100.消え逝く中で
100話きたぁぁあああああ!!!!!!!!
私の長編小説で初の100話超えで、本当に嬉しい気持ちです。
まだまだこれからですが、引き続き頑張って行きますのでよろしくお願いします。
声が出せない状態で俺は。
ユウカに支えられ上半身だけが座っている。
力は全く入らず身体は動かない。
勿論、敵が待ってくれる筈も無く。
全方向から一斉に襲いかかって来るゴブリン達。
只のゴブリンだけなら良かったが違う。
ハイゴブリンにゴアーム。
そして厄介なゴブリンプリーストまで。
それに‥
「お兄さん、お兄さんっ」
何だあの全身に鎧を着た強そうなのは。
身長的にハイゴブリンなのか?
スキルを使おうにも発動すらしてくれない。
そしてユウカが完全に冷静じゃない。
戦闘に加わらず。
俺の名を叫んでる。
敵の名前も分からないし。
手に持ってる盾と剣が気になる。
「これ抜けば治りますかッ!?」
ちょ、まてまてまてまて。
ユウカが足の何かに気づいて抜こうとしてた。
治るか分からないし。
抜いてどうなるかすら分からない。
血がめっさ出て来て俺死ぬんじゃ?
「抜きますよッ! 抜きます!」
しかし声も出ず止める事も不可能で。
普通の矢では無いのは明らかなそれを。
痛ッ‥‥‥‥たい。
普通に抜かれた。
そして鏃で再度傷口が広げられ。
普通に痛い。
しかし声も出ず、もどかしい。
痛いと叫びたい。
矢が抜かれた傷口は血が垂れ出ており。
止まらない。
「ユウカちゃん!?えッ抜いちゃった、の?」
「はいっその方が良いと思って。」
マユリが気づいたが時すでに遅し。
今も血が流れ出ている。
「早く、布か何かで縛って。もぉ!」
マユリが指示を出しながらゴブリンに攻撃をする。
どう見ても手が火炎放射器になってると言いたくなる。
手のひらから炎が噴射されるって凄いな。
そして物凄い勢いの炎を受けたゴブリンは後ろに飛ばされ。
燃えた状態で地面に落ち。
そのまま左右に激しく転がるが炎が消える様子は無かった。
そしてユウカがオボロが入ってるカバンからタオルを取り。
俺の足に巻き付けてるがお世辞にも手際が良くなかった。
こんな怪我、自動回復で治ると思うんだけどな。
何なんだろあの矢。
ユウカが抜いた途端から実態が見えた。
形は普通の矢だけど鏃の下の方に何か付いていた。
あの部分に何か塗ってあったのだろうか。
ヤバい。
痛みで一時的に意識が、ハッキリしてたけど。
また、落ちかけてる。
あの矢‥って
麻痺と睡眠のコンボなんじゃ。
てか麻痺耐性のLv上げとけば良かった‥
睡眠は、1だし‥
眠気に逆らえん‥
でも、皆が戦ってる。
リカもひたすらシャボン玉を使い。
敵を近づけない事を優先してて。
マユリも広範囲を担ってる。
だからまだ崩れては居ないけど。
近接組の4人は辛そうだ。
敵の鎧の奴にタゲられ苦戦してた。
ユナさん以外は既に傷を負い。
いくつも切り傷があり。
隙きを見せれば横からゴブリンに殴られ。
更にダメージを負っていく。
ユナさんが攻撃しようとも盾で防がれ。
その盾が凹んだりする事は無かった。
只の鉄の盾って訳でも無さそうだった。
鎧を着ているのに動きは俊敏で。
前面以外にも横から斬ろうとしてきたり。
足を狙った攻撃にもジャンプで避けたりと。
その見た目からの重量を感じさせない戦闘だ。
アイが隙きだと思って距離を詰める。
しかし間合いを詰めて剣が使えなくとも。
その鎧の敵は柄握るその拳で直接殴ってくる。
そしてアイの腹部に直撃し。
アイは軽々と後方に殴り飛ばされ。
背後にあった塀に背中から当たり塀が砕ける。
そのまま倒れ込むアイに塀のブロックは落ち。
微かな追い打ちをかける。
元の人間ならブロックの落下だけで大怪我だが。
アイは寝転がりながらブロックを払い除け。
ゆっくりと片手で殴られた箇所を抑えながら立ち上がる。
「ずるいぞッ。何だよ、全身鎧ってさ‥私らは只の服なのに。」
アイがそんな軽口を叩くが明らかに不味い状態だ。
「いっ、何済んのよ!」
沢山のゴブリン相手に耐えていた。
リカが腰の辺りを棒で叩かれる。
そして振り払おうと腕を振るう。
しかしゴブリンに呆気なく掴まれ。
逆に逃げられなくなってしまい。
振り返った事でまた違う方向から叩かれ膝をつく。
「あ"ッ...」
ゴブリンが再度手に持つ棒を振り上げる。
それも周囲を取り囲むようにゴブリンが集まり。
4,5匹が追い打ちをかけようとしていた。
「リカさんっ!」
ユウカが咄嗟に矢を放ち。
ゴブリンに対して過剰な数の矢が飛んでいった。
そしてゴブリンに刺さった‥
それも一匹に対して数十本以上が刺さっており。
全身何処を見ても矢しか無く。
暫くして消えたその箇所から大量に血が吹き出した。
恐らくゴブリンは死んだのだろう。
そんな状況で限界を迎えた俺の瞼は閉じ。
最後に閉じた瞼の向こうで。
何かが光ったのを最後に、俺の意識は途絶えた。
100話をまで読んで頂き
本当に有り難うございますm(_ _)m