てて追いかける。


 入り口を出て直ぐに目に映るのはオーク。

 まだ一面オークだ。

 しかし奥の市役所には既に侵入されきってる様に見える。

 

「まだ大丈夫だろう、破壊するぞ。全力で走れ。」


 入り口出て。

 東側に全力で走り出す。

 勿論正面から出た俺らはオークに見つかる。

 しかし相手にはせず。

 走り続ける。


 やがて視界の端の建物が消える。

 通り過ぎた様だ。

 6人も後ろに居た。

 オークや俺達の位置と建物の大きさ。

 見ながら考え。


 大丈夫だと思った俺は爆発させる。


「飛んでくる瓦礫で死ぬなよ」


「「「ええええええ」」」

「あらら」

「。」

「危ないってトキヤさ~ん」


「大丈夫ステータスは裏切らない筈だ」


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ


 目の前に表示された画面。

 爆弾の起爆ボタンが表示されている。

 それを指でなぞり順よく爆発させる。


 やっぱりこの時が楽しかったりする。


 爆竹が連鎖する。

 規模は違うが建物の爆弾が順よく爆発していった。

 

 そして建物は段々と傾き。

 市役所の方に倒れていった。

 

 倒れるマンションを見ながら思った。

 あれ。

 予想以上に市役所に近いかも。 

 ヤバい。

 ヤバいヤバい。


 市役所まで潰れたら本当にテロリストだ。

 いや犯罪者だ。


「トキヤ顔色悪いよ。大丈夫?」


「ぁぁ、だぁ大丈夫だ。」


 問題しかない。

 走りながら後ろを見続ける。

 マンションが45°以下になって。


 良かったぁ。

 多分大丈夫だな。

 その後1秒も満たない時間で倒れ。

 辺り一面に砂埃が舞。

 激しい振動が伝わってくる。


 迫りくる砂埃。

 マユリとアイの2人を。

 前に抱き寄せ砂埃や飛んでくる瓦礫から守る。


 全員を守れる万能なスキルを俺は持ってないからな。


≪経験値を獲得しました≫

≪経験値を獲得しました≫

≪経験値を獲得しました≫


 聞こえ始めた声。


 あれ。


 聞こえなくなった。


 3体だけ?

 んな馬鹿な。

 あの数のオークが居たんだぞ。

 おかしいだろッ!


≪今計算してるのでお待ち下さい≫

≪毎度毎度、一度に倒し過ぎなんです大変何ですよ≫


 普通大人しくアナウンスだけだろうに。

 お小言を言われてしまった。

 まぁ。

 確かに一度に倒して大変そうだと思うが。

 仕方ないじゃん。


≪それに次、ユナが経験値を獲得した時にでも貴方の今の状況を鮮明に伝えときます≫


 今の状況‥?


 待て待て待て待て!!!

 それはちょっと待って。

 今の状況って俺が2人を抱きしめてる状況じゃないか。

 本当は不味くはないかもしれんが。

 頑張って戦ってる人に無断に情報を与えるのは違う。


 そうは思わないかい?

 

≪思いません≫


 やめろ。

 止めないなら。

 一度に倒す数をこれからは意図的に増やすけど?


≪良いでしょう、ここが落とし所のみたいですね≫


 なるほど。 

 余程この作業が大変な様だ。

 すんなり引き下がってくれた。


 暫くして砂埃が収まり。

 俺は2人を離す。


「あ。ありがとう。」

「トキヤさんあんがと。みんな大丈夫?」


「大丈夫です」

「こちらも何とか大丈夫です。」


 俺は周りを見て全員が無事か見。

 市役所に視線を移す。


 ギリだ。

 倒れ崩壊した建物の屋上部分。

 それが市役所の敷地内に入り。

 入り口前で飛散していた。


 正確にはユナさん達が居た場所はアウトだ。

 しかしあの2人なら大丈夫だろう。

 避けてる事を願うしかない。







 





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