6.持つべきものは無し
投げやりに寝て、起きて、二度寝して、起きた。
今はまだ、朝の5時だ。
それに単に二度寝をした訳ではない。
3時に起きて確認をしたのだ。
MPを。
そしたら満タンにだったので、もう一度作った。
だから俺の目の前には、小型キューブ爆弾が4個ある。
その内の一個は、今起きてから作ったものだ。
これから朝ご飯を食べ、準備すれば、家から出る時には回復するだろうと思ったからだ。
MP自動回復の効果も判明した。
Lv1の現在で1分で1MPが回復する。
俺は別に、手に口があって粘土を食べて爆弾を作るわけじゃないが、このまま行けば間違いなく爆弾魔と扱われる。
そして4個も作って思ったのだが、これ以上増えたら持ち運びが不便だ。
「アイテムボックスが欲しい..」
そう異世界の主人公なら必ず持っている程の便利スキル!
てかゲームなら無条件でバックとかいう項目がメニュ画面にあるのに、この世界には無いようだ。
まったくもって残念だ。
俺はアイテムボックスが欲しいが為に、他の職業も手に入れてみることにした。
アイテムボックスというスキルが手に入りそうな職業は4つある。
助手、運び屋、冒険者、コレクター。
「まず運び屋はないな」
これは絶対に選ばない、そう決めている。
次に冒険者、なんだろう持っていそうな気がする。
冒険をするにはアイテムボックスが必要だよな?
えいっ!
≪第2職業を『魔法士』から『冒険者』に変更するには、JP1を消費します。よろしいですか?≫
『はい』
≪『魔法士』のスキルは無効化されました≫
≪職業が『冒険者』になりました。ステータスが変化します。スキルを獲得します≫
≪パッシブスキル肉体強化を獲得しました≫
≪既に肉体強化を獲得している為、結合されます≫
≪肉体強化のLvが2から3になります≫
≪パッシブスキルHP増加・HP自動回復を獲得しました≫
≪既にHP自動回復を獲得している為、統合されます≫
≪HP自動回復のLvが1から2になります≫
≪スキル・盾術、剣術、弓術、危機感知を獲得しました≫
冒険者強...
バリバリの前衛向きの職業だった。
予想通りと言えば予想通りだが、アイテムボックスは無かった。
この世界の冒険者は、重たい荷物を背負いながら旅をするらしい。
「よし!次だ」
候補その2、助手。
これはただ単に俺が仕事を手伝って時、荷物持ちだったから願望的にアイテムボックスというスキルがあったら報われるな!みたいな思いだ。
ポチっ
≪第2職業を『冒険者』から『助手』に変更するには、JP1を消費します。よろしいですか?≫
『うむ』
≪『冒険者』のスキルは無効化されました≫
≪職業が『助手』になりました。ステータスが変化します。スキルを獲得します≫
≪パッシブスキルDEX値増加を獲得しました≫
≪既にDEX値増加を獲得している為、結合されます≫
≪DEX値増加のLvが1から2になります≫
≪スキル、器用貧乏、支援魔法サポートを獲得しました≫
ん?
なんか支援魔法を覚えた。
試しに自分に使ってみる。
「おおぉ」
STRからRESまで6項目、全て+2されていた。
しばらくその状態を維持していると、一分で5MP消費するのが分かった。
燃費悪いかも...。
そしてまた収納系スキルは無かった。
「クッ!」
こなったら最後の候補、コレクターだ。
≪第2職業を『助手』から『コレクター』に変更するには、JP1を消費します。よろしいですか?≫
『うん』
「…………」
結果から言おう、これは大当たりの職業だった。
後方支援職の中ではTOPクラスの職業だろう。
求めてたアイテムボックスも勿論手に入った。
俺はコレクターに決め、他のポイントも振っていく。
そして、
結果を表示したらこうなる。
イトウ トキヤ Lv2
HP :85→115
MP :113→122
STR :0 +4→6
VIT :8→10 +2→3
AGI :6 +4→6
DEX :0 +7→11
INT :11 +6→5
RES :0→3 +4→3
『ポイント』
STP :5→0
JP :5→0
SP :5→0
PSP :10→0
職業【工作員Lv3】
【コレクターLv1】
固有能力:職業変更権限
スキル
・爆弾作成Lv1 ・破壊工作Lv1 ・隠蔽Lv2
・鑑定Lv1 ・コレクションLv1 ・アイテムボックスLv1
・集中Lv1 ・索敵Lv1 ・危機感知Lv1
・潜伏Lv3 ・気配遮断Lv1 ・魔力遮断Lv1
パッシブスキル
・HP増加Lv1 ・HP自動回復Lv2 ・MP増加Lv1→2 ・MP自動回復Lv1→4
・肉体強化Lv3 ・知力強化Lv3 ・DEX値増加Lv2 ・INT値増加Lv1→2
・毒耐性Lv1 ・麻痺耐性Lv1 ・疾病耐性Lv1
めっちゃそれっぽくなった。
まずコレクターで、鑑定、アイテムボックスの王道スキル2つもゲット出来るとは、これっぽっちも思っていなかった。
コレクションという謎のスキルも手に入ったし。
パッシブスキル知力強化も手に入り統合でLvが勝手に3にもなった。
第2職業が後方職で決まった為、戦闘は工作員つまり俺は爆弾魔として戦わなければならなくなった。
そこで俺が取れる戦法は、爆破→隠れる→爆破→隠れる→爆破。
これを繰り返す事になるだろう。
その為スキルで新たに魔力遮断を手に入れて。
隠蔽をLv2まで上げ、潜伏をLv3にした。
隠蔽を上げたのは、どうやらこのスキルは、爆弾など置いてある物を隠せるみたいだからだ。
便利過ぎる。
おまけに自分のスキルも表示上弱っちくできた。
これで相手が鑑定を持ってて、俺のステータスを覗いても最弱野郎だと勝手に思い込んでくれるだろう。
バリバリの爆弾魔だが。
主要職業の工作員はLv3にしてある。
後はそれに合わせて、パッシブスキルとステータスポイントを振り分けた。
準備は整った。
「外のモンスターを爆破しに行こう」