60.
意味がわからない。
だけど奴はあの時のオークだ。
間違いない。
見慣れない顔立ちを見比べるのは難しいが。
俺を殺しかけた敵を見間違いはしない。
それだけは断言出来る。
なら。
もう一匹の強いオークは何処だ。
可能性としてはユナさん達の方だ。
くそっ。
またミスをしてしまった。
なんで。
なんで。
なんで俺は頭が回らなかったんだ。
広場の様子を少し見て。
強いオークが居るか確認しろよ。
それぐらいならバレる可能性は低いのに。
あぁ。
最悪だ。
「殺そう」
最短最速で目の前の敵を殺す。
その後急いで向かおう。
僅かに可能性は有るはずだ。
そうと決まった俺は。
オークに向む駆け出す。
身体を動かし。
感覚を確認してるが待ってはやらん。
僅か数歩で距離を詰める。
米粒爆弾を左手一杯に作り出す。
それを強化し。
近づき。
砂で目潰しする様に顔に投げかける。
そして一斉に爆破。
強化してると言っても米粒爆弾だ。
威力は爆竹の延長線上だ。
しかし。
それが眼球の真ん前で爆発すれば効果はある。
オークは防げ無かった。
頭を左右に動かしながら仰け反るオーク。
そして両手で両目を抑えてる。
目を抑え苦しむオークを横目に。
俺は後ろに回り込み。
両手で爆弾を取り出す。
前方は感で攻撃される危険性があるから回り込んだ。
てかこのマッチョオーク。
俺が透明でも攻撃して来たよな?
やはりあれはこいつの感知系の能力だろうか。
ゆっくりと少しづく後ずさる。
やがて。
目が見えないオークが壁を探す。
何かを掴みたいんだろうな。
両目が見えない暗闇は恐怖だ。
体験として両目を瞑って。
視覚障害者誘導用ブロックだけで歩いた事があるが。
怖すぎてロクに進めなかったのを覚えてる。
そしてオークはやっと。
自身の膝上の高さぐらいの物に手が触れ。
それの数度触り。
それで身体を支え始めた。
「ユルザン"。ユルサン。キサマハワタシガゼッタイニコロシテヤル。」
「先に攻撃したのはお前の方だ。文句は受け付けんぞ」
「キサマラ。ニンゲンハ。ムカシワレワレオークヲミルトコウゲキシテクル。ワレワレガニンゲンヲワソワナクテモダ。」
「だからって俺には関係無いな、昔・・・ん?むかし」
こいつが言う昔ってなんだ。
オークの感覚では数日前は昔なのか?
会った時も言ってた言葉。
魔王。
そうだよ最初言ってたよな。
つまりこいつが元居た場所では。
魔王も居て人も居る。
そんな世界から来たんだろう。
「オマエダケハ。オマエダケハ。」
オークが損傷して無いはずの目を無理やり開き出した。
もし修復でもされたら厄介だ。
ユナさん達の方にも行かないと行けないし。
「じゃあなオーク」
俺はその言葉と同時に吹き抜けから飛び降りる。
3階から1階に着地するのは楽じゃ無いが。
前は屋上から吹き飛ばされた時よりは遥かにマシだ。
そして全力で広場の方に走り出す。
そして数秒で建物から出る事に成功し。
俺は覚悟を決める。
オークが手を着き重心を預けていたのは俺の爆弾だ。
強化は1だけしたLv6の爆弾。
それを2つ積み上げた。
一辺50cmの正方形が高さ1mまで伸びた形になる。
「ピピ」
爆音と共に感じる爆風。
後ろは3m先には室内に入る入口があり。
前方数メートル先の出口まで続くトンネル内部に居たが。
伝わってくる振動と室内から流れ来る爆風によって倒れる。
トンネルから出て使えば良かったと思ったが。
出口の先に見える外は瓦礫が無数に飛び交っていた。
これ程かよ。
強化1に留めたのはMPの関係だが。
上げなくて良かったかもしれん。
それに不味いな。
瓦礫だけを食らうなら。
普通の人間じゃなくユナさん達も大丈夫だろうが。
戦闘中に運悪く隙きが出来ていたら大変だ。
俺は身体を起こし。
広場に向かう。
≪経験値を獲得しました≫
≪必要経験値に達しました・レベルが32に上がります。≫
あ。
オークが死んだ。
ようやくか。
直撃受けても数秒は生きてたのかよ。
倒した相手に恐怖する。
だってあの威力だぞ。
俺は出口から出て。
外から南側を見てみる。
「うわぁ。」
南側は外から見ても分かるほど破壊されていた。
本来有るべき外壁も数十メートルは崩れ。
壁が無いも同然で外から見える室内は。
爆発地点から球状に壊れていた。
直径30m以上を球状に破壊した威力は。
建物だけじゃなく。
地面にクレーターを作り。
その破壊力を示していた。
「やっぱりこれは封印した方がいいかな。」
次は犠牲が出ないとも限らないし。
身体の向きを直し広場に向けて再び進み出すのだった。
表現力…が乏しい。
そしてマッチョオークともう少し戦闘させるか悩みましたが結果的にこうなりました。
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