魔王の息子さん
遅くなりました。
そしてまた、文章スタイルが変わってる
◯シシハの舌
舌だよッ! 今から蟹を味わうのッ!
歯:「あーん」
キタキタ、外から赤くて白い肉が、いっぱい入って来るの。
唾液がジュルジュル、歯がテカテカして、
歯:「んああぁ〜、、、あぐじゅ」ブシャ
ぐっしゃぐっしゃ モグモグモグ
舌:「あは、キター、んあぁ〜♪」
グショグショの肉汁が、染みるのー!!
モグッ モグモグモグッ!
あ、あ、ああ、ダメ、来ちゃう、味蕾に汁がどんどん入っちゃう、肉汁の高波なのぉ、感じちゃうのぉぉぉ!!
舌:「んほぉぉぉ!!!」れろれろれろ
◯シシハ
シシハ:「うまい」
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◯サバサバタウン2
村一面は蟹の死骸、魔物はもうしんでいる。
空気がどんよりしている。
北の病院にて、
ピッ ピッ ピピピピピッ (心電図)
ママト:「うーん、シシハちゃーん」
アオハ:「ラサキちゃーん。うびじゅー」
ライオンと聖女が、クネクネしていた。
ヘビー:「余命一ヶ月〜。おいお前らしっかりしろ」べしべし
ママト:「ごめんなさ〜い、こんな情けないママで〜。ううっ、えぐっ」ちーん
アオハ:「あたし、聖女やめます。ふええ」ちーん
ヘビー:「こりゃ重症だ」
と、匙をぶん投げる。ガシャーン。
ヘビー:「そんなに辛いなら探しに行きなよ」
アオハ:「それはダメなのぉ。子供たちは今、素敵な大冒険を繰り広げているの〜」
ママト:「深い深いアンダーグラウンドな物語、マグマがたぎる、灼熱のヒートアイランド」
ヘビー:「うおい、なんか語り始めたぞ?」
ママトの瞳は灼熱のマグマ、泡がブクブク、グツグツ煮えたぎる……
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◯マグマの魔界
きしむ銅のデカいドアを開けると、マグマだ!
赤の海から声がする マグマの化身の産声だ!
ざっぱーん!
マグマバード:「ピョー!」
シシハ:「うわあ」
ラサキ:「うわあ」
マグマバードが飛翔するッ!
空へ〜! 鳥が群れる〜!
光〜! 浴びて回る〜!
ピョー! ピョー! クルクルル!
ピョロロロロ〜! ピョローロー!
その金に燃え上がる瞳には〜!
空飛ぶ黒の7の島〜!
北斗七星に並ぶ島々 光の架け橋〜!
島には都会が乗っている!
黒いビル群が乗っている!
吠えるエンジン! 荒れる排ガス!
流れるバイクの大軍勢!
そして住民は、熊!!
ビルは黒くそびえ並び 駅と歩道橋に突風!
鳥が、高く、上がり…
タァーン! ♐️
銃声 炎の矢!
そらがくるくるる くるくるる……くう。
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◯クマーべシティ歩道橋
少年:「いえーい。
マグマバード、ゲットだぜ!」
モヒカン熊:「ナイスショット!」
赤マントの金髪少年が、矢を放った後だった。
(熊耳だぞ!)
3メートル超のモヒカンベアーが素直に付き従う姿は、シュールである。
少年:「火力が違うのだよ火力が……あちち」鳥を袋に詰める
モヒカン熊:「さっすがー、魔王様の息子さん」
少年:「『息子さん』ではない、キュノスだ!
ちゃんと 名前で呼べ」
モヒカン熊:「ヘーイ」
モヒカン熊:「そろそろ帰りましょうぜ」
モヒカン熊:「今なら 夕食の時間にも
余裕で 間に合いますぜ」
キュノス:「あと一匹だけ。そろそろ
大物の気配が するのだよ」
モヒカン熊:「ヘーイ」
モヒカン熊:「ヘーイ」
モヒカン熊:「手短に行きましょうぜ」
キュノス:「さーあ次の獲物はぁ〜」キョロキョロ
そびえ立つモヒカンベアーの群れの中、ちっさな少年キュノスくん。シュールである。
キュノス:「んん、なんだあの黄色と紫のは
花じゃない。……お、おおお、女だ!」
モヒカン熊:「「「なんだってー!」」」
キュノス:「かわいい!」
モヒカン熊:「「「おー!」」」
キュノス:「行くぞ ヤローども!」
モヒカン熊:「「「ヘーイ!」」」
脳内お花畑をルンルンとホップして、
ブルンンー ブルンッ!
ブオオオオーンバリバリィ!
バイクで行くのである。
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◯クマべシティ・右の歩道
シシハだよ。ナレーションさん話が長いよ。
今ね、コンクリートを歩いてるの。
シシハ:「おおー」
ラサキ:「うあー」
街だよ。排気ガスがくさい。
ラサキ:「なにあの赤い箱ー」
シシハ:「あれはねー、郵便ポストだよ」
ラサキ:「じゃああの赤いのも?」
シシハ:「あれは自動販売機だよ」
ラサキ:「じゃああれは!」
シシハ:「あれはぁー、家電量販店かな?」
ラサキ:「カデンリョウハンテン!!? ふおおおお!!」(目がキラキラ)
やばいこの子めっちゃ興奮してる。
でもアタシもワクワクするの!
見上げるビルディング! ネオンライト!
空にはアドバルーン、そして浮島!
右を見ると、スライムの清掃員!
左を見ると、ゴブリンのタクシー運転手!
ハンバーガーショップの料理人はオーク!
敵地の真っ只中なのに、みんな紳士的なの
下を見て〜、タイルの隙間からタンポポ
もう一回見上げると、
シシハ:「飛行機雲、てか飛行機あるのか」
ラサキ:「やばいやばい異世界だ
緊張する めっちゃ緊張する
うわうわうわ うわ うわうわ」
ちょっ、目が渦巻きになってる!
手をにぎにぎ、
シシハ:「はい落ち着いて」
ラサキ:「あう」
シシハ:「吸って〜、吐いて〜」
ラサキ:「すー はー すー はー」
シシハ:「ヨシヨシ」
ブゥンブゥンブゥゥゥゥゥゥン!!
「「「ヒャァァハハハァァァァァー!!」」」
シシハ:「うっせえわ!」
ラサキ:「うぎゃ」
バイク、そしてモヒカンベアー。
中央には金髪逆立ちヘアーの少年、真っ赤なマント。
なんじゃこりゃ?
キュノス:「へいへいへーい!
迷子の迷子のお嬢ちゃん〜
お家はどこですかい!」
モヒカン熊:「ヒャッハー!」
ラサキ:「あれはなに?」
シシハ:「……さあね?」
キュノス:「てーい!」
振りかぶって……カラーボール20個投擲!
♐️
矢の速度のカラーボールだ!
シシハ:「ほい」全キャッチ
シシハ:「ほい」投げ返す
キュノス:「ぎゃー」べっちゃぁ
モヒカン熊:「息子さーん!」
>>>モヒカン、洗浄中。
キュノス:「ぷはあ。自己紹介が遅くなった。
この俺様こそが、ビッグベアー王国
第一王子 キュノス様だー!」はーっはっはっは
へー。ビッグベアー王国っていうの。
キュノス:「人は畏敬の念を込めて
緋色の王子と呼ぶのさ」
モヒカン熊:「よっ、息子さん!」
息子さん:「ちがう、
スカーレッドプリンスだ!」
パタパタしている。
ラサキ:「何あれ 王子様?」
シシハ:「あー、うん、そうみたいだね」
キュノス:「おい、そこの黄色と紫
名前は何という?」
指を指すな ムカつく。
シシハ:「シシハだよ」
ラサキ:「…ラサキ」
キュノス:「シシハとラサキ、
シシハ、ラサキ、……よし覚えた
▼
キュノス:「オレ様のカラーボールを
キャッチするとは 只者ではないな
気に入った その力 認めてやろう……
▼
キュノス:「晩餐会に 招待してやる
招待状だ 受け取れ!」ヒュン
ん、なにこれ 封筒だ。くんかくんか
シシハ:「マソの匂い。いて座♐️だ。」
ラサキ:「あうあう、たぶん【ディメンションアロー】」
【ディメンションアロー♐️】
触れた対象を転移させる技、って授業で習った。
キュノス:「いいねいいねー
力こそパワー! 知識もパワー!
両方そなわる 強い奴は 大歓迎なのさ!
なるほどコイツ、脳筋か。
キュノス:「その封筒に 指からマソを送れば
あっという間に 魔王城さ
時間通りに 来てくれよ」
シシハ:「わかった」
ラサキ:「うん。行くね」
キュノス:「いえーい、では、さらばだ」
シシハ:「待って」
ひとつ確認しとこう。
シシハ:「もしお腹空いたら、そこの人たち、食べていい?」
キュノス:「……え、今なんと?」
シシハ:「だーかーらー」
>>>説明中
>>>スライム清掃員を指さす
>>>ゴブリン作業員を指さす
キュノス:「んなぁーッ!!?」
モヒカン熊:「げげーッ!!!」
ラサキ:「ひっ!?」びく
あれ、変なこと言ったかな
キュノス:「お、お、おま、おまえ、
常識ってのは ないのかー!!!」
常識? ああ、あれね。
シシハ:「弱肉強食、だけど生命は廻る。
巨大生物から小動物、植物、微生物、
物質、大気の粒子、姿なき概念の一欠片まで
全てに敬意をはらって、いただきます」
モヒカン熊:「ちがーう!!」
キュノス:「なんてやつだ! とんでもない
人の生命が 軽すぎるぜ!」
ラサキ:「シシハちゃん
あの それはちょっと どうかと思うよ」
え、まじで
シシハ:「サバンナでは常識だよ?」
キュノス:「やばいやばいやばい
おいお前ら、ちょっと待て」
あ、スマホいじってる。
キュノス:「もしもしキュノスだ。
……そんな事はいい、緊急事態だ」
女性と話してる。
キュノス:「……ああ? ちげーよ。
サバンナのライオンだ。
今すぐだ、急げ」
シシハ:「あのー?」
キュノス:「ウチの羊を呼んだ。
いいか、言うこと聞くんだぞ」
あ、帰っていった。
ブゥン
羊:「メー」
シシハ:「うまそう」
ラサキ:「だめよ」
おっとついジンギスカンの写真を思い出してしまった。
羊:「フーン!」ニョキニョキ
うわ、手足が生えた!
ムキムキだー!
羊:「はじめまして、お嬢様がた
私は羊の執事(♀) ヒツジチャン
と申します メー」
シシハ:「はじめまして、メー」
ラサキ:「メー」
>>>『メー』は聖なる言葉なのだ。
ヒツジチャン:「では私めが、
クマーべシティの巡り方を、
隅から隅までお教えしましょう!」
シシハ:「いえーい」
ヒツジチャン:「この街には〜
グルメがある!
人を食わなくても、いいのです〜♪」
シシハ:「いえーい」
ヒツジチャン:「さあまずは、ハンバーガー
グルメの世界へ レッツゴー♪」
シシハ:「ゴー!」
ラサキ:「ダメよ」
んなっ?
ラサキ:「知らない人について行っちゃダメなの」
デデェェェン!!!!!
クマーべシティ
クマラクシティ
クマクダシティ
クマレズシティ
クマオトシティ
クマザルシティ
クマカイド