55.
ヤバい。
ヤバい。
本当にヤバい。
奴らは何故あの方角に進んでいる?
何か目標があるのだろうか。
なら俺にかなりの数を割いて対応してるのは変だ。
西のゴブリンが狙いの可能性もあるが。
最近オークに手を出したのは俺達だ。
何らかの方法でマンションがバレていても不思議じゃない。
マッチョオークの報復だろうか。
今は考えてる時間がない。
俺は急いで西側の方の塀を飛び越え。
マンションの方に向かっているオークの先頭を目指す。
後を追っていたオーク達は無視だ。
道に従わず想定位置を目指してなるべく一直線に進み。
必死に走り1分程で追いつく。
塀に飛び乗り周りを見るとギリギリ追い抜いた様だった。
「ふぅ、良かった」
間に合った事に安堵し。
俺は先頭のオークに向かって直ぐに普通爆弾を投げる。
何かを投げられたオークは防御態勢に自然と取る。
ピッ
ドン!
そのまま腕に打つかつ瞬間に爆発させ。
腕ごと吹き飛ばす。
防御で先頭が止まった為後続の進行が止まり。
先頭のオークはそのまま死ぬ。
何とか止まったな。
爆弾を投げられても止まらない。
そんな狂気集団だったらヤバかった。
だけど流石に目に見えて投げられると止まるらしい。
さっきのは僅か3秒だったしな。
さて。
どうしたものか。
黒オーク相手に俺は近接戦で余裕は無い。
関節など弱い所を攻撃しないと意味が無い。
結局爆弾で戦うしかない。
敵の目的地が俺のマンションなら。
何らかの情報収集能力がある。
じゃないと位置がバレるはずがない。
それにこれを使うと戻れない気がする。
だから俺は爆弾作成Lv6以上を使ってない。
「はぁ。」
だけどもうそんな事を言ってられないか。
爆弾作成Lv6で一つだけ作ってある。
爆弾をアイテムボックスから取り出す。
両手で。
片手で持つ?
無理だ。
爆弾はただの四角い正方形だが。
一角の大きさが手の平より大きい為掴めない。
爆弾作成Lv6。
Lv5とは正反対。
極小の反対は極大だ。
取り出した爆弾は一辺の長さが50cmはある。
デスクトップPc以上だ。
めっちゃ重い。
STRで筋力上がってて良かった。
じゃないと不可能だ。
100キロとかありそう。
俺はそれを地面に置き。
ゆっくり後ずさる。
正直爆発範囲が想定出来ない。
だから俺は使いたくは無かった。
使うにしても。
オークのボスのプレゼント用だった。
オークがゆっくりと距離を詰めてくる。
今度は小型爆弾を先頭に投げ。
爆発させる。
ピ
今更小型爆弾で殺せるとは思ってない。
その隙きに俺は全力でマンションに向かって走る。
爆発の煙がものの数秒で消え。
オークが俺が走ってる事に気づき。
追ってくる。
オーク達は置いた爆弾には目もくれず。
通過する。
よしよし。
そのまま来い。
数秒走り爆弾と100m以上距離を取り。
世界記録だなこりゃ。
先頭オークが爆弾を通過して3秒程が経つ。
そろそろだな。
ピッ!!!
メニュー画面からいつもより大きい音が聞こえる。
爆弾を置いていた場所の空気が。
一瞬にして爆弾に圧縮された様に見え。
次の瞬間
けたたましい爆音と同時に熱風が襲い来る。
爆心地から瞬く間に窓ガラスが粉砕される音が遅れて聞こる。
はは‥やべぇな。
更に炎は一軒家よりも高く上がり。
広範囲に広がっていた。
終わった。
俺の部屋の窓も今頃割れている。
マンションまで距離で500mは無いしな。
そしてオークは先頭始め。
姿は見えなかった。
正確には爆発の向こう側には居るだろう。
なら今の内にマンションに向かおう。
暫くはあの炎の壁が時間を稼いでくれるはずだ。
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