52.
「やっぱり、名前はオボロにしましょうよ。」
「え!?ユナさん、もう子供の名前考えてるんですか。」
「ちがうわよ!!!、バラノスの名前を決めるのよ。」
何だ。
めっちゃビックリしたよ。
「そうでしたか、本当ビックリしましたよ。」
「それはこっちのセリフよ、第一、誰との子..なのよ…」
そんなもじもじして言わないでください。
ドキッってしてしまいます。
「それは、ユナさんが望む人でしょうよ。」
「もうッ、そんな事より、オボロって名前どうよ!良い名前だと思わない?」
何で、オボロなんだろう。
「ちなみに理由はあったりしますか?」
「バラノスって、一応どんぐりみたいでしょ?果実類の名前を引っ張ってきてもいいと思ったけどそしたら、そのままどんぐりになりそうだから花から引っ張ってきて、オボロヅキからオボロだけ抜き取ったの。」
なるほど。
予想よりちゃんとしてた。
「良いですね、その名前採用しましょう。」
「良いの?こんなあっさり。」
「大丈夫です、僕ネーミングセンスありませんし、個人的には気に入ってるので後は本人?本体次第ってことで。」
「帰ったら一緒に伝えてから反応を見ましょうね。」
「そうしましょう。」
待ってろよ、バラノス。
帰ったら名前を付けてもいいなら付けさせてもらいます。
まだ1時間しか経ってないから、帰るのはまだまだ後だけど。
住宅街を散歩しながらモンスターを倒していた。
主にゴブリンだ。
俺が減らして数が減ってたと思ったがそうでも無かった。
まだまだ沢山居た。
眠ってるゴブリンには飴ちゃん爆弾で一斉にボン!だ。
楽で良い。
「トキヤさんって…いつも一人でこれやってたの?」
いつもって、まだ数回よ?
「まぁねぇ~楽で一斉に倒せるから、他のゴブリンが目覚めることも無いし。色々効率的だよ。」
「ねぇ、実は私も爆弾飲まされてるなんて無いわよね……」
「……………」
「ねぇ、ねぇ!、何で黙るのよッ!、まさか…」
「ノリで黙っただけですよ、大丈夫ですよしてませんから。」
疑いの目を向けられてるが本当にしてない。
そもそもする意味がない。
「なんか、ゴブリンが寝てる時にこんな事をやってたら、つい、自分も寝てる間が怖くなってくるわ。」
まぁ俺の爆弾って、薬にも化けれるからな。
仕込もうと思えば方法はいくらでもある。
だけど、ユナさんのステータスだと多分殺せはしないだろう。
仕込むとしたらMP10以下の爆弾って事になる。
そのMPの威力はゴブリンとかなら殺せるが。
それ以上は無理だろうな。
腹で爆発するとはいえ。
「大丈夫ですよ、心配しなくてもステータスが上がれば、不意打ちで死ななくなりますし。」
「それは、そうだけど……できれば不意打ちはされたくないわ。」
「それもそうですね、すいません。」
「良いのよ、別に。さぁ気分転換に次のモンスターを探しましょ。」
気分転換でモンスター探すって…なかなかゲームの様な気楽さですよね。
本当に。
「気分転換のお手頃感はありませんが、いいサンドバッグだとは思いません?」
「全然、気乗りしないわ。何でこんな時にオークなのよ…」
オークが3体も居る。
それに見た感じ全員、色が黒っぽい。
「しかも、強い奴らですね。」
「私が2体引き受けるから、1体はよろしくね。」
情けない気もするが、仕方ない。
近接戦ではステータス的に負けてる。
本当に俺の力は戦いづらい。
スナイパーを優先して使う距離じゃないし。
爆弾で倒すには、周りのモンスターを全て起こしてしまうことになる。
不便だ!
あ~ー、考えてたらオーク達が向かってきた。
ユナさんが2体は抑えてくれたけど残ったのが俺の方に来た。
どうしよ。
やべ。
殴られる。
あれ?
このオーク手に持ってるナタの振り下ろす速度が遅い。
とりあえず避ける。
何で避けるんだよって顔してるが、勿論避けるさ。
当たったら負傷するだろ。
嫌だよ。
今度は振り下ろした位置から斜めに振り上げる様に攻撃してきた。
やはり速度は遅い。
だけど振る力がヤバそうだ。
絶対当たりたくない。
「グルゥゥゥ...。」
そんな怒るなよ。
さてどうしよ。
口を開いてたら沢山の飴ちゃん爆弾を無理やり入れたけど。
こいつ、なかなか口を開かない。
スナイパーで頭を攻撃しても良いけど。
一歩間違えたら壊れるし。
これに頼ってたら俺は今日一日、他に戦う方法が無いまま頑張る事になる。
それは辛い。
数が少ない今のうちにどうにか…
いきなりオークの首が落ちた。
「何やってるのよ。」
「すいません、どう倒そうか考えてました。」
「私余計なことしちゃった?」
「大丈夫ですよ、それにして早いですね。二体も相手してたのに。」
「まぁ、本気を出せばこんなもんよ!」
羨ましい。
その近接戦の強さをくだい。
ユナさんが相手してたオークを見ると惨殺されてた。
欲しいような…欲しくないような....。
迷う光景だ。
でも実際近距離の戦い方見つけなければ。
ステータスでも振りながら考えようかな。
「ユナさん、ちょうど家も近いですし一旦戻りましょ。」
「わかったわ。」
あれ…どうしよ。
俺の部屋には二人が居た。
起こしてしまうのは申し訳無いな。