2.ステータスが単純じゃなかった…
イトウ トキヤ Lv1
HP :25
MP :10
STR :0
VIT :0
AGI :0
DEX :0
INT :0
RES :0
『ポイント』
STP :25
JP :5
SP :5
PSP :10
職業【 】
固有能力:無し
スキル :無し
パッシブスキル :無し
「…………」
誰だ、このステータス作った奴。
これあれだ、ステ振り間違えたら詰むゲームだ。
あっ、ゲームじゃないのか。
ついつい、ゲームと現実が混ざってしまう。
まずは上から確認して行くか。
まず名前とLv表記があるな。
名前はがカタカナ表記か。
次に、HP・MPかぁ~って!MP10ってほぼ無いやん。
その下がSTR。
これって、確か物理攻撃類のやつだよな。
最近この手のステータス表記見なかったから、あやふやだ。
「ぉ」
ゲームみたいに説明が出てきた。
STRと表記されている文字を長押ししていたら、親切に説明文が出てきましたよ。
何々…
STR :物理攻撃に影響する。
VIT :HPの最大値や防御力に影響する。
AGI :移動速度に影響する。
DEX :器用さや、魔法のクールタイムにも影響する。
INT :魔法攻撃力に影響する。
RES :魔法防御力や回復魔法など一部魔法の威力に影響する。
『ポイント』
STP :ステータスポイント・STR、VIT..などに振り分けて使用。
JP :ジョブポイント・職業の獲得、変更、Lv上げに使用。
SP :スキルポイント・スキルの獲得、Lv上げに使用。
PSP :パッシブスキルポイント・パッシブスキルの獲得、Lv上げに使用。
「やっぱりステ振り間違えたらアウトだな」
次は職業だな。
空白の職業欄を押してみる。
≪―職業を選択してください―≫
頭に直接声が聞こえてくる。
女の人の声だ。
そしてステータス画面の表示が変わった。
<市民、無職、自宅警備員、ゲーマー、コレクター、密偵、工作員、助手、運び屋>
何だろうこの職業欄…見てて辛い。
俺の人生を物語ってる。
てか、無職が職業って何だよそれ。
いや市民も違うけどさぁ。
まぁ、ラノベだと平民が職業にあるから別に良いけどさ。
あと密偵と工作員って、あれか。
子供の頃、仲間内で悪巧みっポイ事してたせいか?
まぁ、未成年だったけどグレーゾーンだったしな。
田舎の暇つぶしにはなったけど。
助手は……実家に居た時に親の仕事を色々手伝ったせいか。
たしかに色んな種類の仕事を助手みたいに手伝ったけどよ、まぁ雑用と言ったほうが正しいのかもしれんが。
運び屋………これはあれだな前の会社の...
これだけは絶対に選ばん。
今すぐ項目から消えてくれても構わん。
消えろ。
さて、この中から職業を選ぶのか。
どうしよう。
無職が凄く気になる。
俺は馬鹿なのかって?
いやそうでは無いが地雷職選んでみたいやんな。
「あっ」
職業【市民】
説明文出せるか長押ししたら、俺は市民になってしまった。
JP :5→4
「はぁああああああああ!!!」
確認も無いくせにコイツポイントを奪いやがった。
ちょっ!
やめてくれッ
あぁ~もういやや。
辛い。
「うわぁああああああ!」「きぁあああああ」「助けてくれー」「ギィギィgギィギギg」
「誰かぁああ」「ウォォオオオオオオッ」「ギィ!」
俺が一人で萎えていたら、喉が壊れそうな叫び声や不快な音が外から聞こえてきた。
あ~あ、地震の後にバカでかい声でオークが叫んだのに、避難所に避難しようとしたのか。
何を考えているのやら。
それに今、他のモンスターの声も聞こえなかったか?
俺は、もう一度外を覗く。
住宅街を俯瞰して見る。
さっきより状況は悪化していて、数カ所で煙が上がったり、サイレンの音が鳴り響き、至る所で人とそれ以外の生物が動き回っていた。
そして俺は見つけた。
緑色の肌をして小学生ぐらいの体格で、ボロボロの腰布を身に着け。
手には小さな棍棒を持っている。
スライム並の定番、モンスターゴブリンだ。
「ふむ」
雑魚モンスター発見。
最初から俺の家の周りにオークしか居ない環境だったら、俺は恐らく負けてた。
オークは作品によっては、なかなか上位モンスターだったりする事があるからな。
一安心だ。
そして、リュックなど大荷物を持つ人や、何も持っていなさそうな身軽な人など関係なく、ゴブリンやオークに攻撃されていた。
勿論助けに今すぐ行ったりはしないさ。
今外は人とモンスターが大勢いる。
そんな中から、人一人を助けていたらきりがない。
目の前の人を助けたら、数メートル先にもまた別の人が襲われている。
そんな悲惨場所に俺が行っても出来る事なんてたかが知れている。
「あっ」
オークの攻撃で人の頭がふっ―――
もういいか。
カーテンを閉め、またステータスを開いて考える。
まず他人を助ける以前に俺の職業、市民をどうにかしないと…
職業【市民】
凄い存在感がある。
よく見たら、スキル欄にスキルが増えていた。
スキル
・支給品(水) ・支給品(食料) ・納付者
ほぉ、これまた便利なスキルですなぁ。
何々……
支給品(水) :1日に一回、水500mlのペットボトルを受け取れる。
支給品(食料):1日に一回、保存食500gを受け取れる。
納付者 :1日に一回、魔石を納付する。納付しない場合、他の市民スキルの効果は発動しない。
なんて破格の効果だ!。
まぁイラんけど。
てか結局、モンスターと戦わないとダメじゃねぇーかよ。
あ、他の人と食料とかと交換すれば良いのか。
子供やお年寄りには有り難い、職業なのかもな。
でも、これは俺向きじゃない俺は他のが良いんだ。
もう一回職業欄をダメ元で押してみる。
≪―職業を選択してください―≫
<無職、自宅警備員、ゲーマー、コレクター、密偵、工作員、助手、運び屋>
「おぉおおおおおおおおおお」
大丈夫そうだぞ。
しかも市民が表示されてないから、ちゃんと変更出来そうな感じがする。
よしそれでどれにしようか。
「ん……」
よし、これに決めた。
≪―職業を『工作員』に変更します。必要JPは1ポイントです。変更しますか?―≫
またポイントを奪われるのか…
背に腹は代えられないか。
俺は『します』を選択する。
≪職業が『工作員』になりました、ステータスが上昇します、スキルを獲得しました。≫
≪地球で最初の職業変更を確認しました。職業変更権限を与えます。≫
へぇ?
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