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51.



 目が覚めると部屋は真っ暗だった。

 どれくらい寝たのだろうか。


 俺は時間を確認する。

 24時。


 久しぶりに沢山眠った気がする。

 ここ最近、徹夜でゲームやらそのままモンスターが出てきておかしくなるわ。


 色々あった。

 あの大地震から72時間か。

 4日目の始まりだ。

 っとその前に、どうしよ…動けない。



 寝る前の状態を二人共綺麗に維持してた。

 モンスターが居る世界じゃなかったら堪能してる。

 だけど今から外に狩りに行く予定なのだ。

 のんびりしている暇はない。


 その…ね?

 ゆっくり出来るようになったら――…。

 今は頑張って抜け出す。



 




 マユリを起こさないように離れた為、10分も時間がかかった。

 

 俺は音を立てないようにゆっくり部屋から出る。

 


「え。」


「え、って何よ..。そんなに私のこと嫌いなの?」


「いやいや、そんな事は無いよ。でもどうして居るのさ。」 


 俺が部屋から出て、前を見るとユナさんが居た。

 夜中だぞ?24時だよ?

 良い子は寝ている時間です。


「待ってたに決まってるじゃない…これからモンスター倒しに行くんでしょ?、連れてきなさいよ。」


 あらやだ。

 何このユナさん……可愛いぞ。

 

「そんなに、一緒に居たいんですか?」


「何、言ってんのよ、別にそんなんじゃないわよ…ただ、モンスターを倒して運動しようかなって思ったの。」


 デレがあったのは分かる。

 後半少しおかしくない?

 戦闘しないと身体が鈍るみたいな言い方してるけど、昼前に沢山戦いましたよね?確か。

 コボルトを数百体以上と..。



「分かりましたから、次寝る時はユナさんを呼べば良いんですね。」


「なッ、ななに、言ってるの.よ。わたしは………」


 それよりも今一緒にここを離れて大丈夫なのだろうか。

 モンスターに襲撃されないとも限らない。


「他の人はどうしてますか?、流石に俺とユナさんが同時に居なくなると、危険な気がしますが。」


「それの事なら問題ないわ、貴方の部屋に居た二人以外の四人は一部屋で寝てもらって、バラノスを紹介したのち護衛を任せたわ。」



 だからバラノスが居なかったのか。

 あれ?

 俺の部屋に居たよな。

 あの子は自分でドアを開けれないはず。

 

 誰かが部屋に来て、連れて行った。

 その誰かは……・・・ユナさんしか居ないだろ。

 それで俺達が寝てるところを見たわけだ。



「何を考えてるのよ、まぁ多分大丈夫だから私も行くわよ。」


「はい。分かりました。」


 これ以上否定する必要もないので、連れてきます。


「でも、ユナさん外、かなり暗いですけど戦えます?」



「フフッ、大丈夫よ!私は夜目と言うスキルを手に入れたから。」


 よくぞ聞いてくれたッ!、みたいに元気そうに答えてくれた。


「なるほど、なら大丈夫ですね。後余り大きい声出すと皆起きちゃうので行きましょうか。」




 マユリが起きたら、俺が頑張って静かに出てきた意味が無くなってしまう。

 俺はユナさんと一緒に階段を下りてく。



 

 本当に見えてるみたいだ。

 良かった。


 夜目は暗視、程優秀なスキルでは無い。

 完全に光が無かったりしたら全然見えないのだ。


 夜目が猫の目って感じで。

 暗視が暗視ゴーグルって感じ。

 だから暗視が優秀すぎる。

 急に強い光を見たら目がくらむとか起きないし。



 

「で、これからどこに向かうんですか?トキヤさん。」


「最寄りの駅のすぐ近くにある、高いマンションに向かう予定でしたが、周りのモンスターの駆除しましょう。」


 のんびり、オークを狙撃して鬱憤を晴らす予定だった。

 それだけユナさんが居る意味がない。

 ユナさんが居るんだし、近接戦でも大丈夫だろう。

 

「そう・悪いわね、私に合わせて変更してもっらって。」


「いえいえ。」


 さてと、朝までにアイさんのレベルを15以上にはしたい。

 アイさんの経験値配分はいじれないので、他のメンバーの分配をゼロにして経験値がアイさんだけに流れるようにしてあるから、達成できるとは思ってる。



 ユナさんと一緒に周囲の散歩をする。

 と言っても、散歩の割には物騒だ。

 モンスター目線で考えたら俺達は通り魔だ。


 横を見ると包丁片手に歩くユナさん。

 本当に通り魔だよ。

 個人的には片手剣とか持ってほしい。

 似合うだろうし、包丁は戦闘用じゃないので限界が近い。

 まぁ、どうやって手に入れるかが問題だけど、スキルや職業でどうにかなるだろ、後々。

 それかモンスターから奪う。


「あ、ブラック・ウルフだ。」


 道の真ん中でゴブリンを食ってた。

 モンスターの弱肉強食か。


 そういえば、バラノスも仲間にした時ブラック・ウルフに襲われてたな。

 多分バラノスが硬すぎて困ってたんだろうけど。

 ゴブリンは一匹は弱いもんな。



「私がやるねー。」


 ユナさんが歩いて向かっていく。


「あ…逃げた。」


 ブラック・ウルフが逃走しました。


「こら!待てぇぇえええ。」


 ユナさんも走り出す。

 なんだろう飼い犬が全力で逃げて、それを飼い主が追っかけてるみたいだ...。


 まぁ、ユナさんの方が速いためすぐに追いつかれて、始末されるブラック・ウルフ。

 相手が悪かったな、ブラック・ウルフよ。


「暗い中、全力で走るのって怖いわね。」


 そりゃそうでしょ。

 走ってる先がハッキリ見えないと怖いもんだ。

 

「はしゃぐと危ないですよ。」


「何よ、子供扱いして..大丈夫よ、ちゃんと考えてるから。」


 嘘はダメですよ。

 隠そうとしてますけど、さっき転けそうになってましたよね?


「何で、何も言わないのよ…」


 挙動不審なユナさん。

 何でじっと立っておけないんですか。

 怪しさ満点。


「ユナさんはユナさんだなぁ~って思って。」


「何よそれ、当たり前じゃない。」


 当たり前だけどそれで良いんですよ。

 


 おっと、話をしてたら今度はゴブリンが2匹歩いてます。

 松明もって歩いてるから気づきやすくて助かる。


「今度は俺が―――。」


 はい。

 ユナさんは俺が喋るより早く、ゴブリンに向かっていった。


 問答無用で急接近して一匹目の首に包丁を刺すユナさん…。

 それを抜くともう一匹がユナさんに殴りかかるが最小限の回避運動で普通に避ける。

 そして、左ストレートで二匹目を殴った。

 

 ゴブリンはそれを頭部に受けた。

 首が変な方向に曲がり、地面に倒れた。


 

『めっちゃ怖い、この人怒らしたら俺の命ってやっぱり無いよね。』


「ユナさん、お疲れ様です。」


「あ、うん。ありがと。何で急にそんな硬い口調なの?」


「別に問題はありません。お気になさらず。」


 問題しかありませんよ。

 怖いからです。



「ユナさんホラ、今度はブラック・ウルフが3頭来ましたよ!。」


「私が行くのは確定なのね、まぁ別に良いけどね。」


 さっきまで確認も無いまま一人で突っ込んだじゃないですか。

 今回は何が違うと言うんですッ!。






 その後もしばらく、平和に散歩しながら会話をしてモンスターを討伐していた。

 久しぶりにユナさんと行動している気がして楽しかった。

 

 出会って間もないのに、時間が濃密過ぎる。











 

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