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47.敵



「いてぇ~よ。全身麻酔してほしい・」


 俺は歩き、歩き何とかオークから逃げた。

 そこでMPが尽き。

 視覚遮断も解除され。

 俺は小さな公園の茂みに隠れている。


 この公園は少しの遊具とトイレしかない。

 教室4個ぶんぐらいだろうか。

 小さい方だ。



 HPはとっくにMAXだ。

 それもそうか。

 もう日が沈みかかってる。


 左腕がやっと動かせるようになったと思ったら、今度は全身。

 災難な日だよ。





「はぁはぁ、走って皆!!急いで!」


 女性の声が聞こえて来る。

 それから数人の足音。


 それとオークの豚のような醜い声。

 

『あぁぁぁ、イライラしてきた。』


 俺は今オークに殺意しかない。


「いやぁあ…」

「こっち来んじゃないわよ豚!」


 豚ってハッキリ言う子が混じってるな。

 てか見た感じ皆女性だ。

 5人?いや6人だ。

 背の小さい子を数え忘れたらユウカに怒られそうだ。



 それを追う、オークは全部で7。

 全てノーマルオークだ。


 黒くないしマッチョでもない。


 

 不利だな。

 数でも負けてるのに一対一でも勝てるか怪しい子ばかりだ。


 長い棒を持ってる子がオークの頭を突くけど、オークにそれを掴まれ振り払われる。

 その子は棒を手放さず、横に振り飛ばされる。

 小学生と成人男性並の力差だな。


 他の子がファイヤボールを使った。

 

 オークに命中して1体はそれでも燃え苦しんでるが、魔法を放った子はもう限界なのだろ。

 膝から落ち、地面に手をつく。


 他の子も包丁やナタみたいなものを持ってるが、踏み込めていない。

 全滅するな。


「いやだ、死にたくないょぉ。」

「弱気になったらダメ!」

「そんなこと言ったって…。」

「「「…………」」」


 他の皆も分かってるのだろう。

 このままだは死ぬと。


 俺はボランティアはしない。

 今は身体中痛くて動きたくもないし。



 だが今はオークに苛ついている。

 君達、運がいいよ。


 俺は茂みからゆっくりと出ていく。

 最初にオークが気づき。

 女性達も俺の事に気づく。


「助けてください。」「おねがいします」


 女性達からそんな声が聞こえる。



「オオオオオ!!!!」


 オークの1体が俺に向かって突っ込んでくる。

 今日はもうその叫びも聞きたくないんだよ。


「黙って死ね」


 俺はオークの首を素手で掴み上げ、オークの身体が宙に浮く。

 女性達はありえないみたいな顔をしているが、これがステータスです。


 そのまま握り潰す。


「まず1体。」


 次に2体のオークが攻撃してきたので攻撃を避け、手刀で首をへし折る。


「残り3体。」


 ファイヤボールを食らったオークは死んでた。

 そこで地面に倒れてる君は偉いよ。

 頑張った。



 更に2体を倒したら、ラストの1体が走って逃げ出した。

 そんな事が許されると思ってるのか?

 あッ!?


「死ねよ。」


 俺はオークが持ってたナタを思いっきり投げ。

 逃げてたオークの頭部にナタが食い込み、倒れる。


 死んだようだ、アナウンスが聞こえてくる。


 さてとこの子達どうしようかな。



「じゃ次は助けて貰えるとは限らないから、安全が第一で行動しなよ。それじゃ」


 面倒いので放置します。

 結果的に助かったんだからこれでいいでしょう。

 公園から離れるように歩き出す。



「待ってください!!!」


 

 呼び止められてしまった。

 

「なに?」

 

 引き離すように暗く言う。


「……あの~私達こんや寝泊まりする場所も決まってなくて…その、、、」


 何だよ。

 まさか俺の家まで案内しろってか?


「突然すいません。貴方が今生活している場所はここの近くでしょうか。」


 それ最初に聞くことだよね。

 焦り過ぎなのでは?


「そうだけど何?」


 帰りたい。

 俺は全身ズタボロ何だぞ。

 俺の服装みてわからないのか?

 焦げてるよ。

 ボロボロだよ。


「私が夜の相手でもなんでもするので他の子の安全を一晩だけ、お願いできませんか。」


「ちょっと、あい何言ってるのよ。」

「そうよ、あいちゃん、ちょっと落ち着いて考えましょうよ。」


「皆もう、夜になるのよ。それに…」

 

 倒れた子二人を見ている。四人。


「どこかの家に入ったって夜の見張り番が居ても居なくても、私達の今の状態じゃ戦えないわよ。」


 他の3人は黙り込む。


「なら、わたしも――」

「ダメよ、一人で良いって言ってくれるなら一人で良いのよ。ダメだったらお願い。」


 小言で話してるけど聞こえてるよ?

 長時間大きな音でも聞いてたのかな。

 自分達が話してる声の音量を把握出来てない感じだ。


「それで、先程の条件でお願いできないでしょうか?」


 この子、凄いこと言うよね。

 自分を犠牲にして仲間のためってか。

 俺は結果的に自分が悪人だろうと皆が良ければ良い方に行動したりするが、こんなに堂々と表立っては行動したことは少ないな。

 まぁ過去の話だけど。



「その条件でいいよ。 でも悪いけど俺も今は左腕に痛みがあってね、その倒れてる子達は君等で運んでくれ。 俺の家に着いたらこの地域では一番の安全性は保証できるよ。」


 事実である。

 狂気のユナさん。

 串刺しのユウカ。


 爆弾魔の俺。


 普通に考えたらやばいメンバーが居るからな。

 それに部屋なら俺とユナさんの部屋以外の3階の部屋が4室空いてる。

 しかも階段に一番近いのが俺とユナさんの部屋だから安全性も高いだろ。

 まぁ2部屋でまとまってもらうけど。

 部屋が多すぎだら守れない。



「ありがとうございます。皆移動するわよ。」


 この女性は頭を下げ、移動する準備を始めた。

 倒れてる子を二人で一人を支えている。

 つまり皆手が塞がっている。

 戦闘は俺任せか。


 まぁ良いけどさ。


 この子達の速度に合わせて、移動する。

 出てきたモンスターは捻り潰す。


 20分程歩いたら俺の家に着いた。

 疲れた。

 もう休みたい……








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