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106.α6

 頑張ります。

待ってて下さり本当に有り難うございます。


次話(107話)明日2022/09/04投稿予定


 俺が本当に20時間程寝ていたのならそれは。

 笑えない状態と言って差し支えない。

 今までに起きた事を振り返ってもそれは変わらない。

 

 ゴブリンは二日目にハイゴブリンに成っていた個体が居た。

 1日でこの変化だ。

 きっと今はもっと変わっているかもしれない。

 それこそミノタウロスが成長してるかもしれない。

 雑魚だったコボルトが今は強敵かもしれない。

 オークがスライムがゴーレムが‥


「最悪だ」


 トキヤの思考は最悪の想定で満たされていた。

幸か不幸か話し掛けられ途中で途切れる。


「何をそんなに考えてるの?」


「なんだ、モモカか」


「何だって何ですか、失礼ですねトキヤさんは」


こんな状況でもモモカは明るいんだな。

まぁ皆が皆暗いよりは良いが。


「悪かったよ、それで何か用があったんじゃないのか?」


「いえ私はトキヤさんが蹲ってるので、来ました」


「呼んでないし、蹲ってなんぞ無い、頭を抱えてたんだ」


「それはもはや、大差ないのでは」


モモカかれ憐れむ様な視線を向けられ。

トキヤが目を逸らして逃げる。


「冗談ですよ。本当は心配だったんで来ちゃいました」


「俺そんなに、ヤバそうだったのか?」


「はいっ、そりゃぁゲームを壊された子供並には」


物凄く的確だな。

言われてみればその通りかもしれん。

丁度ステータス差を考えてたし。

ゲームみたいなものか。


「やっぱり魔物に何かされて、おかしくなったんですか?」


「なって無い…と、思いたい」


俺自身分けらないんだ。

丸一日にも相当する時間、意識を失っていたのだから。


「でもトキヤさんは変わってませんよ」


「どうして言い切れるんだ?」


自信ある様にモモカが言い切り。

疑問に思ったトキヤが聞き返した。


「だって変わってたら、ユナさんと、ユウカちゃんが気づかない訳、無いじゃないですか」


どういう意味だ。

そんなスキル2人は持ってない筈だ。

モモカは何を思って言ってるんだ。

普通に考えて魔物と一緒に居たのに記憶が無い。

そんな奴が居たら俺なら疑う。


「モモカはそれだけで、信じるのか?」


「信じるよ。仲間だもん」


「なら、この話は終わりだ。信じられてるのに、当の本人が揺らいでたら話にならないしな」


「うんうん、それで良いんだよ。それで何を考えていたの?」


意図的にやってるなら正確悪くないか?

今それを蒸し返さないでほしかった。


「はぁ。アレだアレ」


「あれって何よっ全然分かんない」


「外に出て、俺が魔物と戦えると思うか?」


「当たり前じゃん」


当たり前なのか。

いやいや、当たり前じゃないやろ

雑魚には勝てるかもしれん。

だけど。


「今、特殊な奴が出てきたら、勝てないぞ」


「分かんなくない?だって、トキヤさんって思ってるよりもチート野郎だよ?」


他の奴らのチート加減の方が異常だろ。

俺なんて寧ろ控えめな方だ。


「いや、それは無い」


「なら何で生きてるの」


何で生きてる。

どう言う意味だよ。

それに怒らせたか?

モモカの表情が変わり。

真っ直ぐ見てくる瞳には何処か暗さが宿っていた。


「まるで生きてたらダメみたいに聞こえるぞ?、あぁ…俺が生きてる事がヒントで、答えなのか」


「トキヤさんが生きてるんだもん」


どうしてこんな謎謎をやらされてるのか不思議だが。

モモカが何を言いたくて。

けど俺が気づくまで言わない。

 それは後ろ暗い部分を含んでいるからだろう。


「粗答えじゃないか」


「私は優しいですからね」


「そういうのは普通自分で言わないのが美徳な気がするが?」


「今はどうでも良い事ですので」


「まぁ、そうだよな…」


 俺が生きてる。

 ゴブリンエンペラーからも逃げれた。

 普通はありえない。

 飛んできたコブリンを避けた時もそうだ。

 あれ程異常な動体視力を俺は持って無かった筈なんだよ。

 

「ステータスか‥」


「やっと気づいた?」


 モモカの表情が少し明るくなり。

 トキヤは気にせず話す。


「だから2人は上に行ったのか」


「私も詳しくは分からないんですけど、それでも見てたら分かる程度にはヤバいらしくて」


「前の状態が限界だったんだよ、だから上げさせる気は無かった」


「でも上げてしまった」


「あぁ..」


「ああ、じゃないですよ!分かったんなら早く行ってあげて下さい、トキヤさん」


「悪いな、そうさせてもらうよ」


「いえ、どうぞどうぞ。ごゆっくり~」


モモカに冷やかされながら階段を上がる。


あの2人は上げたのか。

上げる予定は無かった。

 だけど結果的に上がってしまった。

 この事態を招いたのは俺だ。

 

 俺の置かれてる状況が分からなくとも生存率を上げる手段。

 それは彼女達が己の職業スキルを利用するしかなく。

 僅かな可能性でも欲したのだろう。


 悪い事をした。


「そんな決断をさせて、本当にごめん」


 発した言葉は誰も聞いていない。

 だけどそれで良い。

 自分の中で折り合いをつける為なのだから。



    

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[一言] 更新ありがとうございます(⌒▽⌒)
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