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走る。
全力では無いが。
思ってた以上に疲労がヤバい。
身体が重くて重くて仕方が無かった。
それもその筈だ。
予定の大幅な前倒しによる決行。
仮眠すら取ってない状態だ。
重い足取りで広場に向かう。
1分程で広場が見え。
様子を知ることが出来た。
良かった。
皆生きてた。
遠目だが8人分の立っている姿を確認出来た。
8人・・・
多くない?
冷静に考えて数を口にすると多いなと思ってしまう。
いや。
まぁ。
マユリ達が6人だった時点で最初からそうだけど。
てかさ。
女子の内々で話を進めるのは止めてほしい。
ユナとユウカは俺が寝てる間に溶け込んで仲良くなったが。
俺は起こされて急にお願いされたり。
結局一人行動したりと。
まだ残りの名前すら分からんのだが。
これは良いのだろうか。
いや時々。
りっちゃんとかももっちとか。
あだ名っポイ名前は聞こえてたけど。
顔とあだ名が一致する事は無かったんだよ。
そして何で俺と関わる。
4人は他の4人の事を俺に教えてくれないんだ?
まさか自分達が俺の名前知ってるから俺も知ってる。
とか勝手に思ってないだろうな。
勝手に・・・
あっ。
どうして忘れてたんだろう。
鑑定を人に使えば良いのだ。
名前が分かるそれだけで十分ではないか!
これからは鑑定の使用頻度を意識してみようか。
優良スキルが勿体ない。
俺は呑気に歩きながら近づいて行った。
見た感じ大丈夫そうやし。
オークは残り4体。
黒オークで。
マッチョオークでも無い為急がない。
「お兄さん!後ろに居るならオークやっつけて下さいよ」
最初に気づいたのはユナさんだが。
直ぐに目の前の敵に集中し直したのに。
ユウカは戦闘中でも遠慮無く話しかけて来やがった。
油断し過ぎじゃないか。
ユウカもオークも。
ユウカが俺に話しかけた為。
オークは背後を振り向き。
ユナさんと対峙していたオークは瞬く間に首が急に折れ倒れていく。
オークジェネラルと大概だが。
ユナさんも普通にヤバいよな。
ユウカは意図的では無かったらしい。
ユナさんが敵を倒し。
遅れて私もみたいな感じで攻撃し始めた。
せめて俺に話かけるのが作戦だったら嬉しかったのにな。
そして矢を同時に何十本と放ち。
オークを串刺しにしていく。
前よりはハリセンボンじゃないが。
こちらも変わらずエグいな。
そしてマユリ達は6人で2体と対峙していた。
俺は今からが大変である。
まず一番分かりやすそうな子の名前を見てみよう。
黒髪ロングでツインテールをしている細身な子だ。
【中村 凛香Lv17】
この子はリカって言うのね。
おけ。
ツインテがリカ。
そう覚えよう。
にしても17レベとは早いな。
あの数を6で割ったとしても。
いいペースだ。
これがパワーレベリングか。
次はあのミディアムヘアの茶髪な子を覗い
違う違う。
鑑定で見るだけだ覗きでは無い。
【松本 春Lv17】
アパレル業界に居そうな人見た目だよな。
可愛いし。
髪型がいっちゃん手間かかってそう。
ロクに髪型には詳しくないが。
長かったり。
ストレート以外にふわふわする髪型は。
姉を見ていたから何となく手間がかかるのは知ってる。
てかアレって維持出来るもんなん?
今電気もまともに使えないよね?
ヘアアイロンとかドライヤーとか無いと思うんだが。
あの子らは何をどうやって維持してるんだろうか。
まさかユナさんとユウカが風呂長かった理由も関係してるのだろうか。
ファッションに疎いトキヤには分からない事だった。
ユウカは小さ過ぎるが。
この子も6人の中では一番小さいな。
150よりちょっとあるぐらいだろうか。
歩くマスコット感が出ている髪型がボブな子だ。
高校生で問題なく行ける。
だが恐らく同い年である。
【花井 百華Lv17】
ユウカの次に小柄でボブっポイ髪型の子がモモカね。
失礼だろうが。
俺は名前を覚えるのが得意じゃないんだ。
それに小柄がコンプレックスじゃない事を願う。
俺も男性でみたら圧倒的に小さい部類だし。
4人目だが。
俺よりも背が高い。
スラットしている。
アレがモデル体型なのか・・・
足は細く。
身体のラインが分かる。
そして髪は薄茶色で。
ふんわりとしたポニーテールだ。
上の方でまとめている為服に髪は服に触れておらず。
スーツを着たら絶対似合いそうな人だな。
冬なのにダボっとしてない現状ですら良い感じ過ぎるのだが。
っと名前。
名前だ。
【佐々木 日美Lv17】
鑑定が忘れがちなのは不味いな。
直ぐに忘れてしまう。
そしてヒヨリさんね。
了解。
多分一番ハッキリ覚えた。
「ユナさん、お兄さんが他の子達にも手を出そうと見ています」
「ちょッ、ユウカ人聞きの悪い事ゆうでない」
ユウカの要らない一言で俺のユナさんに睨まれてしまった。
そして3人でいつでも助けられる様に待機し。
6人の戦闘を見守るのだった。