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転生後は猫魔道士でした  作者: 高畑まう
3/8

森の中

 まぁ、死んでしまった記憶がある事は間違いないので、今の私と前の私はきっと違う存在なんだろう。

 いわゆる生まれ変わり?来世?

 そういう分類なのかもしれない。


 かと言って、前世の記憶って普通にあるって異常じゃないか?

 なんなら、今この身体で生まれ育ってきた記憶も1つもない。

 何かの弾みで頭を打って前世の記憶は思い出したけど、今の過去を忘れてしまったとか?


 …いや無理があるな。


 とりあえずずっとここにいる訳にも行かないので、人がいそうな場所に移動したい。


 この森の中は薄暗くてじめじめしていて、なんだか空気が悪い。木々は高くて葉で空が見えず、正確な時間もわからない。

 でも葉と葉のすき間から漏れた明かりで、森全体の様子が明るいという事は夜ではないんだろう。


 とりあえず、思い至ったらすぐ行動。

 どちらに向かって進むのが正解かなんて分からないから悩まないで正面に向かって走り出してみた、が、2歩ほど踏み出してそのまま前転するようにつまずいて派手にこける。


 よく考えてみると当たり前の事だ。

 今まで二足歩行で歩いていたのに、急に四足歩行だなんて頭がついて行くわけがなかった。


(痛ったいなぁ)


 と思ったが、体を確認してみるとどこも痛くない。

 前に猫はビルの3階くらいからなら、地面によっては上手く着地する事ができると聞いた事がある。

 きっと無意識にこのしなやかな体を使って受身を取っていたのかもしれない。


(意外と悪くないな)


 そんな事を考えながら、右前脚と左後ろ脚、次に左前脚と右後脚。

 1、2、1、2、と数えながらゆっくりと歩く練習をしていく。


 やっとの事で違和感なく歩けるようになるまでに、どれくらいの時間が経過したんだろうか。

 気付くとあたりは薄暗くなり始めていた。


(ここで1夜過ごすのだけは勘弁…)


 まだ走ると脚がもつれそうになるので、できるだけ早足で、それでいて慎重に移動する。だが、


 ゾゾゾッ


 この世界の何も知らない私でも分かる。

 何かいる。

 何かくる。


 背後からのものすごい気配なのか、オーラなのか、よくわからない空気を感じ、体が動かなくなった。

 もしかしたらこれが殺気というものなのかもしれない。


 怖い


 頭に浮かんだ文字はただその一言だけだった。



 3話を最後まで読んでくださってありがとうございます。


 この前フルグラが食べたくなってわざわざ買いに行ったのに、牛乳だけ買い忘れちゃいました。

 結構地味にショックですよね。


 どうぞ今後ともよろしくお願いします。

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