5.登壇前
さて、どうしよう。
今は深夜の1時ぐらいだ。
ステータスに悩んでいたら一時間も経過してたなんて。
そして未だに外からはモンスターの叫び声や、誰かの悲鳴が時々聞こえてくる。
予想だが、周りの人達の行動パターンは、大きく分けて4つだろう。
1・外のモンスターに怖気づいて、家で縮こまっているパターン。
2・避難したいが、家族に高齢者や身体が弱かったりする人が居て籠城を決めるパターン。
3・何も考えないで災害時の避難所に向かって、モンスターに襲われている馬鹿。
4・家族にラノベ大好きな人が居るなら、俺みたいにステータスを得て今後を考えているやつ。
俺の場合はこのゲームみたいな状況が楽しんだがな。
心配する、家族や恋人も居ないから気が楽だ。
何ならゲーム仲間(リア友(親友))達の安否が心配かな。
まぁ、あいつらも皆ゲーム好きだし、何とかやってるか。
俺より運動神経が悪い奴居ないしな...
なんだよ、同じ様に不登校なのに。
学生の頃、学校の陸上代表にも名前が上がるって!
チートだぁああリア充だぁあッ
泣きたい。
そんな俺は、必死にトレーニングして体力とかもつけて頑張ってたな。
話が脱線してしまった。
戻そう。
外に出るか、籠城するか。
勿論外に出る!!
その前には確認しないといけないスキルがある。
最初に目に入った時から、見なかったことにしていた。
「爆弾作成……」
何だよこの、物騒極まりないこのスキル。
やばい気配プンプンだよ、このスキル。
それでもって、スキルって怖い。
頭の中に爆弾作成を発動しようと思ったら、発動出来そうな感覚がある。
「はぁ...」
俺は諦めて、爆弾作成のスキルを発動する。
生成された爆弾が、数秒で爆発しそうな感じなら、部屋から見えるマンションの駐車場で、ボリボリ人間を食ってるゴブリン達に投げてやろう。
よし。
『爆弾作成!発動』
うっ..
精神的にぞっと疲れた。
そして勝手にステータス画面と同じ様なメニュ画面が開かれ。
手にはルービック・キューブの半分ぐらいの大きさの立方体の物があった。
ステンレス製の様な見た目と質感がある。
これが爆弾かよ…見た目、ただの四角い物だぞ。
誰が爆弾と思うだろうか。
そして表示されている画面に目を向ける。
そこには1と書かれたボタンの様なUIが表示されてた。
スキルの影響だろう何となく分かる、これを押したら爆発する…
その画面には簡易的なステータスも表示されていて、MPも表示されていた。
MP 53/103
爆弾一個で50MPがなくなりました。
うん。
この爆弾恐らくやべぇー奴だ。
一個で50MPも吸ってとか威力やばいだろ。
物凄く試したい。
「ガラガラガラガラ..」
俺は出窓の窓を開けた。
右手に持っているキューブ型の爆弾を、死体を食べているゴブリンに向かって投げた。
キューブはゴブリン達の近くに落ちると、転がって一匹のゴブリンにぶつかった。
ゴブリンはそれに気づき、手でソレを取る。
ゴブリンが興味深そうにソレを眺めている。
「ピっ!」
そんな音は鳴っていないが、声に出してボタンを押す。
その次の瞬間
小さなキューブからは想像出来ないような、爆発が巻き起こり、衝撃で窓ガラスが激しく振動し、駐車場のアスファルトを大きなわ窪みを作り煙を上げていた。
≪経験値を獲得しました≫
≪経験値を獲得しました≫
≪必要経験値に達しました。レベルが2に上がります≫
≪経験値を獲得しました≫
ゴブリン3匹はその場所から吹き飛ばされ、体の一部が無くなっていたり、残っている部分も焼け焦げていた。
「…………」
「ガラガラガラガラ」
「シャ」
窓とカーテンを動かす。
『爆弾作成、発動』
俺はもう一個爆弾を作る。
そして
寝る。
睡眠不足で頭が働いてないんだ、キット。
もの凄い音でモンスターがしばらくは集まって来るだろう。
それにMPも8しか残っていない!!
つまり外に行っても戦えない!!
よし寝よう。
「おやすみ..」
現実逃避するように俺は眠りに入ったのだった。
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