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サバサバタウン2


 黒闇を斬る、サザンクロス!!


 クロスの西に、サバンナあり。


 サザンクロスの腋の下、

 サバサバタウンの真下には


 魔物ひしめく巨大な穴が、

 ポッカリ口を開けている。




☁️コールサック・外周☁️



シシハ:「うわ、汚い」

ママト:「そうね〜」


 ばかでかい、穴。【コールサック】

 でかいお口が息をする。そして、


 そして大穴をかこむ、ピラミッド型の結界。青白く光ってる。


 さらに外側を見ると、

 じめじめした土!!

 湿気た樹木!!!


 毒沼からは、ガスとスライム湧いてるよ。プシューって言ってる。空気がまずい。



ヤギー:「さあさあみなさん、これぞ新天地! 岩もネズミもトレントも、空いっぱい、両手を広げ、森を駆ける新たな風を、あびる準備をしています」


みんな:「「「いえーい」」」


 うそつけー。めっちゃどんよりしてるよ。

 大ネズミさん鼻ほじってる。


ヤギー:「さあ、今こそ【サバサバタウンver2】を作るのです!」


みんな:「「「うおー!」」」


 あーあーみんな単純すぎるよ。


ママト:「手伝うのよ」

シシハ:「はーい」



 カンカンカン、

  石を切り出しトントントン

  薪を切り出しトントントン

 


村人:「あそこのアレ、積み上がった、えっと、【ザ・ワールドトレント】の薪!」

シシハ:「はーい」


   ブィィィン

 木くずを飛ばしてチェーンソー魔法


村人:「ワチョー! はい、サイコロになった【夢幻岩石】どんどん持ってってー」

シシハ:「はーい」


   シュパパパパーン


村人:「おーい【マソネンド】の塗装、追加ー」

シシハ:「はーい」


   ふんふんふーん、


シシハ:「アッ!!」

 げしっ(石につまづいた)



   べちょぉ



シシハ:「う、うえぇー」

村人たち「あはははは」


 きちゃない。

 あたし、まゆげがへの字になってるの。



ママト:「あらまあ。後でお風呂に入りましょうね〜」

シシハ:「ぶー」^^



〜〜〜



☁️サバサバタウン2☁️



ヤギー:「みなさーん。おつかれさまでした」

みんな:「「「いえーい!」」」


 できたよ新しい村。

 中央の湖が、やばそうな穴と結界に変わっただけなの。


ヤギー:「みなさんが張り切ったおかげで、あっという間に完成です。神に祈りましょう」

みんな:「「「うぇーい」」」


 そうね。みんな脳筋だからあっという間だったね。あたしも黙祷するの。


ヤギー:「では、軽く、宴会といきましょう!」

みんな:「「「 わーーーー 」」」


 大人たちは毒沼に石テーブルを用意して、どこからともなく高級料理の皿を並べはじめるんだ。


 え、どこから持ってきた、そんな高級バイキングみたいなの。

 この村やばくね?(今更)


カラスケ:「できたぞー、モンスター八宝菜、ゴブ重、モロヘイヤスープ、スライムカレー、ネズミピッツァ!ごちゃ混ぜ料理だ!」

みんな:「うぇーい」ガツガツ


 やっぱりこの村なんだかおかしいよ!

 でも、でも、いい香りが、入ってくるの。スンスン


 空は夕焼け、雲が生々しいオレンジなの。

 あたしは流されるまま、料理をつつくのだった。


シシハ:「もぐもぐおいしい!」

ママト:「そうねー」



☪️同・宴会会場☪️


 即席の石テーブルが点々とする。

 上には煌びやかな料理とモチモチのパンがズラリ!


シシハ:「もぐもぐ」

ママト:「あらこれも美味しいわね」


シシハ:「んぐ、すごいこれ、何て名前なの?」

ママト:「これは『ロールケーキ』ね」

シシハ:「ロールケーキ!! なんだかオシャレ」



✨妄想・口内✨


 背景ピンク、謎のキラキラ。


歯:「うぃーん」ガッション

生地:「ぎゃー」みょっ

果物:「ウボァー」ぷちっ

クリーム:「ふみゅん」ぬと


舌:「うめえ、うめえよ!」うねんうねん

クリーム:「いやーん」ぬろり

生地・果物:「うべちゃ」じゅと


唾液:「うぇーい」ざざーん

「「「 おぼぼぼぼ 」」」


喉:「んん〜♪」ごくん


(妄想終了)


シシハ:「うんまい!」テーレッテレー


 すごい! サバンナでは味わえない逸品だよ!


シシハ:「ばくばく、これもやばい」

ママト:「『コーヒーゼリーパフェ』ね。苦味と甘味のハーモニーが絶妙なのよ」



✨妄想・口内✨


ゼリー:「ぷるぷる、僕わるいゼリーじゃないよ」プルプル

クリーム:「やめて、お願い、なんでもするから」

舌:「へっへっへ」じゅろん

ゼリー:「ふええ」

クリーム:「ふええ」


(妄想終了)


シシハ:「うんまい!」キュピーン!


 ゼリーうめえ。


シシハ:「もぐ、もぐもぐもぐ」ブンブン

ママト:「あらぁ〜かわいい♪」ブンブン


シシハ:「ママ、しっぽがすごいよ」

ママト:「あらっ、シシハちゃんだって、ブン回してるじゃないの〜」ガシッ


 きゃー!


シシハ:「ちょ、どこ触ってるの!」

ママト:「いいじゃない。母と娘の仲よ」


   ぎゃーぎゃー

    うふうふうふ


クロコ:「あ、シシハちゃん」

シシハ:「おー久しぶり…でもないね」


 同級生のクロコちゃん、カラスのハーピーなんだ。


クロコ:「このスイーツね、お父さんが作ったの」

シシハ:「えー、すごーい!」


クロコ:「昔は王都でパティシエの修行してたんだって。ご飯食べながら言ってたの」

シシハ:「そーなんだ」


カラスケ:「やあシシハちゃん、気に入ってもらえたかな」

シシハ:「うん! 舌がすんごいの! ぐるぐるなの!」


カラスケ:「あはは、どうだい、ちょいと修行してみないか」

シシハ:「うん! あたし、パティシエになる」


ママト:「あ、あらあら〜」


 しまった! ついノリで言ってしまった。


シシハ:「んぐぐ、違うの。将来はママになるの!」


 楽させてやるの!

 寿命いっぱいまで一緒なの!

 そしてママになるの!


カラスケ:「ははは。夢を見るのはいいことさ。ほれ、『ビスコッテ』だよ」

シシハ:「わーい」


 んんー! 舌がピョンピョンする!!


 カラスケさんいい人。


 それに引き換えウチの親父は……



♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎



☀️獅子宮・レオーパレス☀️


レオー:「ハクション、んがー、あー暇だなー」だらだら


 ライオン顔のガタイのいいキング、今日も王座でボケーっとしていた。


レオー:「ぐおー、張り合いがない。強い奴はいないのか」


 キョロキョロ目と首を振って、またため息。


レオー:「うむ、しかたない。今日も適当な惑星で遊ぶか。おーいお前たち、留守は任せたぞ」

メイド:「御意。いってらっしゃいませ」


 1人用のUFOに乗って、どこかへ飛び去ってしまった。



☀️カフェ☀️


ママA:「あの人また教育方針に口出ししてきたの」

 ええー やーねー

ママB:「最強だらけて覇気がすっかりないのよ」

ママC:「昔はカッコよかったのにねー」

 ねー ねー



☁️荒野の星☁️


コンドル:「ふう。こっちには来なかったな」

ハイエナ:「それよりレオーが留守だぜ」

ライオン:「慌てるな。群れで最も厄介なのはメスライオン、それも母親だ。まだ早い」

ハイエナ:「どーすんのさ」

ライオン:「うーむ。ママたちの不満を煽ってみるか」


 はてさていったいどうなることやら…



♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎♌︎



⭐️シシハ宅⭐️



シシハ:「うわー、新築の香りー」

ママト:「そうね〜」クンカクンカ


(細かいことはすっ飛ばすの!)


ママト:「明日から筋トレよ」

シシハ:「うん」


ママト:「おやすみなさい」

シシハ:「おやすみー」


☪️

☀️


ママト:「シシハちゃーん、起きなさーい」

シシハ:「うーん、あと5時間」


ママト:「えい」ぶちゅ

シシハ:「ぴぎゃー」ガバッ


 ひどい目覚めだよ。ママの唾液なの。

 おはよう。シシハだよ。


ママト:「おはよう。はい可変式ダンベル」

シシハ:「んえ?」ドシン


 重っ!? ずっしり来る。


ママト:「はいママの動きを真似してー」

シシハ:「んぎー」


 ちょっ、やばい。プルプルする。

 ダンベルに押しつぶされそう。


ママト:「はい上げてー、下ろしてー」

シシハ:「ぎぎがッー」

ママト:「吸って〜、吐いて〜」

シシハ:「ずうううう ばああああ」


 ちょ、痛い、痛い、ジンジンする!

 筋トレってこんなに痛かったの!?


シシハ:「あ゛あ゛あ゛ー」


 腕が、ちぎれるー


ママト:「あらあら。まだ1セットよ

シシハ:「ヒッ!?」

ママト:「合計10セット。ファイト!」

シシハ:「やらぁ」


 ぎゃー

 それはもう、地獄のひとときだった。

 腕がボロぞうきんになっちゃったの。


シシハ:「あ゛ー、あ゛ー、あ゛ー」ぐでー

ママト:「よしよし。頑張ったわねー」ナデナデ


 ちくしょう。

 そんなにナデナデされると……表情筋がピクピクするよ。


ママト:「はーい、おっぱいの時間よー」ぐい

シシハ:「んぐんぐんぐ」


 手が動かないので、腹筋で上体を起こして飲みにいく。

 プロテインの味がしたんだ。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



☀️教会☀️


ヤギー:「みなさん、今日から特訓モードに入ります。」


子供たち:「「「えーーーーー」」」


ヤギー:「ここにいると、いつか悪い魔王に襲われちゃいます」

   えー   こわーい

ヤギー:「そのためのトレーニングです。はい指をかかげて」


   スッ

(子供たち、指をナナメに上げる)


ヤギー:「指先へ、マソを、絞り出すのです! ぞうきん絞りみたいに」


   シュワー!

(指からマソが消化器みたいに吹き出す)


ヤギー:「そう。そのまま空中に、星座のシンボルを書くのです。そう、そう、その調子」


子供:「うがー」

子供:「きついぞー」

子供:「おわー」


 今までシンボルの形は習ったけれど、マソの放出は初めてである。

 マソの勢いが良すぎると、線が太くシンボルを塗りつぶし、勢いが弱いと線がペンキみたいに垂れてくる。


 空中にシンボルを描く作業は実に大変なのだ。

 みんな『♑️』のマークの半分も書けずに大部分が脱落する。


クロコ:「ぐでー」


子供:「あーしぬ」

子供:「あと1%しかないー」

子供:「まりょくこかつー」


ヤギー:「こりゃ、まだ94%も残ってるんです。まだ大丈夫ですよ」


子供:「ひえー」

子供:「ぶえー」


シシハ:「先生ー、マソが出ません!」

ヤギー:「なんですと!?」


 どうやらママと同じ特異体質だとさ。

 筋肉にマソを溜め続けるんだと。


ヤギー:「それでは特別講師を呼びましょう」


ヘビー:「やあシシハちゃん」ムキムキ

シシハ:「げー!」


ヘビー:「早速だがこの【マソステロイド・改】を注射する。さあケツを出せ」

シシハ:「いぃぃやぁぁぁーーーーー」



   ぶすっ!



⛎⛎⛎⛎⛎⛎⛎⛎



 説明しようッ!


 ステロイドとはッ!

 男性ホルモン増強剤であるッ!


 驚くべき筋力増強パワーを秘めているッ!


 しかぁし、副作用が非常に危険だッ!

 毛深いオッサンのような外見になり、内臓に負担を強いる。

 心臓発作で倒れた者もいるという。


 その身体的な副作用を完全カットしたのが、【マソステロイド・改】であるッ!!



⛎⛎⛎⛎⛎⛎⛎⛎



シシハ:「うおおおお!」

ヘビー:「はっはっは!」


シシハ:「めっちゃマッチョになりてぇ!!」

ヘビー:「いいぜ、付いて来な!」



 HAHAHAHAHAHAHA〜

テーレッテー♪


 ステロイドによってハイになったシシハ。

 そこに勇者と聖女が迫り来るッ!


次回 勇者と聖女

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― 新着の感想 ―
[一言] 調べました。筋肉増強剤はアナボリックステロイド。ステロイドホルモンの一種だけど、副腎皮質ホルモンとは、また違うものなのですね。 喘息用のお薬(アドエア)で、ステロイドと言ってたのは後者だっ…
[一言] ヤバい薬、デター!
[一言]  まーさーかーの  ドーピングじゃないかぁーーー!w  おっさんって。。。シシハがおっさんって。。。( ;∀;)    しかし、食べ物 妄想エロかったですね(^_^;)w
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