ゴブリンの襲撃!
☪️サバサバタウン・シシハの家・寝室
……何の音?
真夜中、目がさめたよ。
三角耳が、ピクリとするの。
聞き慣れない音。なんだろう?
シシハ:「大丈夫、あたしはライオン。つよいライオンなの」
ママと違うベッドでもこわくない。勇気を出すの!
心臓がドクドクしてるけど、大丈夫、大丈夫、大丈夫……だよね……?
バァァァン!
シシハ:「ひぎゃー!!???」
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(第1幕・ゴブリンの襲撃)
☪️サバサバタウン・南・大通り
ブォンブォンブォ〜ン!
ゴブリン:「「「ヒャッハー」」」
満月
真上から月明かり、バイクがテカテカする。
走る! 走る! 砂を巻き上げる!
ブォンブォンブォブォブォブォブォ〜ン!
ゴブリン:「ヒャッハハハー」
ゴブリン:「突撃だー!」
ゴブリン:「めざせ村の食糧庫!」
ゴブリン:「大事なモノを、取りつくせ!」
熱風が、冷えた夜風を、押しのける!
司祭:「止まれメー」
聖職者だ! ヤギ獣人だ!
司祭:「そこまでメー」
司祭:「大いなる山羊の神よ、メー」
司祭:「バイクを止める結界、メー」
司祭×3:「♑️【ミルキーバリア】」
バリア出現! 牛乳の膜みたい
バイクと激突する!
キィィィン!(つるつる)
(バイクが止まる)
(後続が突っ込んでくる)
(バイクどうしで追突事故)
ゴブリン:「チッ」
ゴブリン:「乗り捨てろ!」
ゴブリン:「素手でやるぞ!」
ゴブリン、ジャンプ!
次々とバイクを乗り捨てる
オオワシのように飛びかかる
ゴブリン:「アチョーー!♊️【手刀ラッシュ】」
ゴブリン:「俺も」
ゴブリン:「俺もー」
ゴブリン:「みんなで殴れば〜」
ゴブリン:「こわくなーい」
(ゴブリンたち、ハエのようにたかる)
(手足をシャカシャカ動かす)
司祭:「まずいメー」
司祭:「無理だメー」
司祭:「頑張るメー」
バリィィィィィン!
(バリア、やぶれる)
(バイクが行く!)
ブォンブォンブォブォブォブォブォ〜ン!
ドカドカドカ
(司祭たち、バイクに轢かれる)
司祭:「メー」ひゅーん
司祭:「痛いメー」ひゅーん
司祭:「飛んでるメー」ひゅーん
そして、乗り捨てたバイク、大爆発!
民家に引火!
バァァァン!
爆音! 爆煙! 大炎上!
そしてゴブリンたち、小さな村へとなだれ込む!
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☪️シシハの家・寝室
シシハ:「うわぁ」がたがたがた
(シシハ、毛布にくるまる)
(しっぽがはみ出ている)
シシハ:「なにこれなにこれ」ガクブル
目がギラギラ!
心臓バクバク!
冷や汗、毛布をかぶってるのに寒いよ!
おばけだ。
きっとおばけだ。
あたしをペロッと食べに来たんだ。ぶるぶる
バァァァン!
ゴブリン:「おらおらー」
シシハ:「ヒィっ!?」
おばけだー!
やだやだもうやだ!
ママの布団にもぐりこみたい!
ドシドシドシドシ
ゴブリン:「ヒャッハー食料置いてけー」
シシハ:「ぎゃぁあああ!!!」
おーばーけーだー!
たーべーらーれーるー!
ママト:「アチョー!」
ゴブリン:「ぶべっ」ブシャー
シシハ:「ママ!」
やだ、かっこいい✨
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(2幕・サバンナの反撃)
☪️東の教会
ゴブリン:「ヒャッハー教会だー」
ゴブリン:「シスターを出せ」
ゴブリン:「食い物あるんだろ」
ワイワイ ざわざわ
ヤギー:「待たれよ」
ゴブリン:「なんだテメー」
ヤギー:「【♑️セイントバッシュ】」
(ヤギ座のシンボル)
(蹄で腹パン!)
ゴブリン:「うごぽー」
(爆発四散)
ゴブリン:「なんだコイツ」
ゴブリン:「只者じゃねえ」
ヤギー:「司教ってすごいんですよ! それそれそれー」
ゴブリン:「うぼっ」
ゴブリン:「ぶべっ」
ゴブリン:「ぬわー」
こうして100匹を超えるゴブリンが、一瞬にして爆散した。
☪️西の住宅街☪️
カラスケ:「おうおう店のパンに何してくれとんじゃー! ♌️【レッドクロー】」
(獅子座のシンボル)
(鋭い爪、サイコロカット)
ゴブリン:「あ、あばばばば…」じゅう
ゴブリン:「ひえー」
ゴブリン:「やばいよやばいよ」
☪️中央の麦畑☪️
ウシオ:「おいコラ麦畑が焼畑になる所だったぞ!♉️【リトルムーン】」ポンポン
(牡牛のサイン)
(土の塊を砲丸投げ)
ゴブリン:「ぐわー」ブシャー
ゴブリン:「ひぎゃー」ブシャー
ゴブリン:「おい、女子供を探せ、人質だー」
ガゼルド:「させるかよ」ドゴォ
ゴブリン:「ぎゃー」
ゴブリン:「こうなりゃヤケクソだ、♐️【ファイアアロー】。そして油!」
(射手座のシンボル、樹木が大炎上だ!)
ヘビー:「ああ? その木は薬の素材じゃー」
ゴブリン:「ぶへぇ」ブシャー
ドタバタ ドタバタ
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☪️中央・南寄り
ボス:「おいおいどうなってやがる。貧相なのはフェイクかよ」
(ボス、困惑中)
ヤギー:「この村はいわば『ラストダンジョン前の村』。意図的に強い戦士が配置されているのですよ」
ボス:「なんだとチクショー、外見に騙された」
カラスケ:「こっちは粗方片付いたぞ」
ウシオ:「あとはお前だけだ」
ボス:「くそっ、覚えてろよー」
(全力逃走)
ガゼルド:「逃がさん!」
(とび蹴り)
ボス:「ぐえっ」
ヘビー:「へっへっへ、フルボッコにしてやる」
ボコっ ドガッ バキッ
ボス:「ぐ、ぐ、ぐふっ」
ヤギー:「さあ、安らかに眠らせてあげましょう」
(今まさに、ヤギのサインを書こうとする)
ボス:「くく、くはは、はーっはっはっは!」
(ボス、激しく発光する)
ボス:「こうなっては仕方あるまい。これを見ろ!」バッ
(服を脱ぐ)
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ヤギー:「胸に14の傷……まさか!」
ボス:「ぐふふー、そう、【ダイレクト・サイン】。」
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☪️シシハの家・寝室
(ママト、シシハを抱いて、胸に押し付ける)
ママト:「よしよし」ぽんぽん
シシハ:「マ゛マ゛ーー」
ごべんだざい、ごべんだざい、あだぢ、あだぢ、うわあああ
ママト:「おっぱい飲む?」
シシハ:「ん」
んぐ!
んぐんぐんぐ!!
んぐんぐんぐんぐんぐ!!!
シシハ:「ぷはぁ」げぷぅ
あーおいしかったー。
ママト:「落ち着いた?」
シシハ:「うん。落ち着いた」
ママト:「うふふ♪」ナデナデ
シシハ:「ん、ふふ」にへら
(ママト、撫でる。頭のてっぺんから後頭部まで。)
んふふ、幸せ〜。
あんなに恥ずかしがってたのがバカみたい。
もうマザコンでもいいや
ママト:「うふふ〜♪」
シシハ:「あはは〜♪」
(見つめ合う、満面の笑み)
(外の喧騒、届かない)
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☪️中央の湖
(3幕、ダイレクト・サイン)
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(村人、動揺する)
(ボス、ニヤニヤする)
ヤギー:「【ダイレクト・サイン】……なんて厄介な!」
ヘビー:「教科書に乗ってた奴だよな。大昔に使われてたって」
ヤギー:「はい。遥か古代3000年前……」
ダイレクト・サイン。
自らの肉をえぐり、星座をかたどる禁忌のサイン。
寿命と引き換えに、壮絶なるパワーを発揮するという。
かつて人類は、星の力を直に浴びて、捨身で戦争に明け暮れていた。
現代は平和な時代。【シンボル】という安全な星術が主流になり、【ダイレクト・サイン】は禁術となったのだ。
ボス:「人の命は財宝よりも重い。しかし、ゴブリンの命は鉄砲玉よりも軽い!」
ヤギー:「なっ!?」
ボス:「そしてこの並びは【ドラコ・サイン】だ。効果は見てのお楽しみ。さあキサマらみんな、しねぃ!」
ボスの14の傷が光る!
ヤギー:「♑️【セイントバッシュ】」ドス
ボス:「変身中の攻撃なんざ対策済みだ!」
(謎の光で無効)
はるか北方より、真っ赤な光が飛来するッ!
その光、レッドドラゴンのごとし!
甲高い咆哮!
光はボスを頭から食う!
ボス:「ぐ、ぎゃわっ、ぎぎぎ、ぎゃー」
肉がうねる、ねじれる、伸びる、延びる
そして、竜になる
ギャーオ!
ヤギー:「なんと!」
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ゴブリンドラグーン Lv1200
HP12億
MP288万
主な能力
・風のブレス
・白熱水球
・ドラゴンヘッド
・ドラゴンテール
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ゴブ竜:「ぐふふ、力が、みなぎる!」
(口から蒸気が登る)
(雲のごとき、エメラルドの巨体)
(村の100倍以上のサイズ)
村人:「ひるむなー、行くぞー」
村人:「おう!」
(村人、決意の表情)
(空を飛ぶ!)
カラスケ:「♌️【灼熱のダーククロー】」
ガゼルド:「♎️【疾風のエメラルドソード】」
ヤギー:「♑️【鋼鉄のセイントバッシュ】」
ヘビー:「♋️【激流のヘヴィショルダー】」
(その他たくさんの攻撃)
ボカァァァン
村人:「やったか!?」
(煙が晴れる)
ゴブ竜:「ぐふふー、蚊ほども効かぬわ!」
ヤギー:「まずいですね…」
カラスケ:「ああ、やべー」
ヘビー:「眠れる獅子が、目覚めてしまう」
ガゼルド:「よし逃走だ!」
ゴブ竜:「何をごちゃごちゃと。まずは手始め【風のブレス】!」
真下へ口を開ける!
爆風!
村人:「うわあああ!」(吹き飛ぶ)
まるで台風!
教会ガシャーン!
住宅ガシャーン!
そしてシシハの家も……
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☪️シシハの家・寝室
ママト:「う〜ふふ〜♪」ナデナデ
シシハ:「ふにゃー❤︎」
(ベッドで向かい合う。ぎゅっとハグ。ナデナデ、ナデナデ、ナデナデ……)
バゴォォンバリバリダー!!!
シシハ:「ぎゃぁぁぁあああああ!!!!!!!! おばけー」
ママト:「シシハちゃ〜ん!?」
(ゴブリンドラグーン、顔を近づける)
ゴブ竜:「ほほう、偶然にも耐えたか運のいい奴め。」
シシハ:「ぎゃあああああ、いや、おばおばおばー!?」
ママト:「はぁ……」
(ママト、シシハをお姫様だっこ)(ナデナデ)
(冷酷な眼差し、冷酷な声)
ママト:「あなたは娘を怖がらせて、心拍を乱した。」
ゴブ竜:「!!?」びくっ
ママト:「よってあなたの息の根を止めます」
風がピタリと止んだ。
ママトは息を吸い込んだ。
ついに対峙する母とゴブリン。戦いの行方はいかに!?
次回 うなれ、獅子流星拳!