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24.



「ト、トキヤさん。わたしは、いいつまでこの場所に居れば、、。」


 よく見ると。

 いやよく見なくても分かるぐらい。

 ユナさんは茹でダコ状態だった。


 最初に抱きついてきたのは君なんだけどな。

 足音も聞こえて来たし。

 ユナさんには椅子に座り直してもらう。


 満足満足。


 

「もぉぉ、トキヤさん、顔がニコニコしてますよ。全くぅ…」


 その良く分からない、顔しないでくださいよ。

 フグですか?

 可愛いとしか思えません。

 何気に俺もやばいかもしれません。


「失礼します。」


 丁寧にノックして入ってくる。

 福田さん。

 

「お二人とも少しはゆっくり出来ましたか?」


「おかげでゆっくり出来ました。本当に感謝してます。」


 ユナさんにジト目で見られてるのは触れないでおこう。


「それは良かったです。」


「福田さんの方の逃げ延びてきた方々の情報を聞いてもいいですか?」


「構いません。それよりも聞いていただきたいです。」


 今からやっぱその話無し!!。

 って言いたい。

 

「実は――  」


 聞かなければ良かった。

 面倒くさいし。

 不可能な話だ。


 

 簡単に手短く言うとこうだ。

 逃げてきた人達は元々、中等部、高等部の体育館及び校舎に居た。

 それでゴブリンが高→中→小の順番に攻め始めた。

 数人が逃げながら中や小に報告をし、そのままその体育館で一緒に籠城した。

 また何人かは校舎に少人数で隠れ。

 その生き残りだ今、初等部の体育館に来ている。


 そしてゴブリン達は制圧した後に人々をどこかに連れ去ったとのこと。

 数人の生き残り連中が今ならまだ生きているかも!

 と言い出したそうで、めっちゃ強い俺達にも協力してほしいと。


「無理ですね。」


「そん―……・」

 ユナさんが途中で言うのをやめた。


「そうですよね、元々我々は助けて頂いけただけでも感謝しかないのに、要求されることはあっても、することは間違っていると私も分かってます。無理言ってすいません。」


「断った理由が幾つかあるのですが。そちらの問題としてゴブリンに連れ去られた人を助けると言っても、まず守れなかったから連れて行かれたって事を生き残っている人、全員で認識してください。」


「守れもしないのに、奇跡的に助け出せてもまた連れ去られるのが目に見えてます。」

「次にただ単に攻めて、皆殺しにするのと救助対象が居るのとでは難易度が違いすぎます。」


「おっしゃる通りです。面目ない。」


「いえ、福田さんが責任を全て背負ってもあまり意味ないので、そんなに謝らないでください。」

「これはアドバイスになりますが、小学生だろうと職業を聞いて職に就いてもらうべきです。

  性別年齢はこの際関係ありません。

  本当に動けなかったり一部の人には市民にでもなってもらいましょうよ。

  市民は確か支給品のスキルがあると思います。

  その他は戦闘しないと多分次攻撃があったら耐えれませんから戦ってもらうのが一番です。」


「戦わないのは、満足に身体を動かせない高齢者と状況を理解できない小学生だけって事ですね?」

「そうです。

  この体育館にゴブリンが入ってた時に戦ってたのは30人ぐらいでしたか?

  まぁそれぐらいだったと記憶してます。

  それに比べ子供や高齢者と一緒に固まってる人達があまりにも多すぎる。

  そんな方達も助ける対象になってたら、本当に切りがありません。」


「伊東さん、少しは手加減してくださいよ。正しい事過ぎて耳が痛いです。」


「すいません、つい。流石に子供は助ける気ありましたが大の大人が一緒にビビってた光景にムカつきまました。」


「ねぇ、トキヤさん。これから私達はどうするの?」

「ん~ん。」


 自分達の答えが無い時は福田さん達のこれからを先に聞こう。

 とは言っても俺は爆弾が手持ちにゼロだから戦うのは無しって決まってるけど。


「福田さん達はこれから、どうするんですか?」


「このままここで籠城しようって意見が出たんですが、またゴブリンが大群で来るかもしれないじゃないか!違う場所に移動しようと言い出す人が居て。意見が割れていますがこのままでは移動になるかと」


 うわぁ、絶対移動って言ってる人、高確率で外で戦ったことないやろ。

 この人数で移動?

 それこそ子供と高齢者以外が全員戦わないと移動中、ゴブリン数匹に遭遇しただけで壊滅するぞ。


「行き先までは提供出来ませんが、情報として。 ここから東に2~3キロの地点ならモンスターが今は少ないですよ。今はです。」


「何故モンスターが少ないんでしょうか」


「俺がその辺で初日からゴブリン狩りまくってるからです。」


「ンッ、なるほど。」


 他にも死神さんとかの情報やオークが居るであろう話もしといた。


「情報ありがとうございます。お二人はまだ、世界にモンスターが出現してから二日目なのにだいぶ外で活動されているのですね。その強さにも納得です。」


「いえいえ、私は違いますよ。初日なんてゴブリン一匹に逃げて負けましたから。トキヤさんがおかしいだけです。」


 なんだと、ユナさんにおかしい人判定された。

 君も隨分おかしいと俺は思うがね。


「まぁ、そんな感じです。

  結局福田さん達は救助・籠城・移動するにしてもまずは全体のレベル上げです。」


 あれ、てか今の所は初期のSTP値って25はあるよな?

 それだけあればゴブリン相手なら負けないんじゃ..。


「ユナさん、今回の戦いでゴブリンから攻撃受けました?」


「勿論受けたわよ!!かなり痛かった…HPは10減ってないのに。」


 どのタイミングで受けたのか分からないが、VITが20~30以内なのはほぼ確定だ。

 それで10HPしか減っていなかった。

 なら。

 小学生にVIT極振りさせれば移動は出来るんじゃないだろうか。


「福田さん。戦闘してない人達ってステータスのポイントって振ってるんですか?」


「いや、大半の人が振ってないはずだ。」


 ステータスの恩恵をしらないな。


「福田さん。いい方法思いつきました。」


「トキヤさんがめっちゃ悪い顔してるよ..。」




 













 

 


 


 

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