表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/108

49.問



「オニィぃさぁーん、だから、ダメっ、って言ったじゃないですか…わたしをひとりに..ぅぅぅ。」


 ユウカに抱きつかれてます。

 まぁ生きてるから許して。


「そのオークが、ボスだったとかじゃないの?」


 ユナさんに聞かれた。


「それは無い、奥にまだヤバい奴が居たのは確かだ。」


 あの時出てこられてたら、死んでいただろうな、俺。


「という訳で、通常の弱いオークにも勝てない人を連れて、新宿まで向かうのは自殺行為です。」


「「「「「………」」」」」

 

「私達が相手にしてたオークがそんなに、弱いオークだったなんて‥‥」


 確かこの子はアイちゃんです。

 取り引きをした。

 勿論忘れてません。


「それに、ユナさん今のこの状態を放置してここを離れるって事は間接的に、市役所は捨てるって事ですか?」


 意地悪な質問をしよう。

 元々ユナさんが最初に助けるって言ったのに、このままでは間違いなく死ぬだろう。


 オークが居る場所は市役所から近すぎる。

 今にも襲われてる可能性だってゼロじゃない。


「それは…」


「お兄さんがユナさんいじめてます。」


 こらユウカ、ウルサイぞ。

 これはいじめじゃない。

 だから俺は人助けしないんだ。


「市役所も見捨てない。それに新宿も諦めない。  私達でオークを討伐したら、レベルも上がって新宿にも行きやすくなるし、市役所も守れる!これなら現実的でしょ!?」


 まぁ確かにな。

 でも勝てんのか?

 あのオークに……


 知らないから言えるんだ。

 あれは中ボスクラス。

 序盤で出てきていいモンスターではない。



「トキヤ。別にタダ働き、させようって、訳じゃないのよ?」


 ほう?


「トキヤって、その……」


 途中から黙ってしまった。

 何を言おうとしたんだ。


「トキヤさん、トキヤさん!」


 あいさんが話しかけてきた。


「この依頼の成功報酬は真優理(まゆり)です!それとオマケで今なら私も付いて来るよ!」


 君オマケで良いの?


「ちょッ、あい、なに勝手に言ってるの。」

「え~、だってもじもじしてて全然言わないじゃない。ハッキリ言いなさいよ。私が貴方のものになりますって。」


 まゆりの顔が真っ赤だ。

 そしてフリーズしてる。

 そもそもどうしてそんな話になったんだよ。


「お兄さん、まゆりさんは職業、委員長なんですよ。」


 

 ユウカが耳打ちで教えてくれた。

 なるほど、それは欲しいな。

 チート職業だし。


 でもそれなら弱すぎないか?

 恐らく、Lv上げてないな。

 まぁ話を聞いて。

 上げれば良いか。

 居るだけで戦力は上がるからいいか。



「その報酬は、達成時にならないと貰えないのか?」


「いやいやトキヤさん、今夜から私と一緒にどうぞ好きに使ってくれて構いませんよ、それにトキヤさん乗り切っすね。」


 まぁ委員長は優秀だからな。


「はぁわわわ、こんやぁやや…」


 ダメだ。

 まゆりはオーバーヒートしてる。



「ユナさんの言ってた案のオークを殲滅してからでいいなら引き受けよう。」


「「「「やったぁああ」」」」


 これは。

 最初から仕組まれた話しだな。


 まったく俺が寝てる間に作戦会議でもしてたのかよ。


「お兄さんに勝ちました♪」


 何故か嬉しそうなユウカ。

 君は無理して新宿に行く理由も無いだろうに…


「良いんです!」


 また顔に出てたのだろうか。

 俺が何かを言う前にユウカに言われてしまった。




「ユナさんとユウカはちゃんと話したんだよな?」


「「え?、何を?」ですか?」




「さぁ、これからオーク殲滅作戦会議を始める。お前ら楽して新宿に行けると思うなよ。」


「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」


 女子皆を一斉に怯えさせる俺って…

 ほぼ同時に全員が身震いをしていた。

 それはやる気かな?


 まぁいい。

 そのまま作戦会議を始めた。



 

 まず新宿の友人達が長生きする保証はない。

 そのため明後日にはこの地域をでなければならない。

 移動に1日はかかるし。

 また変なモンスターの妨害を受けるかもしれない。

 なるべく早く移動したい。


 そのため分かっている脅威に時間は余り使いたくはない。

 明日中に殲滅する。


「オークは明日でこの地域から消えてもらう。」


「「「「えええ!」」」」

「「「「……」」」」

 

 元気が良いやつが居るな。

 良いことだ。



「まず、マユリとアイさんにはこっちのパーティーメンバーになってもらう。

  そしてLvを底上げする。

  アイさんはその後、他の子のレベル上げに貢献。

  って言ってもアイさんは朝には元のパーティーに戻るんだけどね。」



 理解が出来てないみたいだけど関係ない。

 どうせ朝起きる頃には、レベルが上がってる状態だ。



「次に、街の周囲のオークを優先的に倒す、周りから削って追い詰めて行こう。」


 理想は、マユリ達に全てのオークを担当してもらって。

 ユナさんとユウカでマッチョオーク。

 俺はもう1体のオークの相手をするのが理想だ。


 それに今度は俺がバラノスを連れて行こう。

 近接戦や自分の爆風を防がないとヤバい。

 確実に次こそ死んでしまう。



「アイちゃん達は一人、オーク200体は倒してもらうからね」


「そんな…無理ですよ。」


 アイさんが否定する。

 ダメだよ弱気になったら、人間頑張れば多分どうにかなる。

 他の子はこの人なに言ってるんだって顔してる。


「頑張れ!」



「後は、どれだけ周りのオークを素早く減らせるかだから、皆よろしく!」


 結局、分散して俺達じゃない方にマッチョにオークとかが行ったら壊滅させられる。

 なるべく一緒に行動して、一人で出てくるようなら、皆でそいつを倒し。

 その後にボスだ。


 同時に出てきたら、俺がボスを相手するからユナさんには頑張ってもらうしかない。

 それか死ぬぐらいなら無理矢理にでも勝ってもらう。



「明日は朝の5時スタートだ。解散、あっマユリは残ってね。」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
前話で『再開を喜び合う仲ではないけど。』と出てるのに自分のものになると思うと助けるのか。割と余裕あるねこの主人公
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ