表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/108

48.二つ返事は出来ない



「ユナさん!、お兄さんが女性を沢山釣って来ましたよ!!大変です。」


 俺が部屋に入ろうとしたらユウカが出てきて、第一声がそれだった。

 どうやら俺の部屋に二人共居たらしい。


「ちょっと…トキヤさんなにナンパしてるんですか!」


 誤解です。

 俺からはしてません。


「貴方達、とりあえずわたしの部屋に行きましょ。」





 ユナさんが女性達を引き連れて、自分の部屋に入って行った。

 ユウカもそれに付いていった。


 俺は今一人。

 イヤ、バラノスと一緒だ。


 もういいや。

 知らない。

 寝よ。






――

―――

―――

―――

―――

―――

―――

―――

――





「何のようでしょうか。」


 俺は寝てたのに起こされた。

 1時間も経ってない。

 少し機嫌が悪いぞ。


 俺が一番死にかけたのに何だよ。

 酷い仕打ちだ。

 だから人助けはしたくないんだ。



 周りを見ると、助けた子も皆居た。

 倒れてた子も――


 知り合いだ…




 あまり、逢いたくはない人。




 機嫌も悪いのに最悪極まりない。

 魔法を使って倒れてたのは君だったのね。

 顔が全然見えなくて分からなかったよ。



「それでマジで何のごようですか?」


 寝させてほしい。


「お兄さん、も含めて話をしようと思いまして。」

「それにトキヤさん、ごめんなさい。少し勘違いしてたわ。」


 二人は俺をどう思ってたんだよ。


「その為に起こしたのか?明日でも良くないか?、俺死ぬほど疲れてるんだけど」


 俺は寝たいのに。

 それに実際死にかけてヤバい。

 


「その…なんでそんなになったのかも分からないし、この子達の事もあるから早めの方が良いかなって思って。」


 俺が話をする前に、女子を連れてさっさと自分の部屋に行ったよな?

 怒るぞ!

 もう。


「ユナさん、お兄さんが今までで一番怖い顔してます。」

「どうしよう、わたし何か言っちゃいけない事言ったかな..。」


 この二人、変な事でポンコツになるよな。


「もう良いよ、話を聞くよ。」


 折れよう。

 テカ骨が折れてるから痛い。




「あ"あ"ぁぁ、痛い…」


 俺は流石に女子8人が座ってるのにベットで横になってるのは居心地悪いので、ベットから降り背中をベットにつけ座ったが、痛い。

 泣きたい。


「なんだがごめんなさいね、トキヤさん。」

「お兄さん、がここまで深刻だなんて」



「そうか、そんなに思ってくれるなら君達には後日、今日の数倍は働いてもらうから気にしなくていいよ」


 二人共目を見開いて固まった。

 

「それで真優理(まゆり)はどうして、ここまで来たんだ?」


 俺に名前を呼ばれてピクッっと反応する。

 この魔法を使って倒れたのは俺の元同級生。

 最上(もがみ) 真優理(まゆり)


 数年ぶりにあったな。

 再開を喜び合う仲ではないけど。




「私達が避難していた学校は、ゴブリンと犬の、ブラック・ウルフ?、が沢山攻めてきて壊滅したの。それで、私達のメンバーはどうにか逃げれて目的地に向かう途中に、ここを通ったら沢山のモンスター、とも遭遇して、オークと戦ってたらトキヤが助けてくれたの..。」


 久しぶりに話したけど、相変わらずハキハキとはしてないな。

 どこか眠そうに感じる声。


「そうか。それで目的地はどこなんだ?」


「新宿から東に数キロ程の場所にある大学。」


 不可能だ。

 君、学力は全国レベルで良かったはずだが、頭はまわらなくなったのか?

 そんな人口密集地の東京の中心部を目指すって危険だろ。


「行く目的は?、殆ど自殺行為だぞ。」


 俺は断言する。

 行けば死ぬだろう。

 普通のオークであれだぞ?


 人口が密集してるって事は、モンスターが人を沢山殺してLvが高いって事だ。

 この辺のモンスターよりも強いと過程しないと話にならない。



「その避難場所の大学に、私達の友人や家族が居るの、元々このメンバーは、向こうの大学にも知り合いが居て、何だかんだで仲良くなった、メンバーなの。」



 なるほど。

 良いですなぁ、楽しそうですよ。

 大学生活。 

 お互いの大学で交流とかもあったりしたのかな?

 俺には大学生活があまり想像出来ないな。



「まだ居るって情報は確定なんですか?」


 

「ハルの職業が占い師でね。居場所を占ったらのそしたら反応がそこから。」


 どう占ったのか分からないが。

 地図でも広げて水滴でも垂らしたのか?

 てかそれって生きてるか判断出来るか聞きたい。

 無神経だろうか?。


「それでね、トキヤさん、私も占ってもらったんだけど私の弟もそこに……」


 マジですか、ユナさんよ。

 今俺、生死を聞こうとしてたよ。

 聞かなくて良かった?

 イヤ聞いてたほうが良かったかもな。


「それで?要件をハッキリと口から言ってみろ。」



「「「「「「「私達をその場所まで連れてってください。」」」」」」」


 ユウカ以外の全員がそう言った。

 ユウカは――

 後ででいいや。


 何だよこの面倒いお願いは。

 即答で答えろなら、無理、いやだ、却下。

 って言葉しか出てこないぞ。


「お兄さん、顔に出てます。」


 

 いつも指摘してくれてありがとな。

 それよりも実際問題無理だ。


 Lvが上がって人間離れしたように思えるがそれは、元の地球人と比べたらだ。

 モンスターを基準に考えたら、俺達はまだまだ初心者だ。

 俺がまともに戦闘して勝てないだろうモンスターが、この地域だけでも4体居る。


 それなのに東京の中心部に?

 無理だろ。

 せめて、今日会ったあのオークを余裕で倒せないと無理だ。

 


「行けると本気で思ってるのか?、そのが叶うとしたら東京の都心部にモンスターが居ない事が絶対条件になるぞ?」


「どうにかならないの?」


「どうにかなるわけない!……すまん。」


 眠いし、無謀すぎるからつい強く言ってしまった。


「先に、今日俺が見てきたのを話そう。」


 俺は順番よく、丁寧に話した。

 ほぼ全て。



 


 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ