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44.


 凄い数だな。

 二人が立ってた場所は2階部分だ。

 下は車やバスが走ったりする道路がある。


 その道路から積み上げられたコボルトの死体の山が結果的に二人よりも高い位置に達している。

 その山が複数。


 千は普通に超えてるな。


「ユウカちゃん、トキヤさんが戻ってきたらどうしよう…流石に。」

「ええ、何か仕返ししたいですよね、私達に2時間もずっと戦わせるなんて…」


 2時間経ってたのか。

 それにしても今俺は君達の目の前に居るんだけどな。

 見えてないから気づいてないや。


「わたし達がなにしたって言ううのよ、正座でもさせて数時間たっぷり説教しても気がすまないわ。」

「そうですよ、これは代わりにゴブリンの巣を攻撃する時は一人でやってもらうなり、なにかしてもらいたいです。」


 ほうほう。


「バラノスちゃんに頼んで閉じ込めてもらいましょうよ!」

「良いわねそれ、反省するまで二人して無視するのも楽しそうね♪」


「良いですよ、ユナさんそれ。」

「そうでしょ。」


「ユウカちゃん、他に何かいい案ない?」


「え~と……そうですねぇ..、わたし達二人でくっついて一緒に寝るなんてどうでしよう。」

「それだと、ご褒美じゃない。ダメよもっとちゃんと懲らしめないと!。」


「でもでも、わたしは…それがいい..かなぁ~って。思ってますよ?」

「ユウカちゃん、どうしたのよそんなに片言で、顔色も悪いわよ?」


「…………・・・」


「ユウカ、ちゃん・・・わたしたち、おわった..?」

「はいぃぃぃぃ。」


 ユナさんが後ろを振り向いて俺と目が合う。

 めっちゃ至近距離。

 そしてユウカは半泣き状態。


「ユ~ナ、さん♪まだまだ元気いっぱいですね。」


「トキヤさん、いついらしたんですか。直ぐに声をかけてくれてよかったのに…」


「ユウカちゃんが、何か仕返ししたいですよね、と言った時からは居ましたよ?」


 ユウカの顔色は悪化して、今にも倒れそう。


「二人がそんなに、ゴブリンの殲滅をしたいって思ってるなんて僕、全然気づけませんでした。ごめんなさい。って事で今から行きます???」


 二人して首が左右に動く。


「そんなに行きたいんですか!?僕ビックリです。」


「ちがう。」

「違いますぅぅ。お兄さん許して~」


「二人共、目を瞑りなさい。 早くッ!」


 二人が目を閉じたのを確認してアイテムボックスから飲み物を取り出す。


「「冷たッ!」」


「キンキンに冷えてる、飲み物だよ、上げる、お疲れさん。」


「それじゃあ、怒ってないのね。良かったぁ~」

「お兄さんも、怒ってないなら早く言ってくださいよぉ~」


「え?」


「「え?」」


 こういう時はニッコリと笑うのが常識だ。


「「ひぃぃ」」



 宝石で思い出したけど。

 こいつらモンスターは魔石を持ってるんだった。

 体内にあるから取り出さないといけないけど。


 最初は、余裕があれば取ってた。

 でも最近はマンションを爆破したり、スナイパーで仕留めたりと。

 取り出せていなかった。


 このコボルトから取るか。



「二人共、一つ聞いていい?」


「「何でしょうか」」


 仲良しだな。


「このコボルト達の魔石は?」


「「………」」


「魔石は?」


「「――――――」」


「そうですか、取ってませんよね。」


「なら、取りましょうか♪!」


「「いやぁぁぁああああああああ」」


 街に女子二人の悲鳴が響く。

 これでもコボルトが来ないってホントに絶滅でもしたか?

 それは有り難いけど。


「さぁ、さっさとやるぞ。二人で競ってもらって魔石の数が少ない方には罰を与える。」


「そんな!、罰ってどんな内容なのよ。」

「そうですよ、内容ぐらい教えてくださいよ!」


「仕方ない、なら教えてやろう。  内容は君達が学校で使ってた水着を夜、家に帰るまで着てもらう。」


「「いやぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ」」


 さっきより、断然大きい声が出てくる。


「なんでまず、そんな物トキヤさんが持っ――」

「あッ。」


「二人共思い出した?君達が自分で俺に部屋の服を全て収納するように頼んだよね?だから持ってるよ。」


「「わたしはなんてことを」」


「さぁ、開始!後ついでに俺よりも少ない人は罰が増えるから」


 二人はもの凄い速度で走って、死体に飛びついた。

 魔石を取り出しに。


 さて、俺も働きましょう。

 と言っても触れて、収納。

 アイテムボックス内で魔石と死体を分解。


 

 死体はゴブリンかオークとかモンスターをおびき寄せる、罠につかう。

 だから俺は触るだけで、魔石ゲットさ。

 山が崩れて来て俺の手に触れたものからアイテムボックスに入っていく。

 そして分解。



 おいッ!。

 収納出来ないやつが居る。

 こいつまだ生きてるよ。


 バン。

 軽く殴る。

 バイバイ。


 そのまま収納~


 収納、収納、収納、分解、収納、収納、収納~




 俺の方はだいたい終わった。

 チートとはこの事を言うのだよ。


 二人はお互いに良い勝負をしていた。

 

 ユナさんは力と速度任せに、取り出し。


 ユウカは矢を空中に作り、前後に動かし。

 矢が綺麗にゴブリンの魔石に当たるように操作して魔石を突き落として居た。

 

 死んでからも素手で魔石を取られるか。

 矢を突き刺されて取られるか。

 コボルトには平穏はないようだ。



 20分程で二人は魔石を取り終えた。

 その結果。

 ユウカが負けた。


「待って、わたしも負けで良いから罰の内容をもう少し優しいのにして頂戴。」


 ユナさんが犠牲になりに来た。


「そんな…ユナさん。」


「良いのよ、ユウカちゃん。」


 さてどうしようか。

 元々半分は冗談だったし。


「ん~ん、保留にします。それよりビルの屋上から周りを見渡しのですが、学校で立て籠もってる所が何箇所かありました。」


「ほんと!?」


「嘘ついてどうするんですか。ホントです。」


「どうするのつもりなの?」


 困るんだよな。

 これ以上関わっても良いことはない。


「この辺のコボルトを始末した、それだけでも結果的に助けられてるでしょう。それにこれで死ぬならこの先ずっと面倒を見るんですか?出来ませんよね?ならこれで十分です、コボルトが同時に数百体も来ない、これだけで俺なら喜びますよ。」


「そう、よね…ずっと面倒をみるって無理だもんね。」


「ユウカはそれで良いか?」


「わたしは元々、そんなに出来てる人じゃないので、私とお二人の安全が第一です。構いません。」


「ありがとな。」




 フロアに会社が入ってるビルからは人の反応が感じられる。

 恐らく外にそろそろ出てくる。


 備蓄がヤバい状況でコボルトが突然減った。

 多分、会社に籠もってる人達は出てくる。

 学校の方は、人数が居るなら平民の職業を上手く使えたら大丈夫だろう。

 後は勝手にどうぞって感じだ。


「行くぞ。」




 

 

 







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