49.問
「オニィぃさぁーん、だから、ダメっ、って言ったじゃないですか…わたしをひとりに..ぅぅぅ。」
ユウカに抱きつかれてます。
まぁ生きてるから許して。
「そのオークが、ボスだったとかじゃないの?」
ユナさんに聞かれた。
「それは無い、奥にまだヤバい奴が居たのは確かだ。」
あの時出てこられてたら、死んでいただろうな、俺。
「という訳で、通常の弱いオークにも勝てない人を連れて、新宿まで向かうのは自殺行為です。」
「「「「「………」」」」」
「私達が相手にしてたオークがそんなに、弱いオークだったなんて‥‥」
確かこの子はアイちゃんです。
取り引きをした。
勿論忘れてません。
「それに、ユナさん今のこの状態を放置してここを離れるって事は間接的に、市役所は捨てるって事ですか?」
意地悪な質問をしよう。
元々ユナさんが最初に助けるって言ったのに、このままでは間違いなく死ぬだろう。
オークが居る場所は市役所から近すぎる。
今にも襲われてる可能性だってゼロじゃない。
「それは…」
「お兄さんがユナさんいじめてます。」
こらユウカ、ウルサイぞ。
これはいじめじゃない。
だから俺は人助けしないんだ。
「市役所も見捨てない。それに新宿も諦めない。 私達でオークを討伐したら、レベルも上がって新宿にも行きやすくなるし、市役所も守れる!これなら現実的でしょ!?」
まぁ確かにな。
でも勝てんのか?
あのオークに……
知らないから言えるんだ。
あれは中ボスクラス。
序盤で出てきていいモンスターではない。
「トキヤ。別にタダ働き、させようって、訳じゃないのよ?」
ほう?
「トキヤって、その……」
途中から黙ってしまった。
何を言おうとしたんだ。
「トキヤさん、トキヤさん!」
あいさんが話しかけてきた。
「この依頼の成功報酬は真優理です!それとオマケで今なら私も付いて来るよ!」
君オマケで良いの?
「ちょッ、あい、なに勝手に言ってるの。」
「え~、だってもじもじしてて全然言わないじゃない。ハッキリ言いなさいよ。私が貴方のものになりますって。」
まゆりの顔が真っ赤だ。
そしてフリーズしてる。
そもそもどうしてそんな話になったんだよ。
「お兄さん、まゆりさんは職業、委員長なんですよ。」
ユウカが耳打ちで教えてくれた。
なるほど、それは欲しいな。
チート職業だし。
でもそれなら弱すぎないか?
恐らく、Lv上げてないな。
まぁ話を聞いて。
上げれば良いか。
居るだけで戦力は上がるからいいか。
「その報酬は、達成時にならないと貰えないのか?」
「いやいやトキヤさん、今夜から私と一緒にどうぞ好きに使ってくれて構いませんよ、それにトキヤさん乗り切っすね。」
まぁ委員長は優秀だからな。
「はぁわわわ、こんやぁやや…」
ダメだ。
まゆりはオーバーヒートしてる。
「ユナさんの言ってた案のオークを殲滅してからでいいなら引き受けよう。」
「「「「やったぁああ」」」」
これは。
最初から仕組まれた話しだな。
まったく俺が寝てる間に作戦会議でもしてたのかよ。
「お兄さんに勝ちました♪」
何故か嬉しそうなユウカ。
君は無理して新宿に行く理由も無いだろうに…
「良いんです!」
また顔に出てたのだろうか。
俺が何かを言う前にユウカに言われてしまった。
「ユナさんとユウカはちゃんと話したんだよな?」
「「え?、何を?」ですか?」
「さぁ、これからオーク殲滅作戦会議を始める。お前ら楽して新宿に行けると思うなよ。」
「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」
女子皆を一斉に怯えさせる俺って…
ほぼ同時に全員が身震いをしていた。
それはやる気かな?
まぁいい。
そのまま作戦会議を始めた。
まず新宿の友人達が長生きする保証はない。
そのため明後日にはこの地域をでなければならない。
移動に1日はかかるし。
また変なモンスターの妨害を受けるかもしれない。
なるべく早く移動したい。
そのため分かっている脅威に時間は余り使いたくはない。
明日中に殲滅する。
「オークは明日でこの地域から消えてもらう。」
「「「「えええ!」」」」
「「「「……」」」」
元気が良いやつが居るな。
良いことだ。
「まず、マユリとアイさんにはこっちのパーティーメンバーになってもらう。
そしてLvを底上げする。
アイさんはその後、他の子のレベル上げに貢献。
って言ってもアイさんは朝には元のパーティーに戻るんだけどね。」
理解が出来てないみたいだけど関係ない。
どうせ朝起きる頃には、レベルが上がってる状態だ。
「次に、街の周囲のオークを優先的に倒す、周りから削って追い詰めて行こう。」
理想は、マユリ達に全てのオークを担当してもらって。
ユナさんとユウカでマッチョオーク。
俺はもう1体のオークの相手をするのが理想だ。
それに今度は俺がバラノスを連れて行こう。
近接戦や自分の爆風を防がないとヤバい。
確実に次こそ死んでしまう。
「アイちゃん達は一人、オーク200体は倒してもらうからね」
「そんな…無理ですよ。」
アイさんが否定する。
ダメだよ弱気になったら、人間頑張れば多分どうにかなる。
他の子はこの人なに言ってるんだって顔してる。
「頑張れ!」
「後は、どれだけ周りのオークを素早く減らせるかだから、皆よろしく!」
結局、分散して俺達じゃない方にマッチョにオークとかが行ったら壊滅させられる。
なるべく一緒に行動して、一人で出てくるようなら、皆でそいつを倒し。
その後にボスだ。
同時に出てきたら、俺がボスを相手するからユナさんには頑張ってもらうしかない。
それか死ぬぐらいなら無理矢理にでも勝ってもらう。
「明日は朝の5時スタートだ。解散、あっマユリは残ってね。」