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プロローグ

 あの噂は本当だった。


 男はその事実に呆然としていたが、すぐに自身の任務を思い出し、この事態をどうにかしようと考えを巡らせる。



 ━━━━━━システムに侵入されました。



警報が部屋全体で鳴り響いている。


 たくさんあるコンピューターのどの画面にも『システムに侵入されました』と赤く警告が出ており、誰が見ても緊急事態だと分かる。


 状況は⁉どうなっている!


 このシステムにはいままで一度も侵入されたことはない。それもそのはず、ここはガーディアン最高峰のセキュリティで守られているのだから。


 そんなところにラジカルが潜入して、セキュリティが一つ落とされた。潜入して来たラジカルは全員確保したのだが、ここぞとばかりに外部からデータがハッキングされている。


 ゴーストクラッカーか……噂には聞いていたが、ここまでの強者とは。


 一つセキュリティが落とされたといってもまだ何十にもセキュリティがかかっている。


 それがこんなにもいとも簡単に次々と突破されていく。


 ガーディアン最強とも言われていたエージェントクレストの情報や仲間が命がけで集めた敵の情報を盗まれたなどと聞いたときは、誰が作ったデタラメだろうと軽くあしらっていたが、これほどの実力者ならば納得がいく。


「落ちたセキュリティはまだ復旧しないのか⁉」

「急いでもあと5分はかかります」

「それでは間に合わない!どこからハッキングされているのか分からないのか⁉」

「暗号化されており、なかなか……セキュリティが復旧する方が先かと……」

 結局、何もできないまま、終わってしまった。情報を盗まれたのだ。

「盗まれたデータは何だ」

「またエージェントクレスト関係の情報です。あの、ハッキングされたことにより、このような情報が見つかったのですが……」


 男の部下がタブレットを持ってきた。そこには男も見たことが無い情報が映し出されていた。


「どういうことだ?」

「この情報はずっと隠されていたみたいです。ゴーストクラッカーがハッキングして目当ての情報を探す際に見つけたのでしょう」


 情報を読み進めるにつれて、男の顔が真剣な顔つきになっていった。


 これが本当なら、すぐに行動しなければならない。

 いやしかし、嘘の情報の可能性もある。


「すぐにこれに関係しているものを調べろ。大至急だ」

「はい」


 部下が急ぎ足で去っていった。


「それと、これはうちのチームでやる。お前らは手を出すなよ」


 男が後ろを向くと先程まで誰もいなかったはずの場所にいつの間にか人が3人立っていた。


「おっと~怖いよレオっち!あ~、こんなことになるなら任務サボらなければ良かった〜」


 茶髪のショートカットの男がつまらなさそうに言う。戦闘服を着崩しており、口帳からもいかにもチャラそうではあるが、一瞬のすきもない。常に周りを警戒している。


「お前、サボってたのかよ……任務が無いと言うからつきあってやったのに……」


 黒髪のショートカットの男が呆れながら呟いた。茶髪の男とは対象的に身だしなみがしっかりしている。無口でほとんど喋らない彼だが、今回はそうとう茶髪の男につきあわされたらしい。



「だってぇ〜、警備なんてめんどくさいじゃん?それにレオっちもいるんだからいいでしょっ」

「稀にしかない警備の任務くらいちゃんとやりなさい。それよりはレオこの件私に譲らない?私の方が適任かと思うけど」


 黒髪のロングの女だ。髪はパーマがかかっており、毛先には紫色のメッシュが入っている。


「悪いが、この件はうちで引き受ける。譲る気は無いからな」


 そう言って男は部屋を出た。

「…………敵が動き出すな」

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