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19.


 50分ほど休憩して今は二人で外を歩いてる。

 朝の8時。

 50分で普通爆弾を2個作れて、今は9個も所持している。

 

 これで多少は強敵が来てもどうにかなるだろう。

 最悪、走って逃げる。

 ユナさんとのAGIの差は4。

 俺が少し爆弾をポイポイ投げながら走ってたら良いぐらいの速度だろう。

 俺が囮をして。

 一人になったら潜伏で隠れるとかも出来る。


 

「ユナさん、ゴブリンが次の曲がり角を右に曲がったら居ますよ」


「え、嘘分かるの!?。私もそのスキルほしい~。」


「言っても渡せませんよ。それよりも頑張ってくださいね。」


「え!、トキヤさんは、手伝ってくれないんですか。」


 微妙に上目遣いで見つめてくるのはずるい。


「何言ってるんですか、一匹の時に倒さないと慣れませんよ。 それに昨日はLv1で戦おうとしてたじゃないですか、今はLv5もありますからきっと勝てますよ。」


「うぅ~。」


 可愛い。

 でもここで甘やかしたらパワーレベリングになってしまいそうで怖い。

 初心者が楽して強くなったら、力相応の知識と経験が無く。

 役に立たない、ただステータスがあるプレイヤーの完成だからな。

 俺はそんな人は求めていない。


「ほら、頑張ってくだい。」


「がんばります。」


 大丈夫だろう。

 短剣術Lv4もあるため、包丁を両手で持ってビクビクしてるなんて事はない。

 なんだかんだ言ってもスキルの効果は本物だ。


 ユナさんが先に曲がり角を曲がる。

 これはゴブリンのターゲットをユナさんに確定させるためだ。


 俺は少し遅れて、角を曲がる。

 

「………」


 終わってました。

 

 ゴブリンは首から血を流し。


 ユナさんは包丁を持ってた右手は大きく横に伸ばしきった状態で、腰は少し落としていた。


 恐らく踏み込んで、首を一振りで斬ったのでしょう。

 何この子やれば出来る、怖い子じゃん。



「あ、トキヤさん、わたし倒しました。倒せましたよ♪」


 めっちゃ笑顔。

 可愛い。

 だけど怖いよ。

 やばい人確定かもしれない。



「ナイスです、ユナさん.。」


「はい!」



 僕はどうしすれば良いのでしょうか、神様。



≪経験値を獲得しました。≫


≪告。その子を頼みました、トキヤさん。≫



『えぇええええええ』

 なんか経験値、獲得のアナウンスだけだと思ってたのにいきなり、頼まれたんですが!?。


 え?、何この子、アナウンスさんと仲いいの?

 ダメだ全くわからん。


 それに居なくなった。

 

 っと思う。


 急に来て、急に居なくなる…・



「どうかしました?」


「いえ、ちょっと考え事をしてただけです。」

 

 貴方の事でめっちゃ考えさせられてるんですよ!

 もう、いいや。

 なるようになるだろう。


「それじゃ、次探しに行こうか。」

「はい。」


 良い返事だ。

 さっきまでの君はどこに行ったの?

 戻ってきてほしいかも。



 二人で昨日行った、コンビニに向かって歩き出す。

 アイテムボックスのレベルも家を出る時に上げてある。

 今はLv3だ。

 恐らく後1店舗文ぐらいなら全部入ると思う。


「トキヤさんは昨日、一回は行ってるんですよね?、また行くんですか?」


「昨日行ったけど、片方のコンビニにしか入ってないからね。それに行かないで良いの?ユナさんも居たら食料が全然足りませんよ。」


「わたしそんなに、大食いじゃ、ありません!むぅ~」


 ユナさんがどんどん幼くなってる。

 会社のストレスとか、人間関係で相当猫してて色々あったのかもしれないな。

 今どき猫じゃないと生きていけないからな。


 俺ももう少し猫で会社に勤めていたら変わったのだろうか。


 ないな。

 そんな事してまであの会社には居たくない。

 首にしてくれてありがとよ。

 なんならゴブリンに食われててくれ。


 ゴブリンを殺しすぎたし、ゴブリンに餌として差し出すのも良いかもな。


「トキヤさん、顔が悪い顔になってますよ。」


「おっ、すいません。ちょっとね。」


 ユナさんが少し警戒してる。

 そしていつの間にか人格がもとに戻ってる。

 また戦闘してあの状態になったら、戦闘狂だな。


 

「そろそろ、着きますね」


「そうですね。モンスター居ないと良いんですが。」


 おかえり、普通のユナさん。

 あれ?こっちが普通と言うは早いだろうか。

 戦闘時のが素なのかもしれない。


 これはゆっくりと確認していかねば。



 コンビニに着いた。

 昨日、強盗に入ったコンビニだ。

 おっと、違う違う。

 俺は強盗じゃない。

 ゴブリンに荒らされる前に仕方ないから俺がもらったんだ。

 無罪を主張します。


 俺達がもぬけの殻のコンビニに来てる理由は一つ。

 向かいのコンビニに人が居るからだ。

 男性が5~7人程。

 

 一人だけ印象が強いから覚えている。

 小学校で防衛をしていた。

 スキンヘッドの人だ。

 って事はあの人達は小学校の調達隊って事か?

 でも小学校には災害用の備蓄倉庫があるだろ!何千食か入ってるはずだ。

 お前達が此処からそれを持って行ったら、自宅に籠もってる連中はどこから食料を調達するんだよ..。


「ねぇ、トキヤさん普通に近づいて私達も品物を手に入れましょうよ」


 この子気が強いぞ。

 当たり前の事は堂々とハッキリやる人だ。

 委員長ってそんなだっけ?


「あの人達が俺達に素直に物を渡すとは思えないんですが。」


「わたしにまかせなさい!」


 ユナさんは自信満々で目の前のコンビニに向かって歩いていった。





「誰だお前!そこで止まれ!!!」

 

 言わんこっちゃない。

 見るからに可愛い女性に対しても、高圧的な態度。

 

「すいません。私達もコンビニに入って物を取りたいんですけど。」


「ダメだ。ここは俺達の場所だ、他の所に行け。」


「なんで貴方がそんな事を決めるんですか?、そんな権限ありませんよね?、私達は穏便に済ませようとしてるのにそんな高圧的な態度でナンデスか?争うんですか?、ちゃんと自分の発言には責任持てるんですよね?、貴方の勝手な発言で貴方が所属しているグループの総意と受け取り、私達のグループと物資の奪い合いになっても良いという事ですよね?」


「もう一度だけ言いますよ?、私達も中に入って物を取りますが良いですよね?」


「いや、ちょッ、俺…。」


 ユナさんが20代前半ぐらいの男性を言いくるめてる。

 と言うより言葉の暴力を振るっている。

 ちゃんとMPも減って。

 つまり説得のスキルも使用中なのだろう。

 恐ろしい。


 俺はこの手の女性が苦手だ。

 早口で正しい事と、自分の考えを混ぜ話してくる。

 冷静になって落ち着いて聞いていると、ユナさんも軽く脅してるような感じだもんな。

 私達のグループなんて言っても、二人だもん。



「おい、どうした。騒いだらモンスターが来るかもしれないじゃないか。」


 中からスキンヘッドの人が出てきた。


「あっ、田中さん。実はこの人達が中に入って、自分達も物を取りたいって言ってて。」


 なるほど、スキンヘッドの人は田中さんと言うのか。

 覚えておこう。

 覚えやすいし。


「むっ?なんだ、なら別に構わん。この二人も食べないと生きてはいけないから当たり前じゃないか。」


 めっちゃ良い人だった。


「ありがとうございます。私達も食料が無くて困っていたんです。」


「そうか。だが全部は持っていかないでくれ、頼む。」


 田中さんが頭を下げた。


「俺達が居る。小学校には大人、子供、年寄含め。138人の避難者が居る。備蓄倉庫にも食料はあるがこの人数だ。油断したら直ぐになくなり最悪の場合、暴動が起きかねない。」


 備蓄倉庫って確か、数千食入ってたよな?

 最低一食分の米パックが1000食以上とビスケットが数百パックとか、だった気がする。


 確かに毎日食べるなら10日程度、3日に一回なら一ヶ月か。

 戦闘してない人はあまり食べないのが普通だけど。

 ただ怖がって騒いでる奴らが1日に一食はよこせとか言うからな。

 こんな状態だからこそ。

 まったく意味がわからん。


「わかりました。食料は少しにして、消耗品と雑貨を多めにもらいますが良いですね?」


「はい。ご理解ありがとうございます。」

「小学校だからか小学生とその親が多いので、子供が多くて大人と子供で人数の差が無く。人手が足りていないので困ってたんです。」


 やっぱり、皆近くの避難所じゃなくて通ってる学校とかに行ってるのか。

 てかそれって色々ピンチだよな?


「ならお菓子とかは全部持っていってください。こちらは大丈夫なので」

 

 自分が考えて、行動できる身体がまだの成長途中の子供には罪はない。

 中学生ぐらいだったら、対処は変わるが小学生にはこれでいいんだ。


「本当ですか!?、ありがとうございます。」



「トキヤさんって子供が好きなんですか?」

「何言ってるんですか、そんなんじゃありません。」


 ユナさんがコソコソと耳打ちしてきた。

 何をどうおもったのやら。



 中に入って物を取る。

 中では他の人達と軽く会釈はする。

 田中さんが先に入って説明してくれてたので問題は起きなかった。


 色々取るが飲み物がほぼメインだ。

 ユナさんは袋に色々詰めていた。

 後でアイテムボックスにしまってね。

 と言われてある。

 壊れ性能なアイテムボックスは隠すのが普通だ。

 嫌だ。

 俺はパシられたくはない。


「ユナさん、そろそろ大丈夫ですか?」

「ひゃあい!」


 ユナさんが慌てて何かを隠した。

 何を持ってたらそんなに慌てるんだよ。


「あ、すいません。大丈夫です。だいたい揃いました。」


「そうですか。ならそろそろ行きましょうか。不要な長居はよくありません。」

「はい。」



 小学校の様子も何となく分かったし。

 これ以上居てもここからは物はとれない。

 違う場所に向かおう。

 

 田中さんに軽く挨拶をしてコンビニから出ていく。

 何度か食料を残してくれてありがとう。

 と言われたがそれこそそれは俺達の物では無いので別に問題はない。

 

 

  

 



 

 

 


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