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14.苦労人

 これで、私もモンスターと戦えるはず。


 あれから数時間考えて、ステータスを振った。

 そして思考加速と言う、スキルのおかげで普通の人の数時間よりも濃密に考えられたはず。

 

 そして私はマンションの階段を降りている。

 部屋から外をみて、一匹のゴブリンを確認してから私は降りてきた。

 最初の相手にとって不足なし!


 私の手には今包丁が握られている。

 日本でこんな物を持って外を出歩くなんて、考えただけでも物騒としか思えない。

 だけれど、今は非常事態だし、警察も許してくれるはず。



 よし、この物陰から

「カランッ!、コロコロコロコロ~」


「あ、終わった。」



「ギィイイイ!!」


「いやぁあああああああ」


 私は思いっきり走って、部屋まで逃げる。

 このマンションは昔ながらの建物で部屋のドアは案外丈夫に作られてる。(感じ)

 


 いやだ、いやだ、。

 あんな醜いモンスターに捕まりたくない。

 いやだ。いや。イヤ。いやぁああああああ



 よし、3階だ。

 後は私の部屋の鍵を開けて、

「もぉおお、なんで開かないのよ。」


 それになんで私真面目に鍵しめて出てるのよ。

 この状況ぐらい想定しなさいよね。

 それでも優等生かっ!

 はやく鍵を―


「ギィ!」


「ひぃッ!」


 やばいどうしよう。

 ゴブリンが止まっている、今のうちに

 攻撃する?

 でもどうやって私で勝てるのか?

 

 もうだめだ。

 足がすくんで動かない。

 私ゴブリンに殺される。



ゴブリンが襲いかかってきた。


「ギィーーー」

 

 ゴブリンが私に飛びかかってくる。

 あぁ、このまま殴られて。


 あれ、

 

 ゴブリンが私の服を掴みだした。

 爪で引っ掻かれ、服が破ける。

 

 そしてめっちゃ痛い。

 痛い。何これ血が全然出てないのに、皮膚が擦れただけで物凄い痛みが襲ってきた。


「いやぁあああああああ」

「ギィ!!!」


 ゴブリンが怒鳴るように声をだす。

 

 そして私の服は破れる。

 痛い。

 それになんで服を破いて…・


「あっ...」


 そうだ、忘れてた。ゴブリンなんて女性を捕まえたら、性的行為をするモンスターじゃない。

 このゴブリンの目的は私を犯――


『いやだ。いやだ。いやだ。最初で最後がゴブリンだなんて絶対に嫌だ。』

 

 私は必死に抵抗する。 

 だけどゴブリンを振り落とせない。  

 もっと攻撃力上げとくんだった。

 それに腰が抜けて力が入りづらい。


『あ、』


 目の前に男性が居る。

 人間の。

 良かった、これで助けてもらえる。





『え…』


 男性は会釈をして向かいの部屋のドアに手を置き、今にも部屋に入って行きそうだ。

 なんで?

 なんで助けてくれないの?

 普通助けると思うのだけれど。


「お願い助けて!!」

 

 私はどうにか声を出し、男性に助けを求めた。


「ギィ、、」


 ゴブリンがさらに服を破ろうとしてくる。

 そして男性は何かを考えている。


 どうして、助けを求めてるのに、なんで助けてくれないの。

 私を助ける価値がないから?

 

 確かにゴブリン一匹にも負ける、私はこの世界では弱者なのかもしれない。

 でも今日は初戦だったし、チャンスをくれるんなら、私は頑張る。

 頑張って役に立てるようになるし、助けてくれたら絶対に恩を仇で返すなんて事は絶対にしない。『はず』

 だから助けてよ。


 あ、そうだ。


「お願い、何でもしますから」


 言ってしまった。

 この場面でこの言葉を言ったら男性はほぼ助けた後に、えっちな事をしてくるのだろう。


 それでもゴブリンよりは良い。

 それに生きていれば、皆にだって会えるかもしれないし。

 やり方によってはこの世界で上手く生きていけるかもしれない。

 

 だからこれは仕方のないことだ。

 必要経費だとでも思おう。

 それにゴブリンなんかに変なことをされたら、助かっても私は自殺しそう。

 耐えられそうにはない。

 それぐらいなら一か八かで。


 こう言っても助けてくれなかったら、私には価値もなく魅力もない―

 あれ、私、魅了とかいうスキル持ってるのになんでこの人はそんなに無関心なのよ。


 そんな事を考えていたら、ゴブリンは横に倒れていった。 



 助かった。

 ギリギリだけど。

 服もボロボロでもう下着はもう見えている。

 なんか今日は災難ね。


「あ、あの、助けてくれて有り難うございます。」


 助かった事には本当に感謝のしようが無いわね。

 この後、私がどうなるのかはわからないけど。


「いえ、別に大丈夫ですよ。言ったことを守って貰えれば。」


 ハヤッ!

 そんな直ぐに確認して念押ししてくるとは思ってたより、私危険なのかも。


 私、この後この人と…・


 勉強しかしてこなかった、私の青春。

 恋人なんていた事はなく。

 あっち系の経験なんて無いけど仕方ないか。

 私が言った事だもんね。

 仕方ないよね・・・


「それより、どうしてあんな状況になってたんですか?」


 うぅぅ、あまり言いたくない。

 まさか不意打ちのつもりが缶が転がってバレただなんて。


「それはその…」


 どうしよう。なんて言おう。


「貴方はこの建物の住人ですか?」


 私がこの建物の住人か聞いてきた。

 私は自分の部屋を指差す。

 でも部屋の前でゴブリンに襲われてたなんて、なんか嫌。


「ここが私の部屋です。」


「なるほど!、お向かいさんでしたか。はじめまして、伊藤 時夜と言います。」

「あ、どうも、はじめまして軌崎 夢奈と言います。」


 やっぱり、目の前の部屋は貴方でしたか。

 それにしても私はこの人一回もあったことがない。

 仕事の出勤の時も、ゴミ出しの時も。

 まさか引きこもり?

 それでもゴミぐらいは出すだろうに。


 それにしても見た目は普通だ。

 それと同い年かな?

 そんな感じがする。

  

 そんな事よりも服を着替えたい。

 流石に恥ずかしい..。


「あの、すいません。部屋に入って着替えてもいいですか?、流石に服が...。」


「どうぞ。」


「ありがとうございます。あの直ぐに呼びますので待っててください。」


 許可が貰えたので、遠慮なく着替える。

 それと色々聞きたいこともあるし、直ぐに部屋に呼ぼう。

 別に他の理由はないけど。

 まさか向こうからしたら私が誘ってるみたに思われてる!?

 どうしよう。私そんなつもり無いのに。。



「どうぞ、入ってください。」

「あ、はい。」


 私は急いで着替え。

 覚悟を決めてから彼を部屋に迎え入れた。








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