56.
マンションは近かった。
走って一分未満で着いた。
そしてマンションの前に見える姿。
ユナさん達が勢揃いだった。
「皆さん早いですね、おはようござ「じゃないわよッ!貴方また何しでかしてるのよッ」」
ユナさんが遮ってくる。
せめて最後まで言わせてほしい。
それにここは女性陣から一斉に。
おかえり。
おはよう。
とか言われたかった。
「いえ。ちょっと散歩してたらオークさん達の一団が襲いかかってきたんですよ。」
「まず何で散歩に行ってるのよ、はぁ。」
ユナさんが頭を抱え。
他の皆も。
私が悪カッタとか。
眠らなければなど。
意味のわからない話をしていた。
俺がどうしようが自由である。
それに此処はどの道バレてたみたいだしな。
潮時だ。
このマンションから引っ越そう。
「オークの集団が此処に来る可能性があります、移動しましょう。」
「分かったわ。」
「お兄さん家具とか回収しないんですか?」
「良いかな、そんな余裕が無い。君たちも移動に賛成って事で良いよね?」
マユリ含め6人にも急いで確認を取る。
まだ皆状況が掴めてない感じだ。
普通はこうだ。
ユナさんとユウカがおかしのだ。
「うん。」
「大丈夫よ」
「私も大丈夫です。」
「「「お願いします」」」
「でもトキヤさん何処に行くの?」
俺は答える前に微笑む。
それを見たユナさんとユウカの顔色は悪くなり。
他の人達も何事?って感じだった。
「市役所に向かいましょうか」
「ふぅ、ってッ!何でいちいち微笑んだのよ、無駄に身構えたじゃない。」
「そうですよッ!私今からオークの所に突っ込むんだぁ~って思って、絶望しかけてたんですからね!」
「先にレベル上げないと、死にますからね」
「ごめん、私達が弱いばかりに。」
「「「「「ごめんなさい」」」」」
勘違いしてるが良いか。
マユリとアイは。
余っているポイント使えば既に強い。
俺が設定を変えて無い為。
経験値分布率はあの2人が高い状態だ。
その状態で黒オークをあの数倒した。
既にLv20に成っていても不思議じゃない。
だからと行って今は。
のんびりポイントを振ってる余裕すらない。
「なら急げ、さっさと走るぞ」
俺達は走り出す。
市役所を目指して。
オークは彼等の直近の敵でもある。
それなら殲滅に力を貸してもらおうじゃないか。
走って走って走る。
後ろからオークに追われる事は無かった。
あの爆発で全て死んだのだろうか。
それとも引き返したのか?
考えても分からない事だらけだ。
広範囲な索敵能力が欲しい。
無いものねだりは良くないが。
後で少し探してみようと思う。
マユリ達の速度に合わせ市役所に向かう。
20分程走ると建物が見える予定だった。
いや、正確には見えている。
一部だけ。
「嘘でしょ、あれ全部オークなの。」
マユリの声がいつもより暗くなる。
俺達の目には市役所の2階部が見え。
一階部は見えていなかった。
普通のオーク始め。
黒いオークも合わせた何百と言う数が。
市役所に押し寄せていたのだ。
他の者は現実を受け入れられていないようだ。
2名を除いて。
「気持ち悪いったら無いわね。」
「同感です、彼奴等ハリセンボンにしてやったのにまだこりてないんですね。」
何だろうこの2人。
時々変だ。
「そうか。そうか。二人共そんなにオークと遊びたかったのか、ごめんな。俺は全然それに気がつけなかったよ。」
「えっ、ちょトキヤさん?」
「お兄さん♪聞き間違いですよね?何言ってるんですか。私は全然遊びたく無いです。お兄さんと遊びたいです。」
ほう。
ユウカは俺と遊びたいのか。
ふむふむ、なら違う方法にしてやるか。
「これはチャンスだ、やっぱりショッピングモールに攻めるぞ。見た感じ此処にはボスと思われるオークが居ない、まだ寝床にでも居るのだろう。それなら邪魔なオークがこれだけ離れてる今を狙うしか無い。」
「やっぱりって、お兄さんまさかマンションの時、最初っから攻め込むつもりで?」
「・・・」
俺は無視する。
「何で黙ってるんですか?」
「そうかユウカは元気だな、それな「あああああ、元気じゅありません作戦の続きをお願いします」」
強制的に話を変えさせ。
危機を免れる。
「まず、ユナさんとユウカは向こう側のパーティーに入ってくれ、俺はこのままマユリとアイさんと組んだ状態で行く。」
「それで私がオークを倒してこの子達のレベルを上げれば良いのね。」
「簡単に言えばそういう事です。」
「パーティーの振り分けはそうなるが、マユリとアイさんはいつもみたいに6人で戦ってください。経験値は離れてても貰えるので。」
「わかった。」
「わかったわ」
作戦を説明し。
皆からの指摘が入るので所々修正して作戦が決まる。
そして俺達は急ぎショッピングモールに向かい始めた。